身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

104C. 終わらない幸せな日々が月日の概念が無くなってしまいそうなぐらい続いた。

僕らは長い間、本当に長い長い間。ずっと愛し合って幸せに暮らしていた。

このままずっと、この日々が続くと思っていた。

だが・・・

「起きて・・・お兄ちゃん・・・起きて・・・」

ある日目覚めてみると、真っ白な、何も無い空間で僕は寝ていた。

傍には、千尋ちゃん、千歳ちゃん、ソルフィちゃんが居る。

おかしい・・・僕は、アパートの自室で寝ていたはずなんだが・・・。

「あ・・・起きましたね、お兄さん、その・・・私達が起きた時も、こうなっていまして・・・。」

おろおろとうろたえている千歳ちゃん。千尋ちゃんも不安そうに僕を見ている。

辺りを見回しても、白、白、白。それだけだ。

「・・・・・・良いですか?お兄様」

ソルフィちゃんはこほんと咳払いをし、真剣な眼差しで僕を見ている。

「・・・・・・何か知っているのかい?ソルフィちゃん・」

「ええ・・・知ってます。・・・恐らくは・・・ですが・・・お兄様は、目覚めようとしています・・・この夢の世界から。長い年月を経て、封印の効力が弱まっているのでしょう・・・」

「「「えっ!」」」

千尋ちゃんと千歳ちゃんと僕は、同時に驚愕の声を上げた。目覚める・・・?僕が?この夢の世界から・・・?

夢の世界から、目覚めるという事は・・・3人はどうなってしまうのだろう?

「・・・・・なあ、ソルフィちゃん、目覚めるという事はさ、僕を夢の世界に縛り付けている封印である、みんなはどうなってしまうのかい?」

僕が質問すると、ソルフィちゃんは、顔を落とし

「分かりませんわ・・・・・そのまま消えてなくなるのかもしれませんし、どうなるかは・・・・」

震えた声で言った。

僕らの間に沈黙が横たわる。

「嘘だろう・・・、折角、僕ら、こんなに一緒に居れる日々を得れたのに・・・こうも突然・・・」

僕が頭を抱えると、千尋ちゃんと千歳ちゃんが僕に抱きついてきた。

「お兄ちゃん・・・」

「お兄さん・・・」

二人も不安そうだ。僕は、その不安を和らげようと、二人の頭を撫でる。

「お兄様・・・・・ソルフィ達は、どうなるか、分かりませんけど、でも、今の内に言っておきます、愛していました、いえ、愛しています。ずっとずっと。・・・・・・もう聞き慣れた言葉でしょうけどね」

そう言って、ソルフィちゃんも、僕に抱きついてきた。

ソルフィちゃんも不安なんだろう。永く、永く接していたけど、ソルフィちゃんも、怖がりの寂しがり屋だ。

僕はソルフィちゃんの頭も撫でた。

「お兄ちゃん・・・私も愛してるから・・・心からね・・・これが最期かわからないけど、一応言っておくね・・・」

千尋ちゃんも、強張った笑顔で微笑みかけてきた。

「お兄さん、状況はよく分かりませんけど、長い間、本当に長い間、私の事愛してくれていて嬉しかったです。ほんとは、もっとずっと居たいんですけどね」

てへへ、と笑って、千歳ちゃんも気丈に微笑む。

急すぎる。急な、お別れだ。しかし、悔いは残すべきでは無い。だから、僕も別れの言葉を告げる事にした。

「有難う、千尋ちゃん千歳ちゃんソルフィちゃん。こんな僕に愛してくれていて、3人と過ごした日々は多分、何十、何百・・・下手したら何千年も経っているだろうけど・・・あっという間だった。・・・・・・本当に急だけど・・・・・・愛しているよ、みんな。ずっと、ずっと。夢の中で居続けたいけど、目覚めてしまって、ごめん・・・」

僕は3人を抱きしめながら謝罪した。

「ううん・・・いいから・・・私も、お兄ちゃんを縛り付ける事が出来なくて、ごめんね」

「そうそう・・・仕方が無いですよね・・・寂しいですけど・・・」

「普通に生きていたら、とっくに寿命が尽きてしまう期間をお兄様と過ごせたのですもの・・・」

3人は・・・僕を抱きしめる力を強めてくれた。

「みんな・・・・・・有難う・・・・・・」

僕も3人を抱きしめ返す。

白かった世界が、さらに白く、眩さを上げ、3人の姿が見えなくなるぐらい、世界が白くなり、そして、僕の意識もまた漂白されるかの様に、眩く、失った。


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