異世界にいったったwwwww

あれ

31

翌日、イヴァンの元に《蘇》からの正式な尋ね人が来た。 黒いマントとフードを身につけた格好。 衛兵に守られた馬車から降りた黒い《蘇》の者は、《穀物庫》謁見の間にたどり着く。
 コルゼは疑念をもちつつ、とりあえず会見しようとイヴァンの耳元で囁く。
 「あなたが《蘇》の使者ということでよろしいでしょうか?」
 こくりと、頷く。 
「しかし、一体なにを?」
 イヴァンは内心汗をかいていた。まさか、昨日の密謀がバレているのか、と。 だが、そんなことはなかった。 
フードとマントを脱ぎ捨てた使者は、真っ直ぐにイヴァンとコルゼを見据えた。 肌の黒い、鋼のように鍛え上げられた引き締まった筋肉。人一倍大きな目玉。髪の毛は後ろを結び、その他は禿げ上がっている。
 「私は悪魔と契約した者、魔術師である。」
 魔術師とは、都市国家に認められた権利の一つである。それは都市国家には悪魔との契約ができ、また魔術師の人口を一定まで認めている。
 なぜ、一定までなのか?  
それは魔術師一人が戦争において千や二千の戦力の能力を発揮するからだ。
 「まさか、なぜ我々のところへ?」
 「《蘇》王は、いわれた。独力といえども君たちには難しい状態であることを。だから、援軍を送るということ。」
 「しかし、我々との約束が……」 
「大丈夫です。私の派遣はいわば、善意でしょう。」
 イヴァンはため息をついた。 
「よしわかった。ではその善意を受け取る。して、あなたは、なんの魔術師なのですか?」 
待っていたとばかりにほくそ笑む。
「火炎の魔術師になります。」 
彼は、《蘇》でも強者として名を馳せる魔術師この男一人で三千の兵力を相手にできるほどだと、言われていた。 
(このままでも、勝てるかも知れない。だが……。)
 「あなたは、我々の奥の手として使います。よいですか?」
 不服そうだった火炎の魔術師は、しかし同意した。の一人であった。



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