転生プログラマのゴーレム王朝建国日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~
33 豚狩村からの来訪者(千春視点)
豚助氏はお腹をぽよんぽよんと揺らしながら息を巻いている。
身長は無いが横に大きい。縦と横の比率は同じなんじゃないだろうか?押せば転がるかもしれないな。
豚助氏の背後には小さい影。うす茶色のふわふわとした髪が見え隠れし、大きな赤い瞳がちらちらとこちらを伺っている。
豚狩村というのは、東の山を越えた先にある村だ。あそこから来るには山を登るか、迂回して森からやって来るしか無いはずだが。そんな苦労してまで、わざわざ何をしにやってきたんだろうか。
「聞いてるのかあ、女!」
「ええ、聞いてますですお客様。無償での宿泊をご希望ですね」
豚助氏はキョトンとした顔をした。想定外の返答だっらしい。後ろの小さい子は、何も考えていないのか、ずっとニコニコしているだけだ。
なるほど、バカとアホのコンビのようだ。
迷惑なコンビ結成もあったものです。結成するのは構わないですが、どこか私の目の届かないところでやってもらいましょう。
「お、おお。その通りだ。なかなか物分かりの良い女じゃないか!」「その通りだぞ女!」
「では宿泊施設のご案内ですが、先ずは今お入りになった大扉を抜けて真っ直ぐお進み下さい」
「ウムウム」
「暫く進みますと関所がお見えになりますので、そこを越えて頂きますと、当店の無償宿泊スペースとなりますです。どうぞごゆるりとお過ごし下さいませです」
「ウム! 分かった! では行くぞ小夏!」
「アイサー! オヤビン!」
豚助氏と小夏氏が魔女邸から出ていくと、建屋内に静寂が戻ってきた。
「さて、お待たせしましたです。次のお客様どうぞ」
「って!!! 関所を越えたら森しかないだろうが!! 俺様に野宿しろってのか!!」「のじゅくするのか!」
ちっ。流石に騙されなかったですか。
「お客様にはお似合いの場所ですが」
「誰が野宿がお似合いだ! 俺様を舐めてるのか女!」「なめてやるぞ女!」
「お金を払う気が無いのであれば当然です。なんの権利があって無償で泊まろうと思ってるですか」
「権利なら、ある!」
豚助氏はぐいっと胸を張る。
よく後ろに転がらないものだと関心したのだが、よく見ると小夏氏が転がらないように懸命に支えていた。
「いいか、最近森谷村がゴーレムを使った卑怯な計略で観光客をふやしている! そのお陰で豚狩村の収入は激減だ! だから俺は奪われた金を取り返しにこの村にやって来たのだ! その俺から宿泊料を取るだと? 馬鹿も休み休み言うんだな!」
(なんて滅茶苦茶な屁理屈だ。要するにわざわざ豚狩村からタカりに来たですか)
「……バカにつける薬は無いですね」
そう言った瞬間、豚助氏の顔が赤く染まった。
「お、俺様をバカにしたな!!」
豚助氏の手元にキラリと光る物が握られた。
何を思ったか豚助氏は腰に差してあった短刀を引き抜いてしまったのだ。
バカだバカだとは思ってはいたが、ここ森谷村で刃物を抜くとは、想定以上の馬鹿者だったらしい。
身長は無いが横に大きい。縦と横の比率は同じなんじゃないだろうか?押せば転がるかもしれないな。
豚助氏の背後には小さい影。うす茶色のふわふわとした髪が見え隠れし、大きな赤い瞳がちらちらとこちらを伺っている。
豚狩村というのは、東の山を越えた先にある村だ。あそこから来るには山を登るか、迂回して森からやって来るしか無いはずだが。そんな苦労してまで、わざわざ何をしにやってきたんだろうか。
「聞いてるのかあ、女!」
「ええ、聞いてますですお客様。無償での宿泊をご希望ですね」
豚助氏はキョトンとした顔をした。想定外の返答だっらしい。後ろの小さい子は、何も考えていないのか、ずっとニコニコしているだけだ。
なるほど、バカとアホのコンビのようだ。
迷惑なコンビ結成もあったものです。結成するのは構わないですが、どこか私の目の届かないところでやってもらいましょう。
「お、おお。その通りだ。なかなか物分かりの良い女じゃないか!」「その通りだぞ女!」
「では宿泊施設のご案内ですが、先ずは今お入りになった大扉を抜けて真っ直ぐお進み下さい」
「ウムウム」
「暫く進みますと関所がお見えになりますので、そこを越えて頂きますと、当店の無償宿泊スペースとなりますです。どうぞごゆるりとお過ごし下さいませです」
「ウム! 分かった! では行くぞ小夏!」
「アイサー! オヤビン!」
豚助氏と小夏氏が魔女邸から出ていくと、建屋内に静寂が戻ってきた。
「さて、お待たせしましたです。次のお客様どうぞ」
「って!!! 関所を越えたら森しかないだろうが!! 俺様に野宿しろってのか!!」「のじゅくするのか!」
ちっ。流石に騙されなかったですか。
「お客様にはお似合いの場所ですが」
「誰が野宿がお似合いだ! 俺様を舐めてるのか女!」「なめてやるぞ女!」
「お金を払う気が無いのであれば当然です。なんの権利があって無償で泊まろうと思ってるですか」
「権利なら、ある!」
豚助氏はぐいっと胸を張る。
よく後ろに転がらないものだと関心したのだが、よく見ると小夏氏が転がらないように懸命に支えていた。
「いいか、最近森谷村がゴーレムを使った卑怯な計略で観光客をふやしている! そのお陰で豚狩村の収入は激減だ! だから俺は奪われた金を取り返しにこの村にやって来たのだ! その俺から宿泊料を取るだと? 馬鹿も休み休み言うんだな!」
(なんて滅茶苦茶な屁理屈だ。要するにわざわざ豚狩村からタカりに来たですか)
「……バカにつける薬は無いですね」
そう言った瞬間、豚助氏の顔が赤く染まった。
「お、俺様をバカにしたな!!」
豚助氏の手元にキラリと光る物が握られた。
何を思ったか豚助氏は腰に差してあった短刀を引き抜いてしまったのだ。
バカだバカだとは思ってはいたが、ここ森谷村で刃物を抜くとは、想定以上の馬鹿者だったらしい。
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