ファンタジー異世界って・・・どういうことだっ!?
第18話 決 着
「ぐぉおああああああっ!!!」
ゼウスは飛んだ右腕を信じられない、と言った様子で叫び声をあげ、瞬時に俺と距離を取り、治癒スキルだろう…それらしきものを発動させた。
金色の光が一瞬で、ゼウスの右腕を何事もなかったかのように戻っていた。
それでも、奴に何かしらダメージは与えられたらしい。ゼウスは俺を化け物か何かを見るような目で見ている。
「き、貴様ぁ…!一体何の術だ!?それは!?朕が把握していない術式は無いはず…!!」
俺に向かってゼウスが吠えてきた。
冥土の土産だ。教えてやることにするか。
「術?そんな物使ってないぞ。俺は。」
「なっ!!??」
またもやゼウスは呆けたような表情をする。
仕方がないだろう。事実なのだから。
眼をつむっていても周囲の状況が詳細にわかったのは多分周辺探索のスキルのおかげだろうか。
とにかく、奴が突進してきたのは手に取るようにわかったので、思わず遅いとか言っちゃったのだ。
で、スローモーション状態のゼウスの剣を思いっきりはじいて、右腕を飛ばした…と。
こんなところが本当のことだ。
そう、術なんて一つも使ってない。魔力による身体強化すら、俺は使用していなかったのだ。
「何も使っちゃいない。ただの身体能力だよ。…そろそろ…お前自身に別れを告げたらどうだ?ゼウス。俺が、貴様の存在ごと消し去る前にな。」
「ち、ちちち、朕はまだ負けてはおらぬ!!『最高神ゼウスの名のもとに命ず!!彼の者に虚無送りの天罰を下せ!!』」
多分、それは何かの詠唱だったのだろう。
ゼウスが叫んだその直後、俺の体に激しい雷撃が襲い掛かってきた。四方八方から襲い掛かってくる神の雷。周囲に轟音を轟かせるソレは、神と成る前の俺だったら確実にダメージを負っていただろう…。だが。
「な、なぜ…生きているっ!?それは神であろうが死者であろうが虚無と化す術のはず…!!」
何か訳のわからないことをゼウスが言っているが…。俺にはかすり傷ひとつ付いちゃいない。
障壁を張ったり、剣で受け止めたりもしていない。
俺は、ただ立っていただけだ。
そして、目の前のログが更新される。
ー『蒼天白夜』 覚醒完了ー
さぁ…これからが俺のターンだ。
俺は地面を力いっぱい踏みしめ、最高神の元へと突撃する。
一瞬で俺の速さは光を超え、ゼウスにすれ違いざまに斬りかかった。
ーズバァァアッ!!
「ゲハァアァッッ!!」
俺のロングソードが立てた鈍い音と共に、ゼウスが上半身と下半身が別々になった。
下半身は光となって消え去り、上半身は血しぶきをあげながら吹っ飛んでいく。
8回転くらいはしただろうか?ようやく止まったゼウスの上半身は、もはやぼろぼろな有様だったが、本人はまだ、生きている。
俺は剣を両手で構え、ゼウスの眼前まで持ってくる。
「グフっ…!!…み、認めん!!…朕が負けるなど…認メんゾォォオオオオオ!!」
その言葉を無視して、俺は神であったものに剣を突き立てようと、力を込めたその瞬間。
ォォォォ!!という得体のしれない音が、周囲の空気を震えさせる音が、目の前のゼウスから放たれた。そして、状況は一変する。
『オォォォォオオオオォオォオオ!!』
ゼウスの体が、あふれんばかりの光に包まれ、球体のような形になる。そこからも得体のしれない音が漏れ出し続け、光は肥大化していく。数瞬、そんな状態が続いたあと、光の球が、爆発した。
すさまじい風圧と神の稲妻が周りの地形を変えていく。
ー最終イベント開始ー
ー革命成功条件 ゼウスの消滅ー
ログが俺の目の前で更新されていく。
光と爆風が収まったあと、俺は信じられないものを目にする。
――――――
あたりを黄金に照らした爆発を遠目で見ていたハデスは驚きの声を上げる。
「あ、あれは…!アレン君…ついに、追い詰めたんだねっ…!!」
「ついに…奴の本性が現れたか…!」
ヴァイルも固唾をのんでその光景を見守る。
光の爆発が収束し、それと同時に、ソレは現れる。
背丈は、ざっと三千メートルはあろうか。白い岩のような肌に、背中からは人の顔や、人の腕が無数に生えていて、人であれば肩甲骨のあたりに、大きな白い翼が2対生えている。一番上にある、楕円形の顔のような場所には、大きな黒い穴が一つ、口のあたりに空いているだけだ。
それは、何よりもおぞましく、恐怖を体現したような姿をしていた。
ゆっくりと頭を上げ、天に向かって、ソレは叫ぶ。言葉にならない叫びを、先ほどまで相対していた男への怒りの叫びを…。
『ォオォォォオォオオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!』
耳をつんざくようなその声は、まさに世界の終焉を告げるかのような声だった。
これこそ、まさにゼウスの本当の姿。最高神の本来の姿である。
「あ、アレンは無事なのっ!?」
まだ震えが抜けないクローディアが、声を振り絞ってハデスに尋ねる。
だが、ハデスからの答えが耳に届く前に、ゼウスの放った攻撃の音が響く。
ゼウスは大きく両手を広げると、全身から雷を放出したのだ。
『ォオオオオオオオオオオ!!!!!』
轟音と共に、周囲一帯をえぐりつくすその攻撃を見て、クローディアとリリアの顔色は悪くなる一方だった。
だが、そんな心配も一瞬のこと。
『うるせぇんだよ!!この死にぞこないがァアアアアアアアアッッ!!』
次に響いてきた声を聴いて、四人はかすかな笑みを浮かべる。
そして、ハデスは確信する。
(アレン君は…神を…最高神を…滅ぼす!!)
――――――――
とてつもないデカさになったゼウスを見て、最初はビビった。
だが、最初だけだ。
次の一撃でも、奴は俺に傷一つつけることはできなかったのだ。
その瞬間、思ったことが口をついて出てしまい、体が瞬時に奴を殺しに走った。
平穏を、つかむために。
クローディアとリリアとの未来を…。
幸せにするために!!
俺は勢いで走り出した体に、意識を追いつかせ、さらに加速する。
やはり、ラストの一撃は…脳天からの一撃だろう。そんなことを想い、瞬時に上昇した。
『オオオオオオオオオォォォォォォ!!!!!』
次々と稲妻が放たれるが、当たっても何ともない。
稲妻よりも、耳をつんざくようなこの叫び声の方が俺にとっては迷惑だった。
ゼウスが身をよじり、右手に光を宿らせながら俺に向かって手を振るうが、当然、そんなものは…
「叩き斬る!!!!!」
ーズパァァァアアアンッッ!!
『オォォオォオオオオオ!!!!????』
俺の数倍もある腕を、一刀にして叩き斬り、俺はさらに上昇する。
そして、ついに奴の目の前にたどり着いた。
ここまで来ると、流石に奴の抵抗も激しくなってくる。
体中から稲妻を放ち、口からビームのようなものも出してくる。
だが、そのすべては俺には届かない。
俺はゆっくりと剣を振り上げ。
「これで…終わりだァァアアアアアアアアアアアアッッッ!!」
蒼い魔力を燦然と輝かせながら、巨人を頭から切り裂いた!!
ーズザザザザザザザザザザザザザッッ!!
脳天から一直線に降下する!!
「ウォォオォオォオオオオオ!!!!!」
『オオオォオオォオオオオォオオオオオおおおおおおおお!!!』
俺の剣から放たれる蒼い魔力と、切り裂かれたゼウスの体から発せられる魔力光が入混じり、周囲は蒼と黄金一色に染められる。
そして…
ーズパァァァァアァァァァァァアアン!!
という音と主に、俺の剣はゼウスを真っ二つに切り裂いた!!
勢い余って地面を斬ってしまって、地割れが起こるが、まだ仕上げが残っているので、俺はすぐさま立ち上がり、左手を天上へ向け、スキルを発動させた。
「魔力・爆散ッッッッ!!!!!」
蒼い魔力が洪水のように溢れ出し、一直線に天へと上る様はまさに圧巻だ。
爆音がとどろき、体の破片が地面に落ち、魔力光へと変わっていく。
…俺の魔力は、ゼウスの体すべてを飲み込み、蹂躙し、余すところなく消滅させたのだった。
ゼウスは飛んだ右腕を信じられない、と言った様子で叫び声をあげ、瞬時に俺と距離を取り、治癒スキルだろう…それらしきものを発動させた。
金色の光が一瞬で、ゼウスの右腕を何事もなかったかのように戻っていた。
それでも、奴に何かしらダメージは与えられたらしい。ゼウスは俺を化け物か何かを見るような目で見ている。
「き、貴様ぁ…!一体何の術だ!?それは!?朕が把握していない術式は無いはず…!!」
俺に向かってゼウスが吠えてきた。
冥土の土産だ。教えてやることにするか。
「術?そんな物使ってないぞ。俺は。」
「なっ!!??」
またもやゼウスは呆けたような表情をする。
仕方がないだろう。事実なのだから。
眼をつむっていても周囲の状況が詳細にわかったのは多分周辺探索のスキルのおかげだろうか。
とにかく、奴が突進してきたのは手に取るようにわかったので、思わず遅いとか言っちゃったのだ。
で、スローモーション状態のゼウスの剣を思いっきりはじいて、右腕を飛ばした…と。
こんなところが本当のことだ。
そう、術なんて一つも使ってない。魔力による身体強化すら、俺は使用していなかったのだ。
「何も使っちゃいない。ただの身体能力だよ。…そろそろ…お前自身に別れを告げたらどうだ?ゼウス。俺が、貴様の存在ごと消し去る前にな。」
「ち、ちちち、朕はまだ負けてはおらぬ!!『最高神ゼウスの名のもとに命ず!!彼の者に虚無送りの天罰を下せ!!』」
多分、それは何かの詠唱だったのだろう。
ゼウスが叫んだその直後、俺の体に激しい雷撃が襲い掛かってきた。四方八方から襲い掛かってくる神の雷。周囲に轟音を轟かせるソレは、神と成る前の俺だったら確実にダメージを負っていただろう…。だが。
「な、なぜ…生きているっ!?それは神であろうが死者であろうが虚無と化す術のはず…!!」
何か訳のわからないことをゼウスが言っているが…。俺にはかすり傷ひとつ付いちゃいない。
障壁を張ったり、剣で受け止めたりもしていない。
俺は、ただ立っていただけだ。
そして、目の前のログが更新される。
ー『蒼天白夜』 覚醒完了ー
さぁ…これからが俺のターンだ。
俺は地面を力いっぱい踏みしめ、最高神の元へと突撃する。
一瞬で俺の速さは光を超え、ゼウスにすれ違いざまに斬りかかった。
ーズバァァアッ!!
「ゲハァアァッッ!!」
俺のロングソードが立てた鈍い音と共に、ゼウスが上半身と下半身が別々になった。
下半身は光となって消え去り、上半身は血しぶきをあげながら吹っ飛んでいく。
8回転くらいはしただろうか?ようやく止まったゼウスの上半身は、もはやぼろぼろな有様だったが、本人はまだ、生きている。
俺は剣を両手で構え、ゼウスの眼前まで持ってくる。
「グフっ…!!…み、認めん!!…朕が負けるなど…認メんゾォォオオオオオ!!」
その言葉を無視して、俺は神であったものに剣を突き立てようと、力を込めたその瞬間。
ォォォォ!!という得体のしれない音が、周囲の空気を震えさせる音が、目の前のゼウスから放たれた。そして、状況は一変する。
『オォォォォオオオオォオォオオ!!』
ゼウスの体が、あふれんばかりの光に包まれ、球体のような形になる。そこからも得体のしれない音が漏れ出し続け、光は肥大化していく。数瞬、そんな状態が続いたあと、光の球が、爆発した。
すさまじい風圧と神の稲妻が周りの地形を変えていく。
ー最終イベント開始ー
ー革命成功条件 ゼウスの消滅ー
ログが俺の目の前で更新されていく。
光と爆風が収まったあと、俺は信じられないものを目にする。
――――――
あたりを黄金に照らした爆発を遠目で見ていたハデスは驚きの声を上げる。
「あ、あれは…!アレン君…ついに、追い詰めたんだねっ…!!」
「ついに…奴の本性が現れたか…!」
ヴァイルも固唾をのんでその光景を見守る。
光の爆発が収束し、それと同時に、ソレは現れる。
背丈は、ざっと三千メートルはあろうか。白い岩のような肌に、背中からは人の顔や、人の腕が無数に生えていて、人であれば肩甲骨のあたりに、大きな白い翼が2対生えている。一番上にある、楕円形の顔のような場所には、大きな黒い穴が一つ、口のあたりに空いているだけだ。
それは、何よりもおぞましく、恐怖を体現したような姿をしていた。
ゆっくりと頭を上げ、天に向かって、ソレは叫ぶ。言葉にならない叫びを、先ほどまで相対していた男への怒りの叫びを…。
『ォオォォォオォオオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!』
耳をつんざくようなその声は、まさに世界の終焉を告げるかのような声だった。
これこそ、まさにゼウスの本当の姿。最高神の本来の姿である。
「あ、アレンは無事なのっ!?」
まだ震えが抜けないクローディアが、声を振り絞ってハデスに尋ねる。
だが、ハデスからの答えが耳に届く前に、ゼウスの放った攻撃の音が響く。
ゼウスは大きく両手を広げると、全身から雷を放出したのだ。
『ォオオオオオオオオオオ!!!!!』
轟音と共に、周囲一帯をえぐりつくすその攻撃を見て、クローディアとリリアの顔色は悪くなる一方だった。
だが、そんな心配も一瞬のこと。
『うるせぇんだよ!!この死にぞこないがァアアアアアアアアッッ!!』
次に響いてきた声を聴いて、四人はかすかな笑みを浮かべる。
そして、ハデスは確信する。
(アレン君は…神を…最高神を…滅ぼす!!)
――――――――
とてつもないデカさになったゼウスを見て、最初はビビった。
だが、最初だけだ。
次の一撃でも、奴は俺に傷一つつけることはできなかったのだ。
その瞬間、思ったことが口をついて出てしまい、体が瞬時に奴を殺しに走った。
平穏を、つかむために。
クローディアとリリアとの未来を…。
幸せにするために!!
俺は勢いで走り出した体に、意識を追いつかせ、さらに加速する。
やはり、ラストの一撃は…脳天からの一撃だろう。そんなことを想い、瞬時に上昇した。
『オオオオオオオオオォォォォォォ!!!!!』
次々と稲妻が放たれるが、当たっても何ともない。
稲妻よりも、耳をつんざくようなこの叫び声の方が俺にとっては迷惑だった。
ゼウスが身をよじり、右手に光を宿らせながら俺に向かって手を振るうが、当然、そんなものは…
「叩き斬る!!!!!」
ーズパァァァアアアンッッ!!
『オォォオォオオオオオ!!!!????』
俺の数倍もある腕を、一刀にして叩き斬り、俺はさらに上昇する。
そして、ついに奴の目の前にたどり着いた。
ここまで来ると、流石に奴の抵抗も激しくなってくる。
体中から稲妻を放ち、口からビームのようなものも出してくる。
だが、そのすべては俺には届かない。
俺はゆっくりと剣を振り上げ。
「これで…終わりだァァアアアアアアアアアアアアッッッ!!」
蒼い魔力を燦然と輝かせながら、巨人を頭から切り裂いた!!
ーズザザザザザザザザザザザザザッッ!!
脳天から一直線に降下する!!
「ウォォオォオォオオオオオ!!!!!」
『オオオォオオォオオオオォオオオオオおおおおおおおお!!!』
俺の剣から放たれる蒼い魔力と、切り裂かれたゼウスの体から発せられる魔力光が入混じり、周囲は蒼と黄金一色に染められる。
そして…
ーズパァァァァアァァァァァァアアン!!
という音と主に、俺の剣はゼウスを真っ二つに切り裂いた!!
勢い余って地面を斬ってしまって、地割れが起こるが、まだ仕上げが残っているので、俺はすぐさま立ち上がり、左手を天上へ向け、スキルを発動させた。
「魔力・爆散ッッッッ!!!!!」
蒼い魔力が洪水のように溢れ出し、一直線に天へと上る様はまさに圧巻だ。
爆音がとどろき、体の破片が地面に落ち、魔力光へと変わっていく。
…俺の魔力は、ゼウスの体すべてを飲み込み、蹂躙し、余すところなく消滅させたのだった。
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