犬女ちゃん -見た目は美少女、知能は犬並みー(旧題:犬女ちゃんとピュアハート)

ウロノロムロ

犬女ちゃんとお嬢様のお屋敷(2)

犬女ちゃんは、
お嬢様のお屋敷にある広い庭で、
使用人達に遊んでもらっていた。


しかし、匂いと足音で
犬女ちゃんは、異変に気づく。


しばらくすると、
いつも犬女ちゃんを追い回している
例の大型犬が走って来た。


使用人達は、必死に体を張って、
大型犬を止めようとする。
数人の使用人が、大型犬に抱き着く。


犬女ちゃんは身構えて、
低い唸り声を上げて威嚇する。


大型犬はその体格と重量を活かして、
使用人達を振りほどく、
もしくはそのまま引きずって、
犬女ちゃん目がけて来る。


使用人達が止めていたので、
大丈夫かと思い、
一瞬逃げ遅れた犬女ちゃん。


大型犬にとびつかれ、
マウントされ、お洋服の上から、
腰をかくかくこすりつけられてしまう。


犬女ちゃんもなんなのか、
よくわかってはいないが、
もしこのまま何かを出されたら
負けだと本能的に思っている。


使用人達は大型犬を
必死で引きはがそうとする。


このまま汚されてなるものかと、
犬女ちゃんは、大型犬の股間に膝蹴りを入れ、
大型犬が痛がってる隙に、逃げ出す。


犬女ちゃんはとにかく走って逃げた。


大型犬は犬女の天敵に近い。


とにかくその重量でのしかかられると、
非力な犬女は身動きが取れなくなり、
抵抗しても、なんだかんだと
そのままマウントされてしまうからだ。


犬女ちゃんはもちろん
そんな理屈はしらないが、
本能的に危険を察知して、
走って逃げ回る。


小回りが利かない大型犬は、
そこかしこに激突しながら、
マウントへの執念で
犬女ちゃんを追い掛け回した。


*****


広い部屋の小さなテーブルで、
勉強している純心とお嬢様。


はじめは部屋の広さに
落ち着かながったが、
次第に慣れきて、
勉強に集中しているときは、
気にならなくなった。


純心は少し嬉しかった。
はじめて見たときに、
一目惚れしたあの美少女お嬢様と
今ではこうして、お嬢様の家で、
こんなに近くで一緒に勉強をしている、
そのことが嬉しくて仕方なかった。


まぁそんなことばかり考えていては、
せっかく勉強する時間をつくってくれた
お嬢様の好意を無にするので、
勉強に集中するように努めた。


それでも時々、
お嬢様の顔を見ては、
見惚れていた。


「どうかなさいましたか?」
純心の視線を感じたお嬢様は、
恥ずかしそうに照れながら聞いて来た。


「あ、いやここがわからなくて」
純心は慌ててとっさに、
さっきからずっと
つまずいていた問題の話をした。


「あ、ここはですね」
お嬢様が体と顔を近づけて教えてくれる。
お嬢様はすごくいい匂いがする。
純心は女子のいい匂いに
弱いのかもしれない。
若い男子はみんな
そうなのかもしれないが。


純心は幸せなひとときを過ごしていた。


*****


一方その頃、犬女ちゃんは。
相変わらず大型犬に
追い回されていた。


広い庭の開いている窓の一つから、
犬女ちゃんは屋敷の中に飛び込む。


大型犬もその巨体を揺らしながら、
ジャンプして窓の中に飛び込み、
犬女ちゃんの後を追う。


犬女ちゃんは小回りの利く
その体で屋敷内の物を
かわして走って行くが、
大型犬はすべてを
ことごとくなぎ倒して進んだ。

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