ゾンビになって生き返ったので 復讐してやる

カイガ

50話「ヤニカスへの制裁(死刑)」

  以上、回想終了。語っている途中で須藤が攻撃しにかかってきたが、ことごとく躱し、それどころか、四肢を粉砕して指一本動かせない状態にしてやった。因みにこいつの職業は銃剣士だ。ステータスは言うまでもなく雑魚だ。俺からしてみれば、だが。

 「受動喫煙がどれだけ害か、知らねーのか?テメーら喫煙者どもが摂取している主流煙よりも有害物質をたくさん含むのが副流煙だ。当然そんなものを吸えば人体に悪影響を及ぼすことになる。
 吸い込むと心肺機能に支障をきたして、肺がんになる可能性も高くなる。目に入ると、視力低下、白内障の原因にもなる。
 分かるか?テメーはあの時、騒音よりも最悪なことをしでかしてくれたんだ。テメーみたいなゴミクズに俺の健康が損なわれたんだ。たかがタバコだとかおもってんじゃねーぞ?十分人に害をもたらすクソ物質なんだよぉ!!」

 言っているうちに腸煮えくり返ってきたので、脛を蹴る。ぼきっと音を立てて腓骨あたりが折れた。そのまま脛を潰す。

 「ぎゃあああああああああ!!!?」
 「それだけじゃない。その後お前は何をした?逆ギレして俺の下駄箱に吸い殻入れる、その後も俺を害する行為をあのクソゴミ大西らと一緒にやってくれたなぁ?挙句、この世界では俺を嗤い、いたぶってくれたよな?合格だよテメーも。俺にぶち殺される資格は十二分にあるぜ!?」

 顔面に平手を張り、そのままアイアンクロウに持ち込む。爪が頬肉の中に入り込み、血がだらだら流れる。ミシミシと頭蓋と頬骨が音を立ててヒビが入っていく。あっという間に、須藤の頭の形が変形していった。

 「ああああああ!!も、もうやめて...。ゆるひて...!」

 ゴミクズ須藤の心が折れ、俺に赦しを乞いた。次ので殺すつもりだし、素手で痛めつけるのはここまででいいか。まだまだ復讐しなくちゃいけないのがたくさんいることだし。

 「ああいいぜ。次で終わらせるから。せっかくだから、禁煙の援助をしてあげるよ。禁煙用の電子タバコってしってるか?あれから出る気体は、水蒸気なんだと。だから、テメーにやるよ。とっておきの電子タバコをな。」

 この時の俺は、悪魔顔負けのどす黒く恐怖を感じさせる笑顔を浮かべていたかもしれない。
 水魔法と炎熱魔法を複合させたオリジナル魔法『水爆』を発現。そこから、「技能具現化」を「魔法物体化」として応用し、水爆に発動させる。すると、大きな爆弾が霧散し、代わりに一本の電子タバコが出現。
 それを須藤に無理やり咥えさせる。

 「ああ、それはライター要らずで、数秒で勝手に火が付く。そして...きっと今まで味わったことのない、最高の煙が吸えるぜぇ!?」

 言い終わるのと同時に、火がついた。―が、煙が全く出てこない。それも当然。先端部分に蓋がしてある。すると、外に出ていくはずの煙は逆流して、須藤の体内に溜まっていく。
 さらに、須藤の体温が急に上昇していく。

 「あ、熱い!体が熱い熱い!!何だよこれ!?煙が、吐き出せないし、タバコも離れねぇ!?」
 「ああ、咥え部分に癒着させたから、取れないぞ?それよりもっと味わえよ。テメーの大好きなタバコを死ぬ前に用意してやったんだぞ?あの世であいつらに自慢しろよ。俺から好きなタバコを吸わせてくれたって。」
 「...!?あいつ、ら?お前が...ごばっ!?体が膨らんで...!?」

 須藤の体が膨張し始める。煙が体内に溜まり続けているから、体積が増しているのだ。さらに、温度も上昇している。するとどうなるのか...。

 「あづい、熱い、あ、づい...!血が、沸騰していく...!体が、もうヤバい!助けて、今までのこと全て償うからっ!!もう二度と甲斐田様の気に障ることしないからっ!だから、これをなんとかし、てぇ...」

 涙混じりに俺に必死に命乞いしてくる。だが、俺は一笑に付して無視する。
 「最期のタバコ。存分に味わって死ねよ。あと10秒くらいで終わる。ちと短いが、それだけ特別なものだということで。」

 ひらひらと手を振り、距離をとる。その間も須藤の体は膨張し続ける。奴の今の体温はそろそろ摂氏100℃はいくかな?まだ死ぬなよ~?最後はド派手にいくからな。
 「水爆」をタバコに変えた。それに火がついた結果、それは最終的にどうなるか?簡単だ。大爆発する。それこそ元の世界にあった水爆みたいに。ほら、あんな風に―!
 
 
 「あ―『ドオオオオオオ―』

 瞬間に摂氏数億℃の爆発が発生。名付けて、「須藤爆弾」!とかか?名前だっさww
 しかし、このままにしておくと、俺だけじゃなく、周囲の色々もただでは済まないだろうから、大地魔法で巨大で分厚い土壁と「魔力障壁」を同時発生させ、爆心地の周りにぐるっと囲む。さらに、上から大量の砂も発生させて、小規模の土砂崩れを発生させる。
 これにより、周囲への被害はほぼゼロだ。あのままにしていたら、数十キロにわたる摂氏数億度の大爆発が起きただろう。ドラグニア王国なんか簡単に滅ぶわ。
 それよりも、これで須藤賢也クソヤニカスへの復讐が完了、ぶっ殺せた。俺の健康を損ねた害悪は死んで当然だ。
 
「もしも元の世界に帰れたら、ヤニカスどもを殺しに回って、タバコそのものを根絶させるのも悪くないなぁ。」

 気持ち良いことしたなぁと満足気に笑って、次の獲物を求めて俺は歩き出した。
 俺が去った跡のその場には、大量の土砂が残っていた。


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