【胸糞注意】なテロリスト勇者、異世界を蹂躙す

ウロノロムロ

不死身のドラゴン

ダークナイトに成りすました勇者、
空に浮く彼を目指し、
高速で向かって来る巨大ドラゴン。


この世界で
不死身のドラゴンと呼ばれる
伝説級のドラゴンのおさ


巨大ドラゴンの怒りの前には
勇者のドラゴンマスター能力も
全く効果がない。


全力で逃げる勇者だが、
スピードも段違いに向こうが上で、
そもそも体のサイズが違い過ぎる。




敵城前の空中で勇者が止まると、
巨大ドラゴンがそこへブレスを吐く。


それを瞬間移動でかわす勇者。


ブレスは城に直撃し、
これを大破する。


空を飛ぶ能力と一緒に
瞬間移動の能力も
勇者は使えるようになっていた。




再び逃げる勇者を追う
不死身の巨大ドラゴン。


勇者は城壁に突っ込んで行き、
激突する直前で瞬間移動、
追う巨大ドラゴンはそのまま
壁に激突し、城は崩れ落ちる。


-


拠点を一つ潰したので、
次の拠点へと巨大ドラゴンを
誘導しようとする勇者だが、
飛行速度があまりに違い過ぎるので、
そこは追いつかれないための
工夫が必要だった。


時を数秒止め、
巨大ドラゴンが動けない時間の中で
勇者は瞬間移動を何回も繰り返す。


それをひたすら連続して行うことで
自分と巨大ドラゴンとの距離を
保ち続けた。


しかも巨大ドラゴンが
自分を見失わない程度には
近くないといけないという
絶妙な距離でなくてはならない。
ドラゴンの視力がいくつなのかは
勇者も知らないのだが。


時間ではなく
相手の動きだけを止める
フリーズ能力も今回はじめて使う。


こうした複数能力の同時使用、
合わせ技というのも
はじめてのことであった。




そうやって勇者は
敵拠点を巻き込みながら
巨大ドラゴンと
追いかけっこを続ける。


ここまで小型ドラゴンを使役して
楽をして来た分、
ここで一気に
しんどい思いをする羽目になった
といったあたりか。


-


勇者の誘導はあったものの、
結局、不死身のドラゴン一体だけで
幾つもの敵拠点を叩いた。


『こいつ一体で、
拠点全部潰してくんねえかな』


巨大ドラゴンに
拠点を潰され続けている魔王軍は
やっとそれなりの
大軍勢を派遣して来て、
最後はいつの間にか
巨大ドラゴンと魔王軍との
戦いに変わっていた。


そこまで来れば、
後は魔王軍のダークナイトのフリをして
適当に伝説のドラゴンを
挑発しているだけでよかった。


-


これが今回の勇者の狙い。


こうして連日連夜、
ドラゴンの襲撃を受ければ、
魔王軍としても
何かしらの対策を
立てざるを得なくなるだろう。


ドラゴン討伐か
種族間戦争かはわからないが、
出来ればしばらくは
殺し合ってもらいところ。


魔王軍の戦力も
削ぐことが出来る。




おそらくあの魔王の
慎重な性格からして
二面作戦はやって来ない。


勇者は直感的に
そう感じている。


その間、内部工作を行う
時間稼ぎも出来るというもの。




魔王軍でも
人間側でもない種族には
せめて魔王軍と
抗戦してもらうのが望ましい。


そうして混乱が生まれれば、
魔王軍に付け入る隙も生まれる。




今の所、魔王軍に与していない
他の種族と共闘する気は
勇者には無い。


その気があったら勝手に
環境汚染などははじめない。


あくまで勇者にあるのは
利用する気だけだ。






こうして
魔王軍はしばらくの間、
勇者の思惑通りに、
ドラゴンと抗争を繰り広げることに
なったのだった。











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