身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

75.「城門近くの民家に入る。 」

民家の中は、僕ら現代人とは異質なものの、生活感のある部屋だった。

まるで昨日まで誰かが住んでいた様な。

「本当に誰も居ないんですね」

千歳ちゃんは城の様子に驚いている様に言う。

「・・・気味が悪いよね・・・へっくしょ!」

千尋ちゃんが寒そうにくしゃみをする。

上半身ほぼ半裸の上濡れているのだから仕方がない。

僕は、ジャージを脱いで、千尋ちゃんの肩にかけてやった。

「・・・お兄ちゃん・・・!」

「寒いだろう?、それで良ければ着けていてくれ」

「うん!」

にっこりと微笑む千尋ちゃん。

「ぶー!千尋ちゃんだけずるいです。私も何かして下さい。」

「何かって・・・?何だよ・・・?」

「何かは何かです!それじゃあ・・・ちゅー、して下さいよ!ちゅー!」

千歳ちゃんは目を瞑って僕に唇を向けて来た。

「なっ、ちょっと待てよ、それはいくら何でも」

「一緒にお風呂入ったんですから、これぐらい良いじゃないですか、ちゅー!」

「ちょっ、やめっ!千尋ちゃん、何か言ってやりなよ」

「んーー、先から私ばかり良い思いしてるし、千歳さんにも、お兄ちゃんの事、譲らないとね。ちゅーぐらいなら・・・良いかな、後で私にもしてくれるなら」

ほっぺを手に当てて、困った風にくすくす微笑む千尋ちゃん。

千歳ちゃんの唇が迫って来る。

「年貢の納め時ですよ。ちゅーして下さい」

・・・確かに、僕は彼女達から色々誘惑を受け、好意を伝えられて、未成年だけど、彼女達の存在は誰も分からないし、ここも現実だかわからない空間だ。何しても問題ないし、彼女達もそれを望んでいるだろう。

僕は、目を瞑って、千歳ちゃんのキスを・・・

・・・しなかった。

「お兄さん?」

悲しそうな目で僕を見る千歳ちゃん。

「・・・今は・・・よそう・・・」

「今は・・・?ですか・・・?」

「うん・・・この、わけのわからない世界の中から脱出してからにしよう。そういうのは。」

「ここから出れば、ちゅーしてくれるんですね!」

「ん・・・まあ、そうだな・・・。どうせ千歳ちゃんに何かしても咎める人は居ないしな」

そう言うと、千歳ちゃんは、ぱあっと顔を明るくして

「どうしたんですか?、急に、お兄さんのガードが甘くなったんですけど?、今まで、押しても、体よく避け続けられていたのに!良いんですか?やっちゃいますよ!私!」

と言って、僕に抱きついて来た。

「・・・ん・・・まあ、もう、いい加減にして良いかなって。どうせ、僕らの関係は僕ら以外分からないものだし、それに、千歳ちゃんは魅力的だしな」

と、僕は千歳ちゃんの頭を撫でてやった。

「やったーっ!うふふ!お兄さん!お兄さん!」

千歳ちゃんはぎゅっぎゅっと僕に抱きついて、喜んでいる。

「こらこら、全てが終わった後の事だぞ」

千歳ちゃんの頭をぺしりとチョップした。

「あてて・・・楽しみにしてます!」

千歳ちゃんはるんるんで僕から離れた。

「・・・お兄ちゃん、私も楽しみにしてるね」

ふと、横を見ると、口元だけ微笑んで、僕らを見ていた。

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