神速の騎士 ~駆け抜ける異世界浪漫譚~
ダンジョン講義
大和 光はギルド内のレストランの一角にいた。
まだ昼前だが、冒険者ギルドが誇るレストラン「ロトンダ」はカフェとしても利用できる。
どこの世界でもカフェとかあるんだなーと思いながらお茶を頼んで飲む光に対して、女性二人はパフェを頼んで食べていた。
ロゼリアはわからないが、トリスは朝食を食べたはずだ。
レドルンド亭では、ロトンダに負けない自慢のシェフが腕を振るう賄いが出るはずだ。
あの細い腰のいったいどこに詰め込んでいるのかと、美味しそうにパフェを頬張るトリスを見つめる光。
(……やはり、胸か。)
光がたわわに実った果実に視線をうつした途端、なにかを察したかのようにトリスがじとっと光を睨む。
光は誤魔化すように視線を泳がせ、ロゼリアの方へと視線を向ける。
ロゼリアもまた幸せそうにパフェを食べている。
視線を下げればトリスに負けず劣らず立派なものが備わっているのが見える。
光がこの世界の女性はすごいなぁ。どことは言わないが。などとバカなことを考え始めると、トリスが光にだけ聞こえるように小さな声で言った。
「スケベ。」
光はあわてて視線をあげて言った。
「それじゃあ!ダンジョンについて説明をお願いします。」
それを聞いて、口の中のパフェをモグモグと咀嚼してから飲み込み、ロゼリアが言う。
「いいわよ。じゃあ、まずはダンジョンがどういうものか、説明をするわ。」
ロゼリアの説明を要約するとこうだ。
曰く、ダンジョンは不思議なものである。
地下にあり、どんどん深く潜っていくものだが、とても地下とは思えないような場所がある。
曰く、魔物が出る。
ダンジョンの中の魔物は体内に魔石を持っている。
階層が深くなるほど魔物は強くなり、体内の魔石は大きくなるらしい。
魔石は魔力を帯びた石であり、魔法の発動や魔道具の起動に使用する。
ダンジョンでしか手に入らない貴重な資源であり、冒険者は基本的にこれを売って生計を立てる。
曰く、ダンジョンの最奥には強力な魔物が住んでいる。
曰く、ダンジョンの最奥には世にも珍しい魔道具が眠っている。
詳細はわからないが、とても強力な魔道具であることは間違いないらしい。
そしてこれが重要。
ダンジョンはクリアされるたびに形を変えるらしい。
記録では、ダンジョンがクリアされたのは53回。
クリアしたものは例外なくS級冒険者として歴史に名を残しているとのことだ。
ちなみに、冒険者のランクはC、B、A、Sの順に高くなり、最初はCからスタートする。光もC級だ。
そして烈火の魔女の異名をもつロゼリアはと言うと、A級の冒険者である。
通常、A級の冒険者になるには長い年月を要する。
ロゼリアは若くしてその域に達した、正に天才であった。
その天才は言う。
「最後にダンジョンがクリアされたのはもう15年も前よ。だから、今のダンジョンは大分攻略が進んでいるわ。光にとってはとっつきやすくていいわね。」
ロゼリアは光を呼び捨てで呼んで言った。
どうにもロゼリアにさん付けされるとむず痒い気がしたので、光がそう頼んだのだ。
「15年もクリアされてないなんて、相当な難度なんだな。」
光はロゼリアの話を聞いて言った。ギャグではない。
「そうね。魔物の強さもそうだけど、次の層への入り口を見つけるのが困難ね。今の最深は15層だけど、1年以上進んでいないわ。何層まであるかもわからないし、いつクリアできるのかわからないわね。」
光は静かに目をつぶった。
道中の魔物、入り口の探索、ダンジョンのボス、最奥の宝。
そしてダンジョンをクリアしたものに与えられる名誉と称賛。
「面白そうだ。」
目を開き、ロゼリアの目を見て言った。
ロゼリアは光の目をしっかりと見返して、手を差し出していった。
「やる気は十分みたいね。これからよろしくね、光。」
「ああ、よろしく、ロゼリア。」
光とロゼリアは、しっかりと手を握りあった。
まだ昼前だが、冒険者ギルドが誇るレストラン「ロトンダ」はカフェとしても利用できる。
どこの世界でもカフェとかあるんだなーと思いながらお茶を頼んで飲む光に対して、女性二人はパフェを頼んで食べていた。
ロゼリアはわからないが、トリスは朝食を食べたはずだ。
レドルンド亭では、ロトンダに負けない自慢のシェフが腕を振るう賄いが出るはずだ。
あの細い腰のいったいどこに詰め込んでいるのかと、美味しそうにパフェを頬張るトリスを見つめる光。
(……やはり、胸か。)
光がたわわに実った果実に視線をうつした途端、なにかを察したかのようにトリスがじとっと光を睨む。
光は誤魔化すように視線を泳がせ、ロゼリアの方へと視線を向ける。
ロゼリアもまた幸せそうにパフェを食べている。
視線を下げればトリスに負けず劣らず立派なものが備わっているのが見える。
光がこの世界の女性はすごいなぁ。どことは言わないが。などとバカなことを考え始めると、トリスが光にだけ聞こえるように小さな声で言った。
「スケベ。」
光はあわてて視線をあげて言った。
「それじゃあ!ダンジョンについて説明をお願いします。」
それを聞いて、口の中のパフェをモグモグと咀嚼してから飲み込み、ロゼリアが言う。
「いいわよ。じゃあ、まずはダンジョンがどういうものか、説明をするわ。」
ロゼリアの説明を要約するとこうだ。
曰く、ダンジョンは不思議なものである。
地下にあり、どんどん深く潜っていくものだが、とても地下とは思えないような場所がある。
曰く、魔物が出る。
ダンジョンの中の魔物は体内に魔石を持っている。
階層が深くなるほど魔物は強くなり、体内の魔石は大きくなるらしい。
魔石は魔力を帯びた石であり、魔法の発動や魔道具の起動に使用する。
ダンジョンでしか手に入らない貴重な資源であり、冒険者は基本的にこれを売って生計を立てる。
曰く、ダンジョンの最奥には強力な魔物が住んでいる。
曰く、ダンジョンの最奥には世にも珍しい魔道具が眠っている。
詳細はわからないが、とても強力な魔道具であることは間違いないらしい。
そしてこれが重要。
ダンジョンはクリアされるたびに形を変えるらしい。
記録では、ダンジョンがクリアされたのは53回。
クリアしたものは例外なくS級冒険者として歴史に名を残しているとのことだ。
ちなみに、冒険者のランクはC、B、A、Sの順に高くなり、最初はCからスタートする。光もC級だ。
そして烈火の魔女の異名をもつロゼリアはと言うと、A級の冒険者である。
通常、A級の冒険者になるには長い年月を要する。
ロゼリアは若くしてその域に達した、正に天才であった。
その天才は言う。
「最後にダンジョンがクリアされたのはもう15年も前よ。だから、今のダンジョンは大分攻略が進んでいるわ。光にとってはとっつきやすくていいわね。」
ロゼリアは光を呼び捨てで呼んで言った。
どうにもロゼリアにさん付けされるとむず痒い気がしたので、光がそう頼んだのだ。
「15年もクリアされてないなんて、相当な難度なんだな。」
光はロゼリアの話を聞いて言った。ギャグではない。
「そうね。魔物の強さもそうだけど、次の層への入り口を見つけるのが困難ね。今の最深は15層だけど、1年以上進んでいないわ。何層まであるかもわからないし、いつクリアできるのかわからないわね。」
光は静かに目をつぶった。
道中の魔物、入り口の探索、ダンジョンのボス、最奥の宝。
そしてダンジョンをクリアしたものに与えられる名誉と称賛。
「面白そうだ。」
目を開き、ロゼリアの目を見て言った。
ロゼリアは光の目をしっかりと見返して、手を差し出していった。
「やる気は十分みたいね。これからよろしくね、光。」
「ああ、よろしく、ロゼリア。」
光とロゼリアは、しっかりと手を握りあった。
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