犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)
犬女ちゃんと肝試し(1)
「お子ちゃま達は、寝たことですし、
ここはひとつ肝試しはいかがでしょうか?」
愛ちゃんは、昼間のリベンジをしようと、
また何かを企んでいた。
純心には、お前がお子ちゃまだろ、
とツッコミを入れられていたが。
小さい子達は、純心の母に
すでに寝かしつけられているような時間だ。
愛ちゃんの話では、
この宿泊施設の裏山の方に、
神社があるので、そこの境内まで、
二人一組になって行くという話である。
当然愛ちゃんにしても、
中二レベルで事前に何かを
仕掛けられるはずもなく、
二人っきりになれるイベントが
あればそれでよかった。
本当はお寺のほうがよかったのだが、
歩いていける範囲にはなかったため、
この際、神社で手を打った。
二人一組のペアを
決めることになって、
愛ちゃん的には、
みんなでお兄ちゃんを奪い合って、
では一番年下である自分が、
お兄ちゃんに守ってもらう、
という計画であった。
だが、純心の争奪戦はまったく起こらなかった。
そこは純心ハーレム歴のキャリアの差が、
はっきりと明確に出ていた。
一学期の苦難をともに乗り越えて来た
女子高生トリオからすれば、
こういう場合の純心のパートナーは、
犬女ちゃんに決まっていた。
犬女ちゃんが一名の扱いなのか?
という異論さえなかった。
「さすが私が見込んだお兄ちゃん
のハーレムじゃぁないですか。
意志疎通、統制がばっちりですよ。」
「私的には、美しいお姉ちゃんと
二人きりでも問題ないから、外れなしですよ。」
愛ちゃんは、
また一人でぶつぶつ呟いていた。
愛ちゃん的にはハーレムメンバーで、
イベントを体験出来れば何でもよいのだろう。
-
ペアは一組目が生徒会長と愛ちゃん。
二組目が夏希とお嬢様、
三組目が純心と犬女ちゃんに決まる。
最初のペアが出発して、
五分後に次のペアが出発する。
神社の境内で一度全員が
集合することになっている。
「いやぁ、さすがに暗くておっかないですね。」
「べ、別に怖くなんてありませんでしてよ。」
そう言いつつも生徒会長は、
青い顔をして脚をがくがく震わせている。
鬼純心を体を張って止めた当時の面影もない。
最近はすっかり乙女モードに慣れつつある生徒会長。
真っ暗な闇の中、
手に持った一つの懐中電灯、
その灯りだけを頼りに
神社の境内へと続く
長い石段を登って行く二人。
生暖かい風が吹き、
草木が揺れる音が聞こえる。
先ほどまで割と平気だった愛ちゃんも、
少し気味が悪いと思いはじめている。
そこはやはりまだ中二だ。
茂みでガサガサ音がする。
生徒会長が懐中電灯を当てるが
そこには何もない。
二人がホッとして、
再び前を照らすと、
前方には女の影が立っている。
よく見ると、女の顔は、
地面に着きそうなぐらいに
長い黒髪で覆い隠されている。
「きゃぁぁぁあああああああ!!」
二人は悲鳴を上げ、
今登って来た石段を、
走って駆け下りる。
女の影は二人の後を追い掛けて来る。
ここはひとつ肝試しはいかがでしょうか?」
愛ちゃんは、昼間のリベンジをしようと、
また何かを企んでいた。
純心には、お前がお子ちゃまだろ、
とツッコミを入れられていたが。
小さい子達は、純心の母に
すでに寝かしつけられているような時間だ。
愛ちゃんの話では、
この宿泊施設の裏山の方に、
神社があるので、そこの境内まで、
二人一組になって行くという話である。
当然愛ちゃんにしても、
中二レベルで事前に何かを
仕掛けられるはずもなく、
二人っきりになれるイベントが
あればそれでよかった。
本当はお寺のほうがよかったのだが、
歩いていける範囲にはなかったため、
この際、神社で手を打った。
二人一組のペアを
決めることになって、
愛ちゃん的には、
みんなでお兄ちゃんを奪い合って、
では一番年下である自分が、
お兄ちゃんに守ってもらう、
という計画であった。
だが、純心の争奪戦はまったく起こらなかった。
そこは純心ハーレム歴のキャリアの差が、
はっきりと明確に出ていた。
一学期の苦難をともに乗り越えて来た
女子高生トリオからすれば、
こういう場合の純心のパートナーは、
犬女ちゃんに決まっていた。
犬女ちゃんが一名の扱いなのか?
という異論さえなかった。
「さすが私が見込んだお兄ちゃん
のハーレムじゃぁないですか。
意志疎通、統制がばっちりですよ。」
「私的には、美しいお姉ちゃんと
二人きりでも問題ないから、外れなしですよ。」
愛ちゃんは、
また一人でぶつぶつ呟いていた。
愛ちゃん的にはハーレムメンバーで、
イベントを体験出来れば何でもよいのだろう。
-
ペアは一組目が生徒会長と愛ちゃん。
二組目が夏希とお嬢様、
三組目が純心と犬女ちゃんに決まる。
最初のペアが出発して、
五分後に次のペアが出発する。
神社の境内で一度全員が
集合することになっている。
「いやぁ、さすがに暗くておっかないですね。」
「べ、別に怖くなんてありませんでしてよ。」
そう言いつつも生徒会長は、
青い顔をして脚をがくがく震わせている。
鬼純心を体を張って止めた当時の面影もない。
最近はすっかり乙女モードに慣れつつある生徒会長。
真っ暗な闇の中、
手に持った一つの懐中電灯、
その灯りだけを頼りに
神社の境内へと続く
長い石段を登って行く二人。
生暖かい風が吹き、
草木が揺れる音が聞こえる。
先ほどまで割と平気だった愛ちゃんも、
少し気味が悪いと思いはじめている。
そこはやはりまだ中二だ。
茂みでガサガサ音がする。
生徒会長が懐中電灯を当てるが
そこには何もない。
二人がホッとして、
再び前を照らすと、
前方には女の影が立っている。
よく見ると、女の顔は、
地面に着きそうなぐらいに
長い黒髪で覆い隠されている。
「きゃぁぁぁあああああああ!!」
二人は悲鳴を上げ、
今登って来た石段を、
走って駆け下りる。
女の影は二人の後を追い掛けて来る。
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