異世界でバイオハザード

チーズフォンデュ

チョロインと思った?

僕たちは再びルピーリエの家の前まで来ていた。もちろん理由は簡単、衣服を作ってもらうために僕に対する恐怖心をなくし、僕がどれだけいい人か知ってもらうためだ。

今日はライたち子供たちはいない。なぜなら彼らは今日、学校のようなものがあるらしいからだ。忘れているかもしれないがこの集落の村人は全て魔人だ。それもルネート族と呼ばれる魔力の高い魔族のため、週三回魔法の勉強会が行われるらしい。

コンコン

意を決してドアを叩く。正直女の子の家をノックするなんて初めてだし緊張している。口から心臓が飛び出そうだ。

「…は、はい…。っっ!!」

ドアをゆっくりと開いてドアの隙間から僕の顔見た瞬間驚いた顔していて、何故だかわからないが見返した気分になった。

「髪の毛切ったんですね…。」

ルピーリエは笑いながら昨日の怯えている様子はなく、話してくれた。
髪の毛は昨日ライの母親が晩御飯をご馳走してくれた後に切ってくれた。前髪は目元にかかるくらいで全体的に短くしたおかげで僕の紫色の眼がはっきりと見える。腰以上伸び切っていた髪から今の髪型にしたことで昨日の僕と同一人物とは思えないんじゃないだろうか。

「はい…。ハハ、ちょっと恥ずかしいですね。」

「後ろの方々の衣服でしたよね。ちょっと話でもしましょう!お茶くらいはありますよ!ささっ、中に入ってください!」

ん?なんか昨日より反応変わりすぎな気がするな?まあ、別に不都合があるわけじゃないし深くは考えないでおこう…。






私の名前はルピーリエ、16歳です。幼くして両親を亡くしてから一人で生きていたせいであまり、大人と話すのは苦手です。そんな私はある日、友達のライくんが家にきた。何かと思って部屋を出てみるとそこには怪しげな男がいました。髪を足まで伸びた不気味な男で髪の隙間から見えるひどい隈がさらに怖かったのです。後ろには巨体の魔族と思われる人たちがいたがその男が異様で近づくのもためらうほどに異常でした。怖くて話せるような状況じゃなかったので難癖をつけて帰ってもらいましたが最後にまた明日も来ると言われ、有無を言わせない雰囲気で頷くしかできませんでした。

しかし次の日に約束通り男はきました。それも髪を切って。髪を切った男は昨日の雰囲気とは一変して爽やかでした。なんといっても顔がタイプだったです。堀が深く、いわゆるイケメンで、紫色の眼が知性的に見えました。ひどい隈も今は個性に見えてくる。そう、私はいわゆる一目惚れをしたのです。






「あ、あの…、それで何から話しますか?」

あまりの沈黙にこんなことを言ってしまうなんて最悪だ…。思わずコミュ障の癖が出てしまった…。ヤバイ、つまらない男と思われているだろうな。
僕はルピーリエの方を見ると…ルピーリエ1番の笑顔を見た。

「そうですね!まず、ヴァンさんの生まれた時から聞きたいです!」

「え!?そこからですか!?」

「はい!ヴァンさんのこと全部知りたいんです!生まれた時から今まで、どんな人生を送ってきたのか。それに今後のこととか…。フフ…。」

あれ?この子、ちょっと怖いんだけど…。もっと清楚そうな感じかと思ったんだけど …もしかしてヤバイ奴… ?

「ハハハ…、冗談はそこまでにしてくださいよ。」

「え?冗談じゃないですよ?」

ルピーリエは突然真顔で言ってきて背筋が凍る思いがした。
やっぱ、この子ヤバイ奴だよね!突然こんな真顔で言うことある?ちょ、なんでまだこの子真顔なの!?怖い、怖い!!昨日は僕のこと怯えてたけど、今じゃ僕の方が怯えてるよ!後ろにいるZ−9号に助けを求めてみるが何故か嘲笑っているように僕を見下ろしている。もう一度見るといつも通りだった。

「す、すいません…。」

「どうして謝るんですか〜、さ、ヴァンさんについて教えてくださいよ!!」

「あ、はい…。」

笑顔なはずなのに狂気じみた表情に見える。女って怖い…。













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