犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんと家庭訪問(1)

純心の担任である
小夜子先生は、
新学期初日から早速
純心の家に家庭訪問を
すると言い出した。


小夜子先生的には、
もちろん犬女ちゃん
目当てであったが、
そこは建前上、
学校の担任として犬女ちゃんを
よく知っておく必要があり、
家庭環境も見ておきたい、
ということにしていた。


ぶっちゃけ職権乱用である。
高校で担任の先生が、
家庭訪問をするなどという
話も聞いたことがない。




純心は変な人に
家に来て欲しくはなかったのだが、
変な人が担任の先生なのだから、
仕方がない。


学校初日の犬女ちゃんを労うために、
夏希、お嬢様、生徒会長が
ちょうど家に来る
ことにもなっていた。


純心的には、
それは大変助かることだった。
今日変な言動をしていた
小夜子先生と三人だけだったら、
どうしたらいいのか
わからないところだ。


-


純心の家に
家庭訪問する小夜子先生。


「今日はお疲れだったねー」


夏希、お嬢様、生徒会長の
三人が家にやって来て、
犬女ちゃんとたむれはじめると、
小夜子先生は目を丸くする。


『私が目をつけていた
学校の美少女トップスリーが、
もうすでに犬女さまのものだったとは…』


犬女ちゃんは、
女子高生トリオと
じゃれ合って遊んでいる。


『さ、さすが犬女さま…
もうすでに
こんな美少女達を下僕にして、
侍らせておたわむれに
なっておられるとは…』


どうやら今日の小夜子先生は、
犬女ちゃんと会えた興奮で、
頭の中がピンク一色のようだ。


-


「今日は汗かいただろうし、
だいぶ早いですけど
お風呂に入ってしまいましょうか?」


お嬢様はそう言って、
犬女ちゃんとお風呂に入る準備をする。


「お風呂ってどういうことなの?」


小夜子先生は、
特別なキーワードを
聞き逃さなかった。


「犬女ちゃんは、
手で物を握れないから、
私達が一緒にお風呂に入って、
体とか洗ってあげるんですよー」


夏希はありのままのことを
伝えただけだった。


しかし、
小夜子先生の頭の中では
何かが間違って伝わっていた。


『?』


『体を洗って
清めてさしあげるですって?』


『この娘達は一体何なの?
もしかして巫女なの?巫女
シャーマンなの?』


もはや宗教の域に達している。


『あ、
そ、それとも、下僕だから、
ご主人さまのお体を
洗ってさしあげるのは
当然ということかしら…
さ、さすが犬女さま…』


小夜子先生の頭の中では、
女子高生トリオは
完全に下僕ということに
なっているらしい。


「だ、大事な部分は、
どうしてるのかしら?」


今、脳内ピンクの
小夜子先生には、それはとても
気になることなのだろう。


「もちろん、
女性のデリケートな部分も
洗ってしあげるのでしてよ」


そう答えた生徒会長に、
思い出したように
夏希が別のことをたずねる。


「そういえば最近の犬女ちゃん、
お風呂入れてくれたお礼に
キスしてくれたりしない?」


この会話の流れを、
小夜子先生の脳内は、
都合のいいように変換した。


『大事なところを触って、
ご褒美にキスしていただけるですって?!』


『さ、さすが犬女さま…
もうすでにこんな美少女達と
そんなハードなプレイを
されておられるとは…』


『この美少女達も
すでに犬女さまが犬奴隷として、
調教済みということなのですね…』


全然そんなことはないのだが、
状況だけを小夜子先生の脳内が
都合よく解釈すれば、
そういう風にもなるのだろう。


-


新学期初日で
部活がなかった愛ちゃんも
制服で純心の家を訪ねて来る。


こんなでも一応は
学校の先生であるので、
小夜子先生は、制服を見れば
中学生だとすぐわかる。


『こ、こんな中学生まで!
さ、さすが犬女さま…
容赦がありませんわ…
さすが、ケ・ダ・モ・ノ(はあと』


その後ろからは
愛ちゃんと一緒に付いて来た
マイちゃん、ミイちゃん、
ユウちゃん、ユアちゃんの
ちびっ子四姉妹が家に入って来る。


『え、えぇ!
ま、まさか
こ、こんな幼女まで…
さ、さすが犬女さま…
まさに鬼畜の所業
さすが、ケ・ダ・モ・ノ(はあと』


今頭の中が
ピンク一色になっている
小夜子先生は、
もう何を見ても
それにしか見えない。


小夜子先生は、
家庭訪問中ずっと
身悶えていた。


-


「せ、先生さっきからずっと
家庭訪問らしいことしてませんし、
そろそろ帰っていただいても…」


ずっとすっかり危ない人みたいに
なっている小夜子先生に、純心は
おそるおそる声を掛けてみるが、
先生は一向に帰ろうとはしなかった。




純心は純心で思っていた。


今、女ばかり十人も
家にいるわけだが、
その内訳が、
犬女ちゃん、高校生トリオ、
中二に、幼女に、学校の先生。


『もう俺ん家わけわかんねえことになってるな』











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