史上最凶の通り魔、異世界に転移す

ウロノロムロ

屍人使い

 「どうぞどうぞ、私にはお構いなく、
続けてください、ですよ」 


暗闇の中に薄っすらと姿を現す
さえない中年サラリーマン風の男。 


「どうぞどうぞ、お構いなく、ですよ」 


中年サラリーマン風の男の首は横を向き、
さらに捻りを加え百八十度後ろを向く。 
その首の角度は決して普通の人間では有り得ないもの。 


「どうぞどうぞ、お構いなくですってば」 


やがて男の首はグルグル回転しはじめる。 


「どうぞどうぞ、お構いなくだってば」
「だって、どうせ私は死んでいるんだから」 


男がそう言うと、男の体内を食い破って、
無数の巨大蜘蛛が這い出して来る。 


「キャァァァァァッ!!」


あまりに不気味な光景に
ルリ子は再び悲鳴を上げる。 


その巨大蜘蛛が闇の中に姿を消すと、
闇の中から無数の人影が現れる。 
だがその人影はどう見ても
正常な人間のものではなかった。 
肌の色は土色で白目を剥いており、
中には肉が腐乱している者も多数いる。


それは屍人であった。
闇の中から姿を現す屍人の群れ。 


屍人は奇声を発しながらタケシに襲いかかる。
容赦なく屍の群れを蹴散らすタケシ。 
殴られ、腐った肉片を撒き散らし、
骨を飛び散らせ、内臓をぶちまける屍人の群れ。 


この状況に気も狂わんばかりのルリ子。
ルイの傍らにあった
緑川博士の亡骸もまた動きはじめる。
 

「ルイ、ルイや」


その父の声を聞き、
思わず父に助けを求め飛びつくルイ。 


「お父様っ!!」


だがルイの目に飛び込んで来たのは、
白目を剥いて蒼い顔をした父の姿であった。 


「キャァァァァァッ!!」


ルイの悲鳴が再度、研究室に響き渡る。
 

博士のゾンビはルイを襲う。
嫌がるルイを抑えつけ、
無理矢理、ルイの服を引き千切る。 


ルイの美しき裸体が露にされる


「やめてっ!!やめてっ!!」 


訳もわからないまま
泣き叫びながら抵抗を試みるルイ。
屍人なった博士はそんなルイを弄び、
容赦なく犯そうとする。 


「あんまりおいたはダメですってばよ」


深い闇の中から声が聞こえる。 
タケシは襲われるルイには目もくれず、
声がした方に向かう。 
その闇の中に潜んでいた者こそ
魔神・蜘蛛スパイダーの本体であった。


数本の腕を持つ人型の魔神・蜘蛛は
闇の中にその目を光らせる。 
魔神・蜘蛛は巨大蜘蛛、蜘蛛の糸を使い屍人を操る、
人形マリオネット使いでもあった。 


魔神・蜘蛛の体を掴み、闇の中から引きずり出すタケシ。 
タケシに投げ飛ばされた魔神・蜘蛛は
偶然にもルイを犯そうとしていた屍人の博士に衝突した。













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