史上最凶の通り魔、異世界に転移す

ウロノロムロ

アンデッド軍団

永久凍土にある魔王軍幹部、
黒将導師の居城に向かうタケシ。


その行く手を遮るアンデッド軍団。


突進して来るスケルトンの大群、
拳を繰り出しこれを一体ずつバラバラにして行く。


一撃でスケルトンの頭は吹っ飛び、
身体の骨がバラバラと崩れる。


その横から低い唸り声を上げ、
ゾンビやグールの群れが
人間の肉を喰らおうと襲い掛かる。


これもまたパンチと蹴りでミンチにするが、
アンデッドだけあって飛び散った肉片が
再び集まり元の姿へと戻る。


先程バラバラにしたスケルトンもまた
飛び散った骨を集め再生を果たす。




不死身のアンデッド軍団、
これではキリがない。


しかしタケシは不敵な笑みを浮かべる。


「ふっ、はははっ」


ここ最近すべて一撃で決する
改造魔神との勝負に飽き飽きしていたタケシにとって
アンデッドは丁度いい遊び相手であった。


殴っても殴っても何度でも
再生して立ち上がって来る、
殴り合える絶好の相手。




アンデッドをひたすら殴り倒すタケシに
白い布が飛んで来て、
その体に巻き付いて動きを拘束しようとする。


ミイラ、マミーの全身に巻かれている包帯が、
武器となりタケシを搦めとったのだ。


タケシはここでようやく自らの肉体を
魔神・髑髏スカルの姿に変え、 
体を縛り付ける包帯を引き千切る。


しかし、バンパイアが巨大蝙蝠の姿で空から急襲し、
デュラハンが首の無い馬に乗り剣を振り回す。


倒しても倒しても復活して来るアンデッドの大群。
これを一発で撃破、粉砕するが、
やはり甦り続けるアンデッド達。


-


城の最深部、その玉座にいる黒将導師。


「今日はよく人間がやって来る日ですね。
いや改造魔神と言うべきでしょうか」


その前に姿を見せる魔神・髑髏スカル


「魔王軍の裏切り者、タケシ、いや魔神・髑髏スカル
まさかここまで来るとは思いませんでしたよ」


「アンデッド達はどうしました?
彼等は不死身、お仲間に聖騎士でもいましたか?」


「自分で確かめてみるんだな」


玉座を離れ、部屋を出て行く黒将導師、
その眼前に広がるのは。


確かにアンデッド達は死んではいなかった。
粉々になるまで粉砕され、辺り一面に広がっている。
しかもちゃんと動いてもいる、塵芥ちりあくたとなりながらも。


「ば、馬鹿な」


彼等は極限まで再生能力が遅くなっただけである。
以前、魔神・鳥兜トリカブトの血を吸った際に、
再生を阻害する毒の能力を手に入れていた髑髏、
その能力がアンデッドを相手にしている時に、
自動的に発動されていたのだ。


何度も拳を打ち込むうちに、
アンデッド達に何度もその毒が注入され、
再生能力が極限まで遅くなってしまったという訳だ。


しかもそれは自動で能力発動されたことであり、
髑髏の望むところではなく、
まだまだ暴れ足りてはいない。


「続きはお前に相手をしてもらおうか」


黒将導師を睨む髑髏。











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