史上最凶の通り魔、異世界に転移す

ウロノロムロ

地中貫通爆弾(バンカーバスター)

敵軍の航空戦力、海上戦力を削ぎ、
攻撃力を低下させることに成功した髑髏。


髑髏が地上に舞い戻ると、
今度は数万を超える魔物達が待ち構えていた。
次は肉弾戦での物量作戦ということか。


人間世界の現代兵器による
物量作戦を諦めたのか、
それとももう実弾が尽きたのか、
それとも他に思惑があるのかもしれない。


だがタケシにはそんなことは一切関係なく、
ただひたすらに目の前の敵を
ぶちのめしていくだけ。


数万の魔物は髑髏を遠巻きに取り囲み、
髑髏を中心にしたその輪は次第に縮まって行く。


魔物の大群が一斉に髑髏に襲い掛かった。


四方八方から迫る魔物の群れ、
髑髏はこれを一体ずつ殴り倒して行く。


どれだけの数を集めようとも、魔物如きでは、
もはや髑髏を止めることは出来ない。


こうした状況であれば、
疲れ果て、疲弊して大物量の前に
呑み込まれてしまうものであるが、
髑髏のスタミナはほぼ無限と言ってもいい。
再生能力によるダメージ回復の中に
疲労回復とスタミナ回復が
含まれているからだ。


そしてあまりに強くなり過ぎた髑髏、
その動きに触れただけで、
敵の肉体脆くも損傷していく。


髑髏からすればこれだけの大群であっても、
豆腐のような崩れやすいもの、
その海の中を歩き回っているに
等しい行為であった。


後はひたすら根気よく丁寧に
最後まで皆殺しにするだけのこと。


すべてを皆殺しにしようとすれば、
どんなに髑髏が強くても時間だけは掛かる。
タケシの性格上、拳で殴るか足で蹴り飛ばすか、
そうした戦闘スタイルしか取らないからである。


それは時間稼ぎや足止めには
持って来いではあった。


-


地上から約一万キロメートル離れた
高度を飛ぶ爆撃機、
そこから落とされる十トンを超える
地中貫通爆弾バンカーバスター


死神導師はそんなものまで、
人間世界の軍から強奪して来ていた。


地上一万メートルを超える上空から
地上の人間をピンポイントで狙って
当てるなどまず不可能。
しかしその不可能を
可能にするのが魔法というもの。


数百人の魔道士により命中補正が加えられ、
さらに加速を上げる補助魔法が付与される。
通常以上の落下速度、いや落下というよりは
地上に向けロケットを打ち出したような速度。


地中貫通爆弾バンカーバスター
瞬く間に魔物に囲まれた髑髏の下に到達する。


それは髑髏を押し潰そうとするが、
これに耐え、貫通爆弾の先端と共に
そのまま地中深くへと埋まって行く髑髏。


大地を裂く衝撃、振動と轟音、
そして着弾により起こる大爆発。


髑髏を中心に取り囲んでいた数万の魔物もろとも
周辺一帯が爆発に巻き込まれ吹き飛ばされる。




粉塵で遮られ何も見えない状態。
その粉塵の中から姿を見せる傷だらけの髑髏、
だがその傷も一瞬で治癒される。


大地には巨大な穴が出来、
地中深くへと繋がっている。


背中の羽根を広げ、そのまま真上へ
猛スピードで突進して行く髑髏。
打ち上げられたロケットのように、
いやそれを遥かに超える速度で高度を上げ続け、
高度一万メートル上空の
爆撃機にそのまま突っ込む。


地中貫通爆弾バンカーバスター
打ち込んだ爆撃機は
機体のど真ん中を貫かれ、
高度一万メートル上空で爆発四散、
バラバラになった破片が燃えながら落下して行く。













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