異世界にいったったwwwww

あれ

27

 神妙な顔で頷いた守衛は、すぐにグリアに知らせて捜索兼、討伐部隊を編成するように掛け合う旨を、二人に約束した。 


しばらく、帰還した一行は門の前で待たされた。
 すると、門がひらき、奥から二百程を率いるグリアの姿がみえた。


「あっ、グリア! ワシだ!モグラだ!」




 小さい鼻とギョロ目を嬉しそうにグリアに向けた。しかし、それすら目に入っていない状態のグリアが、金髪の縮れた毛を掻き毟りようやく、睨みを解いたとき、「黙れッ!」と叱咤した。
 その場は、異常な緊張感に支配された。
 グリアが鞭をあげ、馬の尻を叩く寸前、道の果から歩く影を認めた。
 ヒュン―――と、金髪の髪をかきあげ、単騎で独走した。
 剣の鞘から剣を取り出す。
「何者だッ!」 
肩を怒らせた。
「にぃ、さん……。」
夜の目が冴えるグリア。すると、それは自らの弟であることが確認された。
 しかし、顔が青あざやたん瘤で痛々しく、鼻の血がポタポタと垂れてい、疲れ果てたようだった。 
「どうした! だれにやられた!」
 グリアは問うた。まさか、腕利きの弟がこのような深手を負うとは!
 衝撃がはしっていた。
 すると、エイフラムはすかさず、傍を歩いていた真希を指差す。
 呆気に取られた。一瞬息が止まるかとおもった。 
やがて、冷静に現状を分析する。 
「アハハハッハ! そうか! そうだったのか! 早計だったのはこのグリアだったか!」 
おかみが観念したような顔で真希とエイフラムを見る。 
エイフラムをボコボコにした真希は、手のひらで顔を覆っている。
 すると、背後から黒馬の部隊と、モグラの一行がかけつけた。
 すぐに何があったか皆でグリアたちを問いただす。
 それに、グリアが一言、 
「裸体に負ける我が弟!」
 と真剣な声でいう。 一拍の間が生まれる。




ドッ、と爆笑の渦にこの場の全員が巻き込まれた。




 きらきらと、朝露がこぼれた。気持ちのいい何度目の異世界の朝だろう。壮一は恥ずかしさから目線を別の方に逸らす。











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