異世界にいったったwwwww

あれ

66

 約七千の兵が、略奪、強姦、暴力の嵐を引き連れて、砦を荒らし始めていた。 モグラとザルの一行は、《かの丘》までむかい、それを砦の残存した人たちに伝える精鋭兵を数騎送り込んだ。 
グリアはといえば、痺れと、昏睡のうちに対峙を強いられていた。
 もし、仮に、この状況であれば、彼は間違いなく皆で討ち死にすることを選んだだろう。いや、少なくとも、多くの人間を逃がして、自分だけは散ることを望んだハズだ。 
それを知っているから、モグラは敢えて、判断を有力者で生き残るという判断をした。 
(許せ、グリア。貴様は、生きなければならん男だ。)
 黒馬の砦の人々も、ほとんどが奴隷や農奴階級の人々で、グリアが解放し、自立してゆこうと呼びかけた人々であった。自然、もし、このモグラの判断を訊いても、皆、同意しただろう。 
(この男は、自分の価値を知らんのだ――。)
 モグラは、ザルに抱えられた金髪の男をみる。悔しさと非力を滲ませた横顔が、グリアらしい。
 もう、夜がくる。 
一団は、全速力で《かの丘》に向かってた。













「異世界にいったったwwwww」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く