少しおかしな聖女さまのVRMMO日常記

ガブガブ

9話

9話






〈[注意]ポスト内のプレゼントは、受け取りから20日を過ぎると消滅します。なにかの都合で受け取れない場合は、[設定]から日数を変更できます(最大100日)


 ・ログインボーナス1日目[初心者用HP回復ポーション×2]
 ・【ウロボロスの遊戯】基本報酬(三つのうちから一つ選択してください
 ・【ウロボロスの遊戯】のタイムボーナス報酬(二つのうちから一つ選択してください)
 ・【ウロボロスの遊戯】の累計ダメージ報酬
 ・【ウロボロスの遊戯】の【称号】報酬〉


 取り敢えず私は【ウロボロスの遊戯】の基本報酬を受け取ることにしました。
というわけでそれをポチッとタップします。


《いずれかの一つをお選びください。
 ・ウロボロスの鱗×3
 ・ウロボロスの血×3
 ・ウロボロスの牙×3                         》


 ふむ……、血にしておきましょうか。血って魔法陣とかの媒体になるイメージがありますし。


 私はポチッとウロボロスの血×3をタップします。すると《本当にこれで宜しいですか?YES/NO》と表示されました。
 私はYESをタップします。


《ウロボロスの血×3を入手しました》


 次は【ウロボロスの遊戯】タイムボーナス報酬を受け取りましょうか。
 私はポチッとそれをタップしました。


《タイム:10秒の報酬です。いずれかの一つをお選びください。
 ・【左翼の全知のイヤリング】
 ・【右翼の全能のイヤリング】                    》


 ……なんか両方とも凄そうな名前をしてますね。詳細って見られるのでしょうか?




 【左翼の全知のイヤリング】…1日3回だけ、HP、MP、SPの全てを全回復させることができる。
 付与:【不壊】【合体】【強奪不能】【所有者固定】
 〈アクセサリー〉


 【右翼の全能のイヤリング】…1日1回3分間だけ、STR、INT、VIT、DEX、AGIを3倍にする。
 付与:【不壊】【合体】【強奪不能】【所有者固定】
 〈アクセサリー〉




 ……おお。効果もこれは……凄いですね。
 それにしても、【合体】ですか。この二つともに【合体】があるということは、この二つが【合体】するんでしょうね。


 おそらくくふさんにも私と同じ報酬が送られている筈ですから…、それを使って【合体】するんですかね…。


 それはさておき、どちらにしましょうか。どちらともいい効果ですし…、うむむ、悩みますね。


 くふさんは戦闘職でしょうし…、きっと【右翼の全能のイヤリング】を選ぶでしょう。
 となれば、私は【左翼の全知のイヤリング】ですかね。一応効果も支援職向きですし、これにしましょうか。


 私は【左翼の全知のイヤリング】の方をタップしました。
 先程と同じように《本当にこれで宜しいですか?YES/NO》と表示されたので、私はYESをタップしました。


《【左翼の全知のイヤリング】を獲得しました》


 あと受け取ってないのは累計ダメージ報酬と【称号】報酬ですね。
 私は先に累計ダメージ報酬の方をタップしました。


《【ウロボロスの遊戯】の累計ダメージ報酬、及び片目を奪った報酬として【ウロボロスの瞳】を入手しました》


 【ウロボロスの瞳】…一回限定使い切りのアイテム。対象の過去を覗くことが出来る。


 ……ふむ、これは……。個人情報保護法とかどうなるんですかね?まあ、こんなアイテムがある時点で、大丈夫なんでしょうけど。
 記載はありませんが【世界の住人】限定でしょうね、きっと。


 そして私は最後に、称号報酬を受け取りました。


《【ウロボロスの遊戯】の【サポートランキング1位】【マジックアタッカーランキング1位】を獲得したため、スキルポイントを2獲得しました》


 おお、スキルポイントゲットです。使い道は今のところありませんが。貯めておいて損はないですしね。


 さて、ポストの確認も終わりましたし、くふさんを探しに行きましょうか。
 ふふふ、待っていてくださいね。


「あ、その前にこれ、装備しておきましょうか」


 私は装備項目のアクセサリー欄をタップして、先ほど入手した【左翼の全知のイヤリング】を装備しました。


 すると私の左耳に、羽のような形をした金色のイヤリングがつけられました。
…おお、意外と白に合うんですね、金色って。


 さて、くふさんを探しに––––


《ピコン。運営からのメールが届いています》


 私の視界の右上に、突然そのような文字が現れました。
 ……なんかめんどくさそうなメールが来ましたね。もしかして【瞬間蘇生】のことについてですかね?


 私はそれをタップして、メールを開きます。


〈こんにちは。こちらVRゲーム《Everlasting・world》の運営チームです。


とりあえず、【ウロボロスの遊戯】タイムアタック記録10秒達成、おめでとうございます。まさかこんなにも早く、【旅人】でその記録が出るとは思いませんでした。
前置きはいいですね。その挑戦中に使われた、死んだ瞬間に回復させて、死亡を誤認させる【瞬間蘇生】のご使用をなるべく控えるようお願いします。
【蘇生魔法】はあなたのお持ちになる【慈悲者ザドキエル】のレベルを上げると手に入れることができます。
【瞬間蘇生】は次のアップデートの際、修正されますので、ご了承ください〉


 ……ふむふむ、どうでもいいメールでしたね。爺龍さんにも「世界に綻びをつくった」とか言われましたし、使うつもりはありませんし。
 ……本当ですよ?


「さて、くふさんを探しに行きましょうか」


 私は気を取り直してそう呟いてから、この場を後にしました。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




「うーん……、いませんね……」


 くふさんが居そうな場所、あの路地裏やリス地点などを探しましたが、くふさんはどこにも居ませんでした。


 ……フレンド機能がないのって意外と滅茶苦茶不便ですね…。


 …掲示板で、探してみましょうか。たしかメニュー画面にありましたよね…。


 私は大通りの脇の方にあるベンチに座り、メニュー画面を開いて、〈掲示板〉の項目をタップしました。


 現れたのは、〈魔法関連掲示板〉や〈生産関連掲示板〉や〈聖女さま親衛隊専よ……ってなんですかこれ!
 私のスクショが載ってるじゃないですか!
 いやまあ、利用規約にスクショなどはよほど酷くない限りオーケー、って書いてありましたけど…、10回に一回のペースで私のスクショが載ってますよ、これ。




 506:アルファ
 こちら追跡班。どうやら聖女さまにこの掲示板がバレてしまったようです




 たった今書き込まれたやつです。……追跡班って、ストーカーいるんですか?まさか。
 私はキョロキョロと辺りを見回します。しかし、私を見つめているような人は見当たりません。




 517:アルファ
 キョロキョロしてる聖女さま可愛すぎてつらい
        (画像)




 ………。
 私はそっとメニュー画面のGMコール項目をタップしました。
 そして、《GMコールをしますか?YES/NO》が表示されたので、YESを押そうとして––––




 545:アルファ
 あ、ああああ!ご、ごめんなさい!聖女さま!なんでも言うこと聞きますので、それだけはおやめください……!




 ギリギリ一歩手前で踏みとどまりました。…ほんとどこから私を見ているんですかね?
 とりあえず書き込みますか。




 547:Aya
 なんでもですか?


 548:フィーリア
 >>547 聖女さま降臨ンンンンンンン!


 549:ケイ
 >>547 ほああああ!浄化されるぅぅぅぅ


 550:アルフレッド
 …ついにバレてしまったか


 551:キュウ
 …ふむ、誤魔化しはもう出来ないね




 …なんか色々とヤバイ人…、ってアルフレッドさん(わからない方は序章第2話をチェックです)にキュウさんまで居るじゃないですか!
 あ、キュウさんは私の別VRゲーの知り合いです。通称博士さんですね。




 554:アルファ
 >>547 は、はいぃ




 よし、くふさんの捜索をしてもらいましょうか。




 556:Aya
 >>554 では、プレイヤー《kufurinn》を探すのを手伝ってもらえませんか?


 557:アルファ
 >>556 しょ、承知しました!


 558:フィーリア
 聖女さまの命令です!プレイヤー名《kufurinn》になるものを探し出して聖女さまに捧げなさい!


 559:ケイ
 イエスマム!


 560:アルファ
 イエスマム!




 ………なんかめんどくさそうな展開になりましたね。まあ、うん。多分大丈夫でしょう。




 596:アルフレッド
 >>554 Aya、リンなら今私たちのところにいるぞ。なにやらリス地点から全力疾走してきたみたいだが…。


 597:Aya
 >>596 今すぐ向かいます。どちらにいらっしゃいますか?


 598:アルフレッド
 あ、ああ。冒険者ギルドの横にある、《大熊の酒場》ってところにいるぞ


 599:Aya
 >>598 ありがとうございます。向かいますね
 そうそう、ストーカーはするにしても限度は守って下さいね?




 私はそう投稿してから、メニュー画面を消しました。
 さて、さっそく行きましょう。


 私は辺りを見回します。……ところで、冒険者ギルドってどこでしょう?























コメント

コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品