【胸糞注意】なテロリスト勇者、異世界を蹂躙す

ウロノロムロ

鎧を脱がせて濡れ衣を着せる

ダークナイトに成りすまし
空を飛ぶ勇者。


その後ろから数十匹のドラゴンが
後をついて来る。


もうそれは地元である
この世界の人々や
他の生物が見ても
びっくりするレベル。


上空を飛ぶドラゴンの
大編隊をみなが見上げている。




ダークナイトの
鎧を着ている勇者だが、
鎧が重過ぎて速く飛べない。


ドラゴンもまだまだ全然
速く飛ぶことが出来るのだろうが、
勇者に合わせて
流してついて来ている感じが、
ひしひしと伝わる。


『この鎧重いんだよな、
前もそれで着るの止めたし』


『鎧を軽くする能力でもつくるか?』


また能力を無駄につくろうとする勇者。


『いや、これ、
別に俺飛ばなくてもよくね?』


勇者はそれに気づくと、
一番大きいドラゴンの
その背中に飛び乗り
全力で飛べと命じる。


本気のドラゴンは、めっちゃ早くて
振り落とされそうになるが、
必死でしがみつく。




いずれにせよ、それはどう見ても
ドラゴンの背中に乗ったダークナイト、
ドラゴンライダーのような姿にも見える。


それを今回多くの者に目撃されたが、
それもまたよし。


今回は前回とは異なり
勇者の犯行であることはバレたらまずい、
あくまでダークナイトが
やったことでなくてはならない。


死者に濡れ衣を着せるとは
どれだけ卑怯なのか。


さっき自分で
鎧を脱がせたばかりなのに
もう濡れ衣を着せると言うのも
おかしな話ではあるが。


『まぁ、
どうせ奴はもう死んでるしな、
死人に口なしとはよく言ったものだ』


-


ダークナイトに成りすました勇者が
ドラゴン達を引き連れて
目指す先と言うのは当然、
魔王軍の拠点に他ならない。


数十体のドラゴンが
一気に襲撃して来るという事態に
拠点の魔王軍は
只々慌てふためくばかり。


その巨大な体躯が次々と
城に体当たりをぶちかますと
今にも崩れ落ちそうである。


地上から矢を放ち、
魔法で応戦する敵兵であったが、
左程効果はなく、
ドラゴンのブレスに一蹴される。


『そういえば、俺の世界では
ドラゴンて不死身だって聞いたけど、
ホントに死なねえのかな、こいつら』


勇者は少し離れた空の上で
自らの安全を確保して
その戦いぶりを眺めているだけ。


この勇者、基本的に自分では戦わない、
レベルが低くて弱いから。


-


敵拠点を一つ
あっという間に潰した勇者、
というかドラゴン達。


「お疲れさーん」


「んじゃ、次行こうか?」


「ハシゴだ、ハシゴっ!
今日はパーッといちゃうぞっ!」


まるで酔っ払いサラリーマンのように
調子がいいことを言って
ドラゴン達を盛り上げて
その気にさせていたのだが、
勇者としてそれでいいのか
という気がしなくもない。


まぁ、いつものことではあるが。


ということで、
勇者とドラゴン達は
次の魔王軍の拠点を目指す。











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