身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

51.「なんだ!?」

の瞬く青い光に驚く。

その光の元は自称妹の手元、手にしたオモチャの銃から放っているものだった。

「何・・・?何・・・!?」

自称妹も、自分の手元の謎の光に困惑している。

「何これ・・・?これは・・・千歳さんみたいな光なの・・・?」

自称妹はその光る銃を凝視していた。

「なら、これが、千歳さんの光の様なものなら!私も!」

そう言って、オモチャの銃を目の前に居るゴーレムに向けて、自称妹は引き金を引いた。

刹那、蒼白い閃光が走り、傍にに居たゴーレムの胸に貫通する。

胸を貫通されたゴーレムはその場で倒れ崩れた。

「やったあ!やっぱり、私にも有ったんだ!千歳さんみたいな力!」

ゴーレムを撃ち倒した自称妹はガッツポーズをし、自分に眠っていた力が解放出来た事を喜ぶ。

「凄いぞ!千尋ちゃん!こんな力があるなんて・・・!・・・千歳ちゃんにまとわりついて居る奴らも倒してくれ!」

大ピンチな時にこんな都合良く、新たなる力が得れるなんてラッキーも良い所だ。

「任せて!・・・千尋さん!今助けるから!」

自称妹は青く光る、アニメ漫画の光線銃を模したオモチャ銃で間髪いれず閃光を7つ発射した。

その瞬間、七体のゴーレムが倒れる。

それは圧倒的光景だった。

まるでガンマンだ。

何で、アイツこんな凄腕の銃捌きなんだ。

何かガンマンになる修行でもしていたのか?

・・・そういえば、あいつ、FPSゲームが滅茶苦茶上手かったよな。それが関係して・・・?

いやいや、いくらゲームが上手いからって、実際の銃の腕前が上がる訳じゃない。

だが、現に自称妹は、素早く手際良く、ゴーレムを撃ち倒しているじゃないか。

「倒れて!倒れてよ!倒れて・」

自称妹は一発一殺で撃ちまくっている。

「これで、終わり!」

自称従兄弟を捕縛する最後のゴーレムを倒した。

「今だよ!お兄ちゃん!」

「任せろ!」

僕は可能な限り素早く体を動かして、倒れた自称従兄弟を抱き抱えて回収する。

「ん、んぅ・・・お兄さん・・・」

「無理して喋らなくて良い。大丈夫だから。」

「はい・・・」

自称従兄弟は僕に体の体重を預けた。

「お兄ちゃん!どうする?私の銃であの石人形倒しても良いけど、多分、さっきみたいに数で押されるよ。」

ゴーレムを撃ちながら自称妹は言った。

あんな引っ込み思案だった自称妹が状況を的確に分析して・・・頼もしい・・・と思ってしまった。

「ああ、なら、もうこのイオンから出ていってしまおう。外にもゴーレムが居るか、分からないけど、取り敢えず、このイオンの中には逃げ場が無さそうだ!。」

「そうだね!分かった!」もう、薄々分かっていた事だが、このゴーレム達を倒してもキリが無い。

幸い、ここは一階だ。外に突っ切れば、逃げる事は可能だろう。

「だったら、私が、目の前のゴーレムを倒すから、お兄ちゃんは千歳さんをおぶって・・・」

「いや、待って下さい!」

背中から制止する声が上がった。

「私もまだ戦えます!両腕はまだ無事です!のぼり旗を振り回す位なら出来ます!」

惚けていた自称従兄弟が戦意を取り戻した様だ。

「駄目だ!足、大丈夫なのか?立ち上がれないのだろう?そんな足じゃあ、戦えないじゃないか!」

自称従兄弟はとても立って動き回れる様に見えなかった。

「でも・・・!私は!!」

「お兄ちゃん!千尋さん!」

急に自称妹が声を張り上げる。

「千尋さんが歩けないなら、千尋さんを買い物カートに乗せて、お兄ちゃんがカートを動かせば良いんだよ!。その方がお兄ちゃんもおぶるより楽だし、千尋さんも、カートからのぼり旗を振り回してくれたら良い。」

自称妹の癖にが良い案を言った。

「そうだ!名案だな。千歳ちゃん!。じゃあ、僕は千歳ちゃんをカートに載せながら入り口へ向かうから。千歳ちゃんは近づくゴーレムを叩ききってくれ!千尋ちゃんは斬り漏らしたゴーレムを撃ってくれ!」

「分かったよ!お兄ちゃん!」

「良し!やってやります!」

僕ら三人はお互いの顔を見合わせた。

その顔は窮地の中で光を見つけた様なそんな風だった。

今の作戦なら必ずいける気がする・・・。

自称妹はカートのある方のゴーレムを片付け、僕は自称従兄弟をおぶりながらカートの方へ向かった。

「よいしょっと・・・お兄さんから離れるのは少し名残惜しいです。お兄さん。」

カートに自称従兄弟を載せた時に、残念そうに自称従兄弟は言った。

さっきまで、頭を絞められそうだったというのに、もう、いつもの本調子である。

その顔には、若干の微笑みすらあった。

「後でたくさん持ち上げてやるから。後でな。」

「はい!お姫様抱っこでお願いしますね!」

にっと自称従兄弟は笑い、そしてのぼり旗を構えた。

現役剣道部員だからか、その構えには気迫を感じる。

「では行って下さい、お兄さん。目の前のゴーレムは私が叩き斬ります。」

「分かった、千尋ちゃん、斬り漏らしの方をよろしくな!」

「うん!いつでも良いよ!お兄ちゃん!」

自称妹も自称従兄弟同様、にこりと微笑んで答える。

「よし!行くぞ!」

僕は入り口に向かって、ゴーレムの群れに向かって、カートを押し出した。



「めーん!めーん!!めーん!!!めーん!!!!」

自称従兄弟は目の前のゴーレムを次々と斬り伏せる。

「そこっ!」

僕と自称従兄弟の後ろから自称妹が射撃し、ゴーレム達が次々と撃たれて倒れる。

作戦は良好に進行していた。既に50メートルは、ゴーレムの群れを掻き分けて進んでいる。

僕らは難なくゴーレムの群れを進んで、もうすぐ入り口の自動ドアだ。

「良い調子だ!二人共!もう少しだ!」

「うん!(はい!)」

二人は軽やかな声音で返事をした。

二人の戦いぶりは、いつもの生活で手を焼かされていた女子学生の雰囲気が無かった。

ただ、目の前の敵を華麗に倒す戦乙女。そんな風な迫力を感じた。

そんな彼女達の前には、ただノロノロ歩いて、ゾンビみたいな単細胞な動きをしないゴーレムなんて敵では無かった。

「良し!ドアを抜けるぞ・・・抜けた!!」

僕らは、あっさりと自動ドアを出て、イオンの外へ出れた。

「身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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