非人道的地球防衛軍とゾンビ兵

ウロノロムロ

天女はヘリから舞い降りる

天野からの報告を受け、
進士司令官は民間人避難の対応を
財前女史に指示する。


財前女史は避難誘導の役割を
『チーム色道』に振った。


「まさか、
後方支援扱いのあたい達までが
前線に駆り出されるとはね」


「戦局はそんなに悪いのかね」


指示を受けた『チーム色道』の女衆は
戦局を案じる。


そんな女衆の前に
世話役の彩姐さんが姿を見せ、
檄を飛ばす。


「いいかい、あんた達。
今回の任務は逃げ遅れた民間人の避難誘導、
救出だからね。」


「くれぐれも勝手に
機関銃ぶっ放すんじゃないよ。」


「ここから先は
ナノマテリアルの偽装ユニットで
顔を偽装するんだよ。」


「あたし達諜報部員が
顔バレ身元バレした日にゃ、
おまんまの食い上げだからね。」


「以上」


彩姐さんの話を聞いていたのか
よくわからないぐらい、
女衆は全く違うとこに見惚れていた。


「やばいっすよ、
姐さんの戦闘スーツ、
ピチピチでボディライン丸見えじゃないっすか」


「女のあたしでも鼻血でますわ!」


「裸よりエロいっしょ、これ!」


彩姐さんの魅了は女にも有効なようだ。


「仕方ないだろ、
どんな時でも女アピールすんのが
あたし達の任務だよ。
あたしゃ任務に真面目なだけさね。」


-


『チーム色道』のメンバーは、
そのまま用意された
巨大輸送ヘリで空送される。


「しかし、
いつ撃ち落とされるかわからない上空を
ヘリで飛ぶなんてぞっとしないねぇ。」


「近くに着陸場所確保出来る場所があったのは
助かるけどね。」


「坊や、
随分困っているみたいだから
助けにきてあげたよ。
恩に着ておくれよ」


救助用の巨大輸送ヘリから天野に通信が入る。


「ありがたい!助かります」


巨大輸送ヘリは十数機用意されており、
撃ち落とされる心配がない後方に着陸し、
そこまで辿り着いた避難民を乗せ、
時間ぎりぎりまで往復で
ピストン輸送を繰り返す、
それが彩姐さんから伝えられた
救助活動の内容であった。


「やっぱ女はピストンですよねー」


「どっちかというとピストされるほうな」


「下世話なことばっかり
言ってんじゃないよ、あんた達は」


「あたし達も避難民の誘導、
救援活動を手伝うんだよ」


「やっほー!
これで撃ち放題ですねー!」


「だから、
勝手に撃ちまくるなって言ってるんだよ」


「いいかい輸送ヘリは年寄り、
女子供が最優先だよ。」


「文句言う野郎共にはヤキ入れてやんな。」


彩姐さんは各員に役割分担を指示する。


輸送ヘリが着陸すると
『チーム色道』の女衆は飛び降りて、
走って散った。


-


彩姐さん率いる女衆は、
避難民救助を行う天野達に合流する。


「あたしが来てあげたんだから、
ちゃんとやっておくれよ、坊や」


「悪いな姐さん、
ちょっと今姐さんと
楽しくおしゃべりしてる余裕が
まったくねーっすわ」


「やだねぇ、
いつもはあたしにデレデレしてるくせに、
こんな時だけ男らしい顔しちゃってさ」


「なんだよあいつ、
普段姐さんに可愛がってもらってる癖にさ」


「こういう時は
姐さんのエロいボディスーツ姿見て
鼻血のひとつも出してみるってのが
礼儀ってもんじゃねーか」


天野への不満を漏らす者がいる一方で、
彩姐さんと天野の親密そうな雰囲気に
気が付いた女衆もいた。


「姐さん、
もしかしてあいつとやっちまったんですか?」


「えーっ!マジっすか?」


「どうでした? よかったっすか?」


「こんな時に、
馬鹿なことばっか言ってんじゃないよ、
あんた達は」


「可愛い坊やだからね、
ちょっと母性本能がくすぐられちまうだけさ。」


彩は口元に笑みを浮かべる。













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