史上最凶の通り魔、異世界に転移す

ウロノロムロ

魔神・蝙蝠(2)

ルイはヴァンパイア伯爵の隠れ家である
廃墟と化した教会に連れて行かれる。 
そこにはヴァンアパイア伯爵の淫催術により
性の奴隷と化した十数人の美女達が、
全裸で首輪に繋がれていた。
裸の女達はルイを睨みつける、
自分のライバルが増えると思っているのだ。 


父の驚愕の秘密を知り、自失茫然、
放心状態となっているルイ。 
ルイの心の隙をついて、
伯爵の淫催術がルイの心を魅了する。 
伯爵はルイの背後に立ち、ルイを後ろから抱きしめる。
伯爵の腕の中に抱かれるルイ。 
その白く細い指でルイの体を撫で回す伯爵。
ルイはその意思に関わらず、
瞳を潤ませ微かな吐息を漏らす。 
伯爵はルイの服を力づくで引き千切り、
ルイの美しい裸体が露にされる。 
伯爵はルイの体を弄びながら、耳元で甘く囁く。 


「……どうだ、俺の性の奴隷にはなりたいか?」


「……はいっ」 


自らの意思に反して、淫催術の前に抗うことすら出来ず
従順になってしまったルイ。 


「……では、自ら哀願するのだ、
私をあなたの性の奴隷にしてくださいとな」 


伯爵の淫催術の前に明らかに自らの意思を失い、
性的に昂揚しているルイ。
微かな声で伯爵の言葉を繰り返す。 


「……私を……あなたの……
性の……奴隷に……してくだ……さいっ……」 


そう言いきった時、
ルイのつぶらな瞳から流れる一縷の涙。
それがルイの意思の精一杯の抵抗でもあった。 
ヴァンパイア伯爵の鋭利な牙がルイの首元に近づく。
それは奴隷契約の証そのものでもあった。 
ヴァンパイアに血を吸われた者は
一生その淫催術からは逃れることは出来なかった。 


-


ガシャァァァァァン!!


教会の窓ガラスを突き破って
バイクで中に突っ込んで来る男。 
そう、そこへ現れたのはタケシであった。
タケシはバイクを回転させながら止める。
ルイの姿を見せて驚くタケシ。 


「あいつの娘がこんなところで何をしている?」


「まぁ、俺にはどうでもいいことだが」 


父の仇・タケシの姿を見て、我に帰るルイ。
ルイの強烈な憎しみが淫催術すらを打ち破った。 
伯爵を突き放し、腕の中から逃げ出すルイ。 


「お前が例の裏切り者か? タケシと言ったな」


伯爵はタケシを睨みつける。 


「裏切り者か、ふんっ」


「俺は、俺と同じ醜い改造魔人を狩る者」


タケシも伯爵を睨みつける。 


「私は醜くなどはないっ、
見よこの美しい私の姿を」 


「魔王は私に美しい姿を与えてくれたのだよっ、
そして私に力を与えてくれたのだのよ」


「私は魔王に感謝しているっ、
この姿をと力を与えてくれた魔王にな」


伯爵は誇らしげに高笑いを上げる。 


「お前も随分と愚かな奴だ、
このまま魔王軍に居れば、
何不自由無く面白可笑しく暮らせたものを」 


「ふんっ生憎だな、
俺はお前達を狩るだけで充分満足だ」 













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