最強の勇者ですし魔王も倒したんでパーティーメンバーにセ◯レになってもらおう思います。《フラれました辛い》

吟遊詩人

俺のセ◯レになってくれ!!!

「【あの時の切り株の上、ウッドチップにて君を待つ。】
…覚えててくれたんだな。」
照れくさそうに、優しく彼女は頬笑む。

「隣、いいですか?」

「君以外の誰が座る?俺の隣は君しかいないさ。」
軽口をたたく。いつものように。

「懐かしいですね…
修練場…あのときは二人だけでしたからリトルウルフにも一苦労で…」
クスリと笑う。彼女の笑う姿が好きだ。
笑みを浮かべこちらを見るその眼差しが好きだ。

「ははは…あの時は実力を証明、なんて意気込んで群れに襲われて…
俺のせいではあるけど群れの一匹に襲われた君を庇って怪我をして…」
泣きそうな顔をしていたな。なんて、思い出してしまう。

「回復が間に合って良かったですよ
お腹からいっぱい血を流しながら【必要がない】なんて言った貴方に…思わず杖で殴っちゃいましたね
いっ…今…しちゃったら逮捕…されちゃいますね…?」

マリーは元はただの街娘、回復魔術の適正があることから街の教会で働いていたが国が送り出した数々の猛者、勇者に選ばれた面々が死亡すると彼女にまで【勇者を支える聖職者】の役目がやってきた。
街娘が国の英雄を殴る…たしかに彼女じゃなきゃ大変なことになるな

「そうはならないさ。
マリーは今や勇者を支え、魔王を倒した1人だぜ?
身分なんて関係ないさ。
それに…俺なんて元は堕落して業務をサボってた一般兵、最強の勇者の肩書きなんて重すぎるよ。」
笑いながら俺なんかがよくもここまで成し遂げたな…なんて思う。

「ふふっ…笑えませんよ?
…ねぇ、【勇者様】」
楽しそうに笑い、
「私、貴方を支えることができて、本当に良かった…
これから…あな…たは…勇者…だから…」
違う…違うだろ…
そんな顔じゃない…俺が見たかったのは諦めたように涙を流すそんな顔じゃない…

「…もぅ…いや…だなぁ…泣かないって…決めてたのに…
ごめん…なさい…勇者さま…
しあわせに「うるせえ」」
少しずつ俯いていた顔を上げる。
彼女が、涙で濡れた顔を。

「俺はな、お前の笑ってるのが好きなんだよ。
幸せそうにしているのが好きなんだ。
なあ、聖女。
マリーホワイト、
俺の惚れた女が何を勝手に結末決めてんだ?
決意?覚悟?知ったことじゃねぇよ。
お前は誰を支えるんだ?誰を支えるのが役目だ?」

「え…?」
頬を手を当てる。ハンカチを取り出し涙に濡れた顔を拭く。

「笑え」
彼女を見つめ、確信のあるように、できる人にできることを言うように、信頼のある一言を。

「…もぅ…
私って…バカだったんですね」
それだ。その顔だ。
涙は流れている。だが、笑みを浮かべている。
俺が好きな女の笑みだ。

「ねぇ…勇者様…貴方が…その…良ければ…」
少し、それでも怖いように…確信がつけない事実を手探りで探るように…

「待て。」
言葉を止めさせる。

「俺から言わせてくれ。」
マリーが見つめる。
どんなことを言われても、どんな結果が待っていても、覚悟を決めようとする、そんな眼差しで。

「お前が好きだ」
事実だ。間をいれる必要もない。
覚悟を決めさせる間も与えない。

「あっ…うぅ…」

「泣き虫だな。魔王を倒しても変わらないか。」
赤らめた顔、俯き口を小さくパクパクさせる。
本当に、いとおしい

「俺のセ◯レになってくれ」

「…………?
……………………??
…う…?えっ………いまなんと…?」
しばらく間をおいてガバッと顔を上げる。
赤らめた顔がとてつもない速度で青ざめる。

「俺のセ◯レになってくれ」

「……?……?…??
セ◯レ…??」

「セ◯レ」

「……?……??
………え?は?うそ…?え、
じょうだん…え?……え?」

「俺のセフ「うるさい」」
酷いな。

「…まって、まって、
えっと…つまり…?魔王を倒して…?
国に帰って?森に誘われて?
勇者様に…告白されて…??」

「だな。」

「セ◯レになってくれと?」

「?何度言えば分かるんだ?」
生娘じゃあるまいし…
…いや、聖職者だから生娘なのか…なるほど…それなら…

「体位はお前の好きなように決めていいぞ!!」
肩をガシッと掴みそう言った。

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