転移した先はみんなとは別の場所だった!?(仮)

ちぃびぃ

魔王の配下VS劉(悪神付き)

クイファとエレンがそんな話しをしている中、劉は魔王の配下と戦っていた。

ルゥを助けねばと思っていたのに急に意識が落ちて、次に意識が戻ったときには魔王の配下の目の前にいた。

「貴様はなんだ」

「なんだっていいだろ。それよりルゥを離せ!」

「ルゥ?あぁ、この妖精の娘か。それはできんな」

「ならお前をぶっ飛ばす!」

「できるならやってみるがいい。この魔王に近しい配下の1人グレオンが相手になろう。その為にはこの妖精は邪魔だな」

そう言った魔王の配下……グレオンはルゥをその場に置いた。その瞬間劉は魔法を放った。

「ファイアボール!」

バレーボールぐらいの大きさのファイアボールがグレオンに迫る。

「そんなちゃちな魔法では俺を倒すことはできない」

グレオンが動かずにファイアボールを受け止める。爆煙が晴れるとそこには無傷のグレオンがいた。

「無傷!?ならこれなら……ウィンドボール!」

目に見えないウィンドボールがグレオンに向かって放たれる。だが、結果は先程と同じだった。

「……こんなものか。次はこちらから行くぞ」

グレオンは一瞬にして劉の背後をとった。

「なっ!?」

劉は咄嗟に持っていた剣を振るう。だが、当たらない。

「これでもくらえ」

グレオンは劉の腹を勢いよく殴った。それだけで辺りに凄まじい衝撃が空気を震わせた。




「くっ……」

吹き飛ばされた劉は剣を杖の代わりにしてなんとか立った。

(つ、強い。僕じゃ敵わない……)

たった一発、しかもただ殴られただけでこの威力。立っているだけでやっとだった。膝が震え今にも倒れだしそうだ。そして、心も折られている。そんな劉に悪神が声をかけた。

(おい)

(なん、だ)

(全力を出せよ)

(っ!?)

(俺はお前の中にいるんだぜ。お前とは違って意思が強いから入れ替わったとしても眠らない)

(全力は僕の身体が持たない)

(俺が制御してやるよ。お前はまだ魔力の制御が甘い。この短期間でそこそこはできるようになったみたいだが、俺から言わせてみればまだ赤子同然だ)

(悪神だった奴が人間と比べるなよ……)

(まあ、その人間も中々やるときはやるがな)

クククと不気味に笑う悪神。

(今のままじゃ勝てないか)

(覚悟を決めろ。助けたいんだろ?)

(ああ)




「もう動けないか」

グレオンは吹き飛ばした劉を見て言った。剣を杖にして立ってるようだが、時間の問題だろう。

「念の為に確実に息の根を止めないとな」

グレオンは確実性を求めた。なぜだか分からないがあのままではいけない気がしたのだ。とどめを刺すべく劉に、向かおうとしたグレオンは劉から異質な魔力を感じた。

「あ、あれは魔族の?いや魔王様に近い魔力!?」

「ダークボール」

放たれたダークボールはグレオンに向かって飛んでくる。その質量は先程とは全くの別物だった。

「く、魔纏まてん!」

危険だと感じたグレオンは全身に魔力を纏わせた。そしてダークボールを受け止める。

「な、これほどとは!」

グレオンは驚きながらもダークボールを圧縮し、消滅させる。

「ダークボールディビジョン」

ダークボールが分裂して迫ってくる。

「これは少し厄介だ……」

先程のダークボールより質は落ちるだろう。だが、数が多すぎる。二十個ぐらいはあるだろう。グレオンは魔纏を更に強化して全身に纏わせる。そして両腕にはその強化の数十倍の強化を施した。

「行くぞ」

グレオンはこれ以上長引くとこちらが不利になるかもしれないと思い、短期決着をしようとした。強化された脚は先程とは比べ物にならないぐらいの速度が出た。

●●●

ダークボールディビジョンを放とうとしている劉の顔は苦しそうだった。

「く……」

闇魔法は使いすぎると精神にかなりの負荷がかかり、暴走する危険がある。しかも今回は全力を込めているのでいつ暴走するか分からなかった。

(心配すんな。これぐらいならまだ大丈夫だ)

そうこうしている内にグレオンが構えた。グレオンの速さは分かっているので、早めに撃った。

複数のダークボールがグレオンに放たれる。だが、それらは全て弾かれていた。

「な!?迎え撃つしか……闇纏っ」

腕に闇のオーラを纏いながらグレオンを迎え撃つ。

(ばか、その程度じゃ勝てない!もっと力を込めろ!?)

珍しく焦った声を出す悪神。だが劉は聞いていなかった。

(くそっ、悔しいが今のお前じゃなにしても勝てねぇ)

劉には悟られない程度に毒づく悪神。

(こうなったら俺が入れ替わるか?いや、それはこいつのためにもならねぇ。どうする……)

そんなことを考えている内に劉とグレオンがぶつかった。ドォンっ!と衝撃だけで周囲の木々などが粉々になった。

「くっ……」

「ぬ……っ」

劉とグレオンは拮抗していた。だが、それもすぐに破られる。段々と劉が押し負けてきたのだ。

(もっと力を……もっと!)

劉は徐々に押し負けていてそれに勝とうと力を求める。そのとき劉の身体の一部が黒く染まった。いや、黒というよりは闇だ。光も届かない闇。それが劉の身体を侵食していたのだ。その侵食が進むに連れ、押し負けていた劉はグレオンを押し返す。

「なっ!?」

グレオンは驚きに目を大きくした。押し返されるとは思っていなかったのだろう。

「うおぉぉぉっ!」

その隙に劉が全力で力を込める。拮抗していた劉の拳がグレオンの拳を弾き、そのまま腹へと吸い込まれる。ドガァンッ!と大きな音を出しながら吹き飛ばされるグレオン。劉は追い討ちをかけようと駆け出そうとするが、突然蹲ってしまう。

●●●

劉とグレオンが衝突するのをクイファとエレンは見ていた。その戦いは凄まじいの一言だ。

二人だけなのに何百人の魔力を感じるのだから。

呆然と見ていたが不意にエレンが思い出す。

「はっ、そういえばルゥを助けないと。クイファ!」

エレンは横で未だに呆然としているクイファに声をかけた。

「え?あ、エレン。どうしたんですか?」

「ルゥを助けるなら今じゃない。ほら!」

エレンが指差す方にはルゥがいた。まだ目覚めていないのかぐったりしている。

「そうですね。このままだと危ないですし、私が行ってきます」

「頼んだわよ」

クイファは急いでルゥのもとへ向かった。息をしているのを確認してほっとする。急いでエレンのほうへ戻ろうとすると、悪寒がした。

(これは……)

この不気味で底冷えするような感覚は初めて感じた。まるで異質ななにかが現れたみたいなそんな感じだ。
クイファは劉のほうをみるとそこには蹲ってる劉がいた。



作者からのあとがき
久々の連日更新!次の話は来週までに書けたらいいなぁって思ってます。待っていてください!

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ID:shina5410






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