異世界にいったったwwwww
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「邪魔だ、邪魔だ! なに、どうなっている。」
丸太の槍を轟々と振り回し、兵隊を弾き飛ばす。
(……なんだあの男は)
グリアは、ボロボロの剣を掲げ、馬首を返す。
「ほう! あんな面白いものがあるのか!」
ザルが腹をゆすり、首を後ろに向けた。すると、遠征軍の本陣を強襲し終えた当賊の3千の兵が自分の後をついてくるのがみえた。
この混乱した状態ではまさに羊の群れに放り込まれた1っ匹のライオンと変わらないだろう。
次々と軍旗を放り投げ、遠征軍はほうほうの様子で逃げてゆく。その様はまさにゴマ粒を撒き散らしたようであった。
その中を、悠々とザルは牛をすすめ、グリアを見つける。
「貴様、黒馬の民か!」
咆哮だった。
それに負けじと、グリアも「いかにも。私はグリアと申す」と手短に答えた。 そうか、と独り言をやったザルは朱槍をグリアに向け、突撃を仕掛けてきた。両者の間には、いまだ遠征軍の敗残兵が人垣を作っていたが、それらを文字どうり蹴散らして突撃した。
「どういうことだ! お前、遠征軍か」
ザルは頭で否定の首振りをした。
(まさか盗賊の援軍が……なぜ!)
そう思いながら、敗残兵の残した軍旗の槍が突き刺さった柄を掴み、応戦する用意をした。
「申し訳ねえが、こちらは憲兵でな。上の命令をきかにゃあ、ならんのだ」
牛の足を止め、両者に上手い距離ができたいた。
「まさか、元々裏切るつもりだったのか。」
「さあ、ただ個人的にはあんたらに同情してんだぜ。」
と言うが早いか、両者の戟が火花を散らした。
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