身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

105C.真っ白な真っ白な、白だけの世界に包まれて

暫く経った、すると、ほんの少し、ほんの少しずつ、白さはかげろいでいった。

白だらけだった世界が、少しずつ、暗く、暗く、暗黒になっていき、こんどは完全に真っ暗になっていく。

気づけば、まったく、身動きが出来ない、どこか、狭い場所に閉じ込められている様だった。

「・・・ここは、どこだ・・・?千尋ちゃん、千歳ちゃん、ソルフィちゃん」

見えなくなってしまった3人の名を呼ぶ。

「なぁに?お兄ちゃん」

「はい、お兄さん!」

「ソルフィはこちらに、お兄様」

僕の頭の中で3人の声が多重に聞こえる。

「えっ・・・?えっ・・・?ええっ・・・?、どこに居るんだい?3人とも」

「えっ・・・・とお・・・・わかんないや、お兄ちゃん、お兄ちゃんの傍に居るのは分かるんだけど・・・」

「・・・そうですね・・・この真っ暗闇の中なので、私も何がなんだか・・・」

千尋ちゃんと千歳ちゃんは困惑している様子だ。

その中でソルフィちゃんが「コホン」と咳払いした。

「お兄様・・・千尋さん、千歳さん、多分ですが、ソルフィ達は、お兄様の中に居ます」

「「「ええっ」」」

突然お突拍子も無いソルフィちゃんの発言に驚く僕ら。

「僕の中に、ソルフィちゃんが居る・・・というと・・・?」

僕はソルフィちゃんに言葉の真意を問いただす。

「ソルフィ達の魂は、封印としての役割を終えた後、封印と共に消滅するはずでしたが、消滅してません。お兄様と違って、肉体が既に消滅しているソルフィ達の魂は冥界に還るはずです・・・・・・しかし、ソルフィ達の意識は現にここに在ります。推測ですが、永く、永く、お兄様の魂を縛り付けていた私達の魂は、お兄様の魂に定着し、くっついているのでしょうね。」

「えっ・・・それじゃあ・・・」

「・・・ソルフィ達は、ずっと一緒ですよ?お兄様・・・」

今、その場にソルフィちゃんが居たら、にっこり微笑んでいっているだろうなと思われる口調でソルフィちゃんは言った。

「やったあああああああああああああ!!!」

「お兄ちゃんんんんんんんんん!!」

「良かったあああああああああああ!!」

僕と千尋ちゃんと千歳ちゃんは、大声で、その報を喜んだ。喜んだのは良いけど・・・

「ちょ・・・2人とも、大声言うの、やめて・・・頭に響いて・・・ぐわんぐわんする・・・・・・」

「はい・・・・・・私も、頭痛いです・・・あうう・・・」

「あててて・・・でも、良かったね・・・・・・これでお兄ちゃんと離れ離れにならずに済むね・・・あてて・・・・」

「あつつ・・・・・・ソルフィもとばっちりを食らっていますわ・・・あつつつ・・・」

僕ら4人で、暫くお互いの無事を喜び合うと共に悶えていた。



「・・・さて・・・どうしようか・・・この状況・・・」

真っ暗闇で身動きの出来ないのだ・・・。

「うーん・・・ここって、地面の中じゃないですかね、暗闇で、身動きが出来ないって・・・、昔、騎士のサバイバル教本に書いてあった生き埋め時についての状況とそっくりなんですよね」

千歳ちゃんが、割と説得力がありそうな事を言った。確かに地面の中と言われれば、そうかもしれないと思う。

「もう、お兄様が封印されてから、何百年か、千年以上は経っていそうですが、お兄様が封印された時は、古塔の地下にお兄様は封印されていましたからね。その塔も壊されて、お兄様の肉体は地面の下に埋もれているのかもしれません」

ソルフィちゃんが、千歳ちゃんの言に、さらに説得力を補強する。

「・・・・・お兄さん、ちょっと涎垂らして見て下さい。もし、お兄さんが地面の下に居るのなら、涎が垂れた反対側が、地表のはずですよ」

千歳ちゃんの言われるがまま、僕は涎を垂れてみる。

すると、涎は、僕の鼻を横切り、額に到達する。

「・・・・・やっぱり、地面の中に居るのかもしれないですね。地面の中だとしたら、涎と逆方向に地表がある事になります、お兄さん」

「そうだね、千歳ちゃん」

僕は千歳ちゃんの案に従ってみる事にした。涎と逆方向、足元に向かって、魔力の衝撃波を放ってみた

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