スピリッツウィッチ~ダンジョン攻略がんばります~
第六十四話 メルリカ
ミレイが教会でお祈りを捧げていた頃、冒険者ギルドのマスター室。
ギルドマスターが書類整理をしている所に、
「一ヶ月ぶりかしら?」
Sランク冒険者メリこと、魔龍族の女王メルリカが窓から入ってきた。
「はぁ~」
ため息をつくギルドマスター。
「どうかしたのかしら?」
「いえ何も、それよりも、何故決勝戦の時途中でいなくなられたのですか?」
決勝戦、舞台を覆っていた黒い壁が壊れると同士にメリの姿はなくミレイの勝ちとなった。
あの場にはギルドマスターも来ていて、ミレイの力をその目で確認しようとしていた。だが、結局試合自体見ることは出来なかったがメリ勝利を確信していたのである。
「しょうがないでしょ! あのままあそこに居たら私の正体がばれていたのだから」
それを聞き納得すると同時にミレイの実力も想像出来た。
人間の姿でもトップクラスの実力を誇るメルリカ。そのメルリカに人間の姿を捨てさせて元の姿に戻す。それはつまり現状でSランク冒険者と同等の実力があることになる。
「では、ミレイはそれほどの実力を」
「そうよ。まだあの時戦った勇者には及ばないけど、あの年であの強さは驚異よ。それに勇者との戦いで見たことのない力まで使っていたわ」
「見たことのない力ですか?」
「ええ、あれは精霊その物の力ね。ただまだ完全には使いこなせていないみたいだったけど」
それではまだつけいる隙があると考えるゴルゾ。
それに対してメルリカはもう少し泳がしてもいいと考えていた。
メルリカの目的は弱い状態のミレイを倒すことではなく、昔の勇者と同等の力を身につけたミレイを完膚無きまでに叩きのめすことが目的であった。
「それに、まさか女神まで出てくるとは思わなかったわ」
もしかしたら聞き間違いかと思い、
「今なんとおっしゃったのですか?」
聞き返してみると、
「女神が現れてミレイに力を与えたのよ」
どうして女神がミレイにと、二人の関係性が結びつかない。
「まさか今の女神があの勇者パーティーの一人だとはね」
「それは一体?」
訳が分からない。
ゴルゾ自身女神の銅像は何回か見たことがある。だが、その銅像と同じ者が勇者パーティーにいたかどうか思い出せない。
「あら、覚えてないの? 昔サンシャインに勇者達が乗り込んで来たときに居たわよ」
少しそのときの事を思い出してみる。
確かに勇者と女性四人が居たことは覚えている。だが顔が重い浮かばない。
「思い出せません」
どうしても思い出せない。何故かと疑問に思っていると、
「もしかしたら、神の連中が何かしたのかもね」
「なにかとは?」
「多分だけど、女神への昇格のさいにこの世界中の記憶を書き換えたんじゃないのかしら?」
だがそれだとメルリカの記憶が書き換わってないのが不思議である。
あの戦いで生き残って居たのならメルリカもこの世界に居たことになる。それならゴルゾなどと同じく記憶が書き換わってないとおかしいはず。
「では何故メルリカ様だけ昔に記憶を正確に覚えていられるのでしょうか?」
「それは簡単な話よ。私、つい最近まで別の空間にいてこの世界との干渉を断っていたから」
なるほどと手を打つ。
そしてこの話からミレイがあの勇者の生まれ変わりであること、それにもしかすると他の勇者パーティーのメンバーも女神へと昇格している可能性があることもわかる。
「だから私だけは覚えていたんだと思うわよ、それに他のメンバーも女神になっているとしたなら何処かで絶対にミレイに干渉してくるはずよ」
それなら早めに叩いておかないと、と思うゴルゾ。
だがそれと逆の事を考えているメルリカ。
「とりあえずあなたは今まで通りミレイの監視を続けなさい」
「それだけですか?」
「それだけよ。もし何かするときはこちらから指示を出すわ」
それだけ言って部屋から出て行ってしまう。
メルリカが何を考えているのか、さっぱり分からないゴルゾであった。
ギルドマスターが書類整理をしている所に、
「一ヶ月ぶりかしら?」
Sランク冒険者メリこと、魔龍族の女王メルリカが窓から入ってきた。
「はぁ~」
ため息をつくギルドマスター。
「どうかしたのかしら?」
「いえ何も、それよりも、何故決勝戦の時途中でいなくなられたのですか?」
決勝戦、舞台を覆っていた黒い壁が壊れると同士にメリの姿はなくミレイの勝ちとなった。
あの場にはギルドマスターも来ていて、ミレイの力をその目で確認しようとしていた。だが、結局試合自体見ることは出来なかったがメリ勝利を確信していたのである。
「しょうがないでしょ! あのままあそこに居たら私の正体がばれていたのだから」
それを聞き納得すると同時にミレイの実力も想像出来た。
人間の姿でもトップクラスの実力を誇るメルリカ。そのメルリカに人間の姿を捨てさせて元の姿に戻す。それはつまり現状でSランク冒険者と同等の実力があることになる。
「では、ミレイはそれほどの実力を」
「そうよ。まだあの時戦った勇者には及ばないけど、あの年であの強さは驚異よ。それに勇者との戦いで見たことのない力まで使っていたわ」
「見たことのない力ですか?」
「ええ、あれは精霊その物の力ね。ただまだ完全には使いこなせていないみたいだったけど」
それではまだつけいる隙があると考えるゴルゾ。
それに対してメルリカはもう少し泳がしてもいいと考えていた。
メルリカの目的は弱い状態のミレイを倒すことではなく、昔の勇者と同等の力を身につけたミレイを完膚無きまでに叩きのめすことが目的であった。
「それに、まさか女神まで出てくるとは思わなかったわ」
もしかしたら聞き間違いかと思い、
「今なんとおっしゃったのですか?」
聞き返してみると、
「女神が現れてミレイに力を与えたのよ」
どうして女神がミレイにと、二人の関係性が結びつかない。
「まさか今の女神があの勇者パーティーの一人だとはね」
「それは一体?」
訳が分からない。
ゴルゾ自身女神の銅像は何回か見たことがある。だが、その銅像と同じ者が勇者パーティーにいたかどうか思い出せない。
「あら、覚えてないの? 昔サンシャインに勇者達が乗り込んで来たときに居たわよ」
少しそのときの事を思い出してみる。
確かに勇者と女性四人が居たことは覚えている。だが顔が重い浮かばない。
「思い出せません」
どうしても思い出せない。何故かと疑問に思っていると、
「もしかしたら、神の連中が何かしたのかもね」
「なにかとは?」
「多分だけど、女神への昇格のさいにこの世界中の記憶を書き換えたんじゃないのかしら?」
だがそれだとメルリカの記憶が書き換わってないのが不思議である。
あの戦いで生き残って居たのならメルリカもこの世界に居たことになる。それならゴルゾなどと同じく記憶が書き換わってないとおかしいはず。
「では何故メルリカ様だけ昔に記憶を正確に覚えていられるのでしょうか?」
「それは簡単な話よ。私、つい最近まで別の空間にいてこの世界との干渉を断っていたから」
なるほどと手を打つ。
そしてこの話からミレイがあの勇者の生まれ変わりであること、それにもしかすると他の勇者パーティーのメンバーも女神へと昇格している可能性があることもわかる。
「だから私だけは覚えていたんだと思うわよ、それに他のメンバーも女神になっているとしたなら何処かで絶対にミレイに干渉してくるはずよ」
それなら早めに叩いておかないと、と思うゴルゾ。
だがそれと逆の事を考えているメルリカ。
「とりあえずあなたは今まで通りミレイの監視を続けなさい」
「それだけですか?」
「それだけよ。もし何かするときはこちらから指示を出すわ」
それだけ言って部屋から出て行ってしまう。
メルリカが何を考えているのか、さっぱり分からないゴルゾであった。
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