史上最凶の通り魔、異世界に転移す

ウロノロムロ

髑髏 VS 地上部隊

砲弾を一発、二発受けても
ビクともしない髑髏スカルだが、
ついにかわしきれなくなり
連続被弾するようになる。


通常の魔神であっても、
一発、二発のミサイルであれば
耐え凌ぐことは容易であったが、
これ程までに連続で被弾すれば
やはり大ダメージは免れない。


髑髏の場合は
その連続被弾であっても、
超硬質化した肉体には
左程のダメージを与えられない。


延々と続く髑髏への集中砲火、
正面上空から向かって来るミサイルを
髑髏はその拳で打ち抜く。
信管に衝撃が与えられたミサイルは
爆発を起こすが、
髑髏は微動だにしない。


その敵の集中砲火を浴びながらも
ゆっくりと歩を前に進め、
死神導師がいる居城へと進んで行く。




身体的な損傷はないが、
自分が手の届かない範囲から
一方的に攻撃されるばかりの髑髏、
その本体であるタケシは
イライラが増すばかり。


殴り合いこそがタケシの望むものであって、
一方的に殴るのも、一方的に殴られるのも
欲しているものではない。


イライラが積もりに積もったタケシは、
ついにキレる。


「お前ら、皆殺しだっ」




突如、閃光の如く走り出す髑髏。
地上の砲弾が飛んで来る方向へと突進し、
地上部隊との距離を縮める。


近づくに連れ、
当然命中率も威力も上がっていくが、
そんなことには一切構わない髑髏、
肩や足への被弾が増えていく。


前方には数十車両はあるであろう
戦車部隊が待ち構えていた。


砲弾を手で叩き落し、被弾しながらも、
ようやく敵の懐へと飛び込む。


戦車の砲身、その真正面に立ってしまった髑髏は
零距離射程から腹に砲弾を受けるが、
これを全く意に介さず、砲身を掴みひん曲げる。


そして、装甲の上から戦車をボコボコに殴り、
中の操縦者ごと鉄の塊に圧縮し、
それを抱え他の車両に投げつけた。


次の車両は砲身を握り潰し、
そこをそのまま車両ごと持ち上げ、
他の車両に向かって投げ飛ばす。


そのサイズ並みに小回りが利かず、
走行速度も速くはない戦車部隊は
懐に入られると滅法弱い。
近接戦闘用の兵器ではないので、
当然の結果ではある。


戦車の脇へ回り、装甲を一撃で貫くと、
操縦者である中の人間を確実に仕留めていく。


その中を、空からの空爆、
海からの砲撃はまだ続いており、
味方である筈の地上戦車に誤爆することも。


戦車以外の武器を手にする敵兵も
髑髏が次々と殴り飛ばしていく。
催眠や洗脳に掛かっただけの
普通の人間であるというのに
そこには全くの容赦がない。


地上部隊をあらかた片付けた髑髏、
戦闘機が空爆を続ける空を見上げた。


「次は五月蝿うるさいハエどもか」


髑髏の背中から蝙蝠の羽根が伸びる。











コメント

コメントを書く

「現代アクション」の人気作品

書籍化作品