転移した先はみんなとは別の場所だった!?(仮)
力の解放
「クイファさん、エレンさん!」
「あ、りゅー待って!」
劉は2人を見た途端、ナノの制止を無視してすぐそちらに向かった。
「大丈夫ですか!」
「りゅーさん!?」
クイファは劉が来たことに驚いた。エレンも声は出ていないが、驚いているようだ。
「なんで……」
「なんで来たの!」
クイファが聞こうとしたら、エレンが声を被せてきた。
「なんでって……」
「あんたは人間でしょ!?なんで人間の味方をしないの!?」
「襲われてたし……」
「そんなの関係ない!人間は、人間は……っ!」
「落ち着きなさい、エレン」
劉を今にも殴りかかりそうなエレンをクイファが宥める。
「今は怒る時ではありません。助けに来てくれたのですから、まずはここを突破しないと。りゅーさんはそちらから援護してください!」
「分かりました!」
僕はクイファさんに言われ、正面にいる人達と対峙する。
「てめぇ、人間なのにあいつらの味方なのか?」
「あぁ、そうだ」
「なら、てめぇも敵だ。ガキだからって容赦しねぇぜ」
そう言って3人が僕の方へ向かってくる。
(魔物や魔獣は沢山倒したけど、人間相手は初めてだ。できるのか?いや、やるしかない!)
僕は覚悟を決めて魔法を放つ。
「ウィンドボール!」
「がぁっ!」
目に見えない風の塊が敵の1人を吹き飛ばす。だが、残りの2人は間合いまで入ってきてしまった。僕は2人同時に相手をしなくちゃいけない。
「くっ」
ギィンと1人と剣が交わる。
「2人相手はしたことないだろ。さっさとくたばれ」
後ろから気配がした。僕は横に転がった。
「ちっ」
敵2人が僕を挟むようにして向かってきた。
「ダークボール・ダブルホーミング!」
僕が撃った2つのダークボールは2つとも避けられるが、背後からまた追撃する。
「鬱陶しいっ!」
敵が1つ目のダークボールを斬った。だが、まだ1つ残っている。しばらくは時間を稼げる。僕は残った1人に剣を向ける。
「はぁっ!」
僕は剣で相手を斬ろうとするが、避けられて当たらない。
「魔法は中々だが、剣術はまだまだ素人だな」
そう言われ、腹に拳をいれられる。
「がはっ」
僕はそのままがくりと膝を付く。後ろを見るともう1人もやって来ている。
「安心しろ。痛みを感じないまま殺してやるよ」
そう言われたとき、僕の中で何かが聞こえた。
『まだ死にたくないだろ?』
僕はその声に頷いた。
『なら、解放するんだ』
解放ってなんだ?どうするんだ?
『教えなくても、お前ならもう分かっているだろ?』
僕はそれに何も答えない。
『早くしないと全員死ぬぞ』
っ!それはだめだ。でも、これを解放すると自分じゃなくなる感覚がする。しかも制御できる自信がない……
『大丈夫だ。今回は盗賊を全員殺すぐらいで止めといてやるよ。お前が制御できるまでは出てくる気なかったからな』
信じてもいいのか?
『それはお前が決めることだ』
分かった。僕はこれを解放しよう。みんなを守るために。
盗賊の頭がガキの首を斬ろうとすると、ガキから黒い霧が出てきた。
「なんだ、これは?」
まだ動けるのかと思ったが、動く気配がない。
「まあいい」
そのまま剣をガキの首に落とす。
「なっ!?」
振り落とした剣はガキによって掴まれた。素手で。
『はぁ、やっと動けたぜ』
ガキが立ち上がった。でも、なんか気配がおかしい。さっきとは別人だ。
「まだ、動けるとは大したもんだな」
『あ?』
「っ!!!」
ガキがこっちを睨みつけてくる。その瞬間感じたことのない重圧が寄ってきた。
(こいつはやべぇ。死ぬな。逃げねぇと)
そう思い、足を動かそうとするが、動かない。
「?」
見てみると、下半身がなかった。そう認識した瞬間、脳に痛みがきた。
「ぐあぁぁぁっ!!」
(こ、こいつ痛みも感じないほど速いのか!?)
そうして意識が途切れた。
●●●
『久々すぎて訛ってるなやっぱ』
剣に付いた血を振り払うと、後ろから気配がした。劉の身体を借りたなにかは振り向かずに斬った。
『次はあいつらか』
なにかはそう言ってクイファとエレンがいるほうに向かった。
●●●
クイファとエレンはぎりぎりを保っていた。50人近い盗賊達を相手に戦えるのはさすが女王2人といったところ。
「はぁはぁ……」
「ぜぇぜぇ……」
だが、そろそろ限界なのだろう。そんなとき盗賊の後ろから爆発が起こった。次々と盗賊達が殺られていき、全滅した。クイファとエレンが奥を見るとそこには劉が立っていた。
作者からのあとがき
めっちゃ遅くなってすみません!更新はしばらく早めにしていく予定なので、これからもよろしくお願いします!!
「あ、りゅー待って!」
劉は2人を見た途端、ナノの制止を無視してすぐそちらに向かった。
「大丈夫ですか!」
「りゅーさん!?」
クイファは劉が来たことに驚いた。エレンも声は出ていないが、驚いているようだ。
「なんで……」
「なんで来たの!」
クイファが聞こうとしたら、エレンが声を被せてきた。
「なんでって……」
「あんたは人間でしょ!?なんで人間の味方をしないの!?」
「襲われてたし……」
「そんなの関係ない!人間は、人間は……っ!」
「落ち着きなさい、エレン」
劉を今にも殴りかかりそうなエレンをクイファが宥める。
「今は怒る時ではありません。助けに来てくれたのですから、まずはここを突破しないと。りゅーさんはそちらから援護してください!」
「分かりました!」
僕はクイファさんに言われ、正面にいる人達と対峙する。
「てめぇ、人間なのにあいつらの味方なのか?」
「あぁ、そうだ」
「なら、てめぇも敵だ。ガキだからって容赦しねぇぜ」
そう言って3人が僕の方へ向かってくる。
(魔物や魔獣は沢山倒したけど、人間相手は初めてだ。できるのか?いや、やるしかない!)
僕は覚悟を決めて魔法を放つ。
「ウィンドボール!」
「がぁっ!」
目に見えない風の塊が敵の1人を吹き飛ばす。だが、残りの2人は間合いまで入ってきてしまった。僕は2人同時に相手をしなくちゃいけない。
「くっ」
ギィンと1人と剣が交わる。
「2人相手はしたことないだろ。さっさとくたばれ」
後ろから気配がした。僕は横に転がった。
「ちっ」
敵2人が僕を挟むようにして向かってきた。
「ダークボール・ダブルホーミング!」
僕が撃った2つのダークボールは2つとも避けられるが、背後からまた追撃する。
「鬱陶しいっ!」
敵が1つ目のダークボールを斬った。だが、まだ1つ残っている。しばらくは時間を稼げる。僕は残った1人に剣を向ける。
「はぁっ!」
僕は剣で相手を斬ろうとするが、避けられて当たらない。
「魔法は中々だが、剣術はまだまだ素人だな」
そう言われ、腹に拳をいれられる。
「がはっ」
僕はそのままがくりと膝を付く。後ろを見るともう1人もやって来ている。
「安心しろ。痛みを感じないまま殺してやるよ」
そう言われたとき、僕の中で何かが聞こえた。
『まだ死にたくないだろ?』
僕はその声に頷いた。
『なら、解放するんだ』
解放ってなんだ?どうするんだ?
『教えなくても、お前ならもう分かっているだろ?』
僕はそれに何も答えない。
『早くしないと全員死ぬぞ』
っ!それはだめだ。でも、これを解放すると自分じゃなくなる感覚がする。しかも制御できる自信がない……
『大丈夫だ。今回は盗賊を全員殺すぐらいで止めといてやるよ。お前が制御できるまでは出てくる気なかったからな』
信じてもいいのか?
『それはお前が決めることだ』
分かった。僕はこれを解放しよう。みんなを守るために。
盗賊の頭がガキの首を斬ろうとすると、ガキから黒い霧が出てきた。
「なんだ、これは?」
まだ動けるのかと思ったが、動く気配がない。
「まあいい」
そのまま剣をガキの首に落とす。
「なっ!?」
振り落とした剣はガキによって掴まれた。素手で。
『はぁ、やっと動けたぜ』
ガキが立ち上がった。でも、なんか気配がおかしい。さっきとは別人だ。
「まだ、動けるとは大したもんだな」
『あ?』
「っ!!!」
ガキがこっちを睨みつけてくる。その瞬間感じたことのない重圧が寄ってきた。
(こいつはやべぇ。死ぬな。逃げねぇと)
そう思い、足を動かそうとするが、動かない。
「?」
見てみると、下半身がなかった。そう認識した瞬間、脳に痛みがきた。
「ぐあぁぁぁっ!!」
(こ、こいつ痛みも感じないほど速いのか!?)
そうして意識が途切れた。
●●●
『久々すぎて訛ってるなやっぱ』
剣に付いた血を振り払うと、後ろから気配がした。劉の身体を借りたなにかは振り向かずに斬った。
『次はあいつらか』
なにかはそう言ってクイファとエレンがいるほうに向かった。
●●●
クイファとエレンはぎりぎりを保っていた。50人近い盗賊達を相手に戦えるのはさすが女王2人といったところ。
「はぁはぁ……」
「ぜぇぜぇ……」
だが、そろそろ限界なのだろう。そんなとき盗賊の後ろから爆発が起こった。次々と盗賊達が殺られていき、全滅した。クイファとエレンが奥を見るとそこには劉が立っていた。
作者からのあとがき
めっちゃ遅くなってすみません!更新はしばらく早めにしていく予定なので、これからもよろしくお願いします!!
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