ファンタジー異世界って・・・どういうことだっ!?
第8話 策謀
手配書を見たガイゼルは憤慨していた。
「どういうことだっ!?この手配書は!?いったい誰が持ってきたのだ!?」
メイドに尋ねるガイゼル。
「…朝方、門の手紙入れにまぎれておりました。」
「なんだと…?む…?なんだこの紙切れは?」
手配書の裏にはもう一枚紙が貼り付けてあった。
そこには達筆な文字でこう書いてあった。
『フロウライト家 ガイゼル氏へ あなたが匿っている犯罪者『アレン』は我らが主、ゲイル様を亡き者にしようとしたものでございます。なので、早急にヴァリオン家への引き渡しを要求いたします。場所は中級区にある闘技場にて。時間は正午。お待ちしております。』
(なんということだ…これは…アレン君がそのようなことをする訳がない!だが、引き渡さなければ私の今後が…くそっ!ヴァリオンめ!汚い手を使いおって!)
「おい!すぐにアレン君を呼んでくるのだ!」
すぐさま行動するガイゼル。
—————————
どんどんと扉をたたく音がする。
「なんだ!?」
気を張っていたアレンはすぐさま飛び起きた。
「アレン!ガイゼルさんから早急に話したいことがあるって!!早く支度して!」
クローディアの声にあわてて支度するアレン。
扉を開けると、クローディアが手をつかむ。
「ほら!早くいくわよっ!ただ事じゃないみたい…」
「わ、わかった!」
走って二人はガイゼルの居る私室へと駆けて行った。
私室にはすでにガイゼルとエル、そして顔が青くなっているリリアと、機嫌が悪そうなヴァイルが居た。
「アレン君大変です!手配書が送られてきました!」
「手配書…?どういうことだ?よく分からないが…大変なのは分かった。落ち着け。リリア。」
入ってくるなり言われたリリアの言葉にびっくりするアレン。
だが、リリアがアレンよりそわそわしていたので、アレンは冷静になれた。
「私から、説明しよう…まぁ、まずは掛けてくれ」
ガイゼルはアレン達に座るように促す。
言われるがまま座るアレン達。
一同が椅子に座るのを見て、重い口を開くガイゼル。
「まず、ヴァリオン家がこの手配書と、手紙を送ってきおった…」
手配書と手紙の内容を読むアレン一同。
そして、エルが口を開いた。
「最悪ですの…完全に詰んでいますの…」
「確かに…この内容じゃあどうあってもアレン君を引き渡すしか方法はないですね……」
諦めたように言うリリア。
「でも、アレンを引き渡したとしても、ガイゼルさんが無事で済むとは思えないわね。」
「え?クローディア、どういうことだ?」
「いい?アレン。今、あなたを引き渡しても、向こうがガイゼルさんも匿ったので、同罪だ。とか言われたらどうするつもり?」
「ほう……愚かな人族にしては中々考えたな…だが、なぜそんな回りくどいことをするのだ?直接会って、闘い、斬ればいいではないか。」
恐ろしいことを言うヴァイル。
だが、アレンもそこが引っかかっていた。
「なぁ、ガイゼルさん。なんでヴァリオン家の野郎はこんな回りくどい方法をとったんだ?場所はなんで闘技場なのか…そこも気になるところだな。」
「…これは憶測でしかないが、奴は闘技場で『罪人の審判』をするつもりだろう…」
その言葉に息を飲むリリアとエル。
「なんだ?その罪人の審判ってのは?」
聞きなれない単語に聞き返すアレン。
「アレン君。罪人の審判っていうのはね…」
リリアの説明はこのようなものだった。
『罪人の審判』、これは重度の罪を犯した者に課せられる審判である。内容は至極簡単だ。その罪人を力尽きるまで闘技場で戦わせるのだ。それも、勇者や聖女が捕獲してきたまず普通の冒険者や傭兵などでは倒せないモンスターを大量に相手にさせられる。それだけだ。罪人の審判とは名ばかりで、残忍な処刑だという。
一応、生き残った場合の事も建前上決まっているらしい。
『罪人の審判』で生き残った者は、『審議の球』での尋問が再開される。そこで無罪が確定すれば音沙汰なし、そこでも有罪であれば、確実に死刑にされる…とのこと。
アレンはぽかんとした顔で言う。
「これ、俺ら何もしなくても勝てるんじゃないか?要するに、生き残って、審議の球での尋問が開始されれば俺の勝ちだ。俺は何にもしてないからな。」
楽観視しているアレンをエルが止める。
「いえ…実は、ゲイルは審議の球に細工ができるらしいんですの…。」
「なんですって?そんなの、どうしようもないじゃない…」
しょんぼりするクローディア。
「はぁ…まったく。なぜそう難しく考えるのだ。貴様ら人間は。アレン。少し面を貸せ。」
いきなりアレンだけを指名するヴァイル。
「どうしたんだよ?「いいからさっさとこい!!「はいはい…、ちょっと話してくる。ガイゼルさんちょっとまっててくれ。」
「う、うむ。」
—————————
廊下にでて、少し部屋から離れたあたりでようやく立ち止まったヴァイルはアレンに向き直る。
「で?なんだよ?」
「我に考えがある。」
「お前に!?まさか全部吹っ飛ばす気じゃねぇだろ「いいからだまって話を聞け。二つ、ヒントをやろう。」
考えがあるのに、ヒントなのかよ…とアレンは思う。
「いいぜ…どういうつもりかしらんが、早くいってくれ。」
「フン…まず、一つ目、我はどんなものにも、変化ができる。ただし、一定時間のみだがな。そして、主からの許可がいる。二つ目、アレン、貴様は、強い。以上だ。」
嗤うヴァイル。
「へ?いきなりほめてどういうつもりだよっ!?気持ちわりぃ「死ね!このクズが!!」
思いっきりげんこつを食らうアレン。すると、一つ、名案が浮かぶ。
「お…?おおお…?これは、なかなか行けるんじゃないか?ヴァイル…お前早くそれ言えよ。でも、いいのか?下手するとお前…?」
「ああ、そこは大丈夫だろう。我は使い魔だからな。詳細はリリアにでも聞くと良い。昨日の晩話したが、アレはなかなか頭が切れるハー…おっと、人間だな。」
なにか言いかけるが、言い直すヴァイルに違和感を覚えるが、アレンの頭はこれからの事でいっぱいだったので、聞き逃してしまった。
「ん?ああ、そうだ。許可は随時いるのか?」
「いや、一日に一度だけ許可をもらえれば、その一日の間は許可なしで変化できる。どうだ。だてに長い間生きておらんぞ?クックック…!」
今にも爆笑しそうなヴァイルにこれからの指示を出す。
ここからヴァイルとは別行動だ。
ガイゼルの部屋に戻る。
「やぁ、お待たせ、ガイゼルさん。皆。もう大丈夫だ。」
「は?」
呆けた声を出すエル、クローディア、リリア、ガイゼル。
「さぁ、闘技場へみんなで行こうか。クローディアとリリアはエルとガイゼルさんの警護をしてくれ。」
「え、ええ。わかったわ…でもアレン、一応説明してよ?」
「そうだな…いいか、ガイゼルさん、エル、クローディア、リリア…聞いて驚くなよ…」
それを話し終えたときの皆の顔は面白いくらいに引きつっていた。
「どういうことだっ!?この手配書は!?いったい誰が持ってきたのだ!?」
メイドに尋ねるガイゼル。
「…朝方、門の手紙入れにまぎれておりました。」
「なんだと…?む…?なんだこの紙切れは?」
手配書の裏にはもう一枚紙が貼り付けてあった。
そこには達筆な文字でこう書いてあった。
『フロウライト家 ガイゼル氏へ あなたが匿っている犯罪者『アレン』は我らが主、ゲイル様を亡き者にしようとしたものでございます。なので、早急にヴァリオン家への引き渡しを要求いたします。場所は中級区にある闘技場にて。時間は正午。お待ちしております。』
(なんということだ…これは…アレン君がそのようなことをする訳がない!だが、引き渡さなければ私の今後が…くそっ!ヴァリオンめ!汚い手を使いおって!)
「おい!すぐにアレン君を呼んでくるのだ!」
すぐさま行動するガイゼル。
—————————
どんどんと扉をたたく音がする。
「なんだ!?」
気を張っていたアレンはすぐさま飛び起きた。
「アレン!ガイゼルさんから早急に話したいことがあるって!!早く支度して!」
クローディアの声にあわてて支度するアレン。
扉を開けると、クローディアが手をつかむ。
「ほら!早くいくわよっ!ただ事じゃないみたい…」
「わ、わかった!」
走って二人はガイゼルの居る私室へと駆けて行った。
私室にはすでにガイゼルとエル、そして顔が青くなっているリリアと、機嫌が悪そうなヴァイルが居た。
「アレン君大変です!手配書が送られてきました!」
「手配書…?どういうことだ?よく分からないが…大変なのは分かった。落ち着け。リリア。」
入ってくるなり言われたリリアの言葉にびっくりするアレン。
だが、リリアがアレンよりそわそわしていたので、アレンは冷静になれた。
「私から、説明しよう…まぁ、まずは掛けてくれ」
ガイゼルはアレン達に座るように促す。
言われるがまま座るアレン達。
一同が椅子に座るのを見て、重い口を開くガイゼル。
「まず、ヴァリオン家がこの手配書と、手紙を送ってきおった…」
手配書と手紙の内容を読むアレン一同。
そして、エルが口を開いた。
「最悪ですの…完全に詰んでいますの…」
「確かに…この内容じゃあどうあってもアレン君を引き渡すしか方法はないですね……」
諦めたように言うリリア。
「でも、アレンを引き渡したとしても、ガイゼルさんが無事で済むとは思えないわね。」
「え?クローディア、どういうことだ?」
「いい?アレン。今、あなたを引き渡しても、向こうがガイゼルさんも匿ったので、同罪だ。とか言われたらどうするつもり?」
「ほう……愚かな人族にしては中々考えたな…だが、なぜそんな回りくどいことをするのだ?直接会って、闘い、斬ればいいではないか。」
恐ろしいことを言うヴァイル。
だが、アレンもそこが引っかかっていた。
「なぁ、ガイゼルさん。なんでヴァリオン家の野郎はこんな回りくどい方法をとったんだ?場所はなんで闘技場なのか…そこも気になるところだな。」
「…これは憶測でしかないが、奴は闘技場で『罪人の審判』をするつもりだろう…」
その言葉に息を飲むリリアとエル。
「なんだ?その罪人の審判ってのは?」
聞きなれない単語に聞き返すアレン。
「アレン君。罪人の審判っていうのはね…」
リリアの説明はこのようなものだった。
『罪人の審判』、これは重度の罪を犯した者に課せられる審判である。内容は至極簡単だ。その罪人を力尽きるまで闘技場で戦わせるのだ。それも、勇者や聖女が捕獲してきたまず普通の冒険者や傭兵などでは倒せないモンスターを大量に相手にさせられる。それだけだ。罪人の審判とは名ばかりで、残忍な処刑だという。
一応、生き残った場合の事も建前上決まっているらしい。
『罪人の審判』で生き残った者は、『審議の球』での尋問が再開される。そこで無罪が確定すれば音沙汰なし、そこでも有罪であれば、確実に死刑にされる…とのこと。
アレンはぽかんとした顔で言う。
「これ、俺ら何もしなくても勝てるんじゃないか?要するに、生き残って、審議の球での尋問が開始されれば俺の勝ちだ。俺は何にもしてないからな。」
楽観視しているアレンをエルが止める。
「いえ…実は、ゲイルは審議の球に細工ができるらしいんですの…。」
「なんですって?そんなの、どうしようもないじゃない…」
しょんぼりするクローディア。
「はぁ…まったく。なぜそう難しく考えるのだ。貴様ら人間は。アレン。少し面を貸せ。」
いきなりアレンだけを指名するヴァイル。
「どうしたんだよ?「いいからさっさとこい!!「はいはい…、ちょっと話してくる。ガイゼルさんちょっとまっててくれ。」
「う、うむ。」
—————————
廊下にでて、少し部屋から離れたあたりでようやく立ち止まったヴァイルはアレンに向き直る。
「で?なんだよ?」
「我に考えがある。」
「お前に!?まさか全部吹っ飛ばす気じゃねぇだろ「いいからだまって話を聞け。二つ、ヒントをやろう。」
考えがあるのに、ヒントなのかよ…とアレンは思う。
「いいぜ…どういうつもりかしらんが、早くいってくれ。」
「フン…まず、一つ目、我はどんなものにも、変化ができる。ただし、一定時間のみだがな。そして、主からの許可がいる。二つ目、アレン、貴様は、強い。以上だ。」
嗤うヴァイル。
「へ?いきなりほめてどういうつもりだよっ!?気持ちわりぃ「死ね!このクズが!!」
思いっきりげんこつを食らうアレン。すると、一つ、名案が浮かぶ。
「お…?おおお…?これは、なかなか行けるんじゃないか?ヴァイル…お前早くそれ言えよ。でも、いいのか?下手するとお前…?」
「ああ、そこは大丈夫だろう。我は使い魔だからな。詳細はリリアにでも聞くと良い。昨日の晩話したが、アレはなかなか頭が切れるハー…おっと、人間だな。」
なにか言いかけるが、言い直すヴァイルに違和感を覚えるが、アレンの頭はこれからの事でいっぱいだったので、聞き逃してしまった。
「ん?ああ、そうだ。許可は随時いるのか?」
「いや、一日に一度だけ許可をもらえれば、その一日の間は許可なしで変化できる。どうだ。だてに長い間生きておらんぞ?クックック…!」
今にも爆笑しそうなヴァイルにこれからの指示を出す。
ここからヴァイルとは別行動だ。
ガイゼルの部屋に戻る。
「やぁ、お待たせ、ガイゼルさん。皆。もう大丈夫だ。」
「は?」
呆けた声を出すエル、クローディア、リリア、ガイゼル。
「さぁ、闘技場へみんなで行こうか。クローディアとリリアはエルとガイゼルさんの警護をしてくれ。」
「え、ええ。わかったわ…でもアレン、一応説明してよ?」
「そうだな…いいか、ガイゼルさん、エル、クローディア、リリア…聞いて驚くなよ…」
それを話し終えたときの皆の顔は面白いくらいに引きつっていた。
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