【胸糞注意】な勇者請負人、そして神々、時々ドラゴン
ダークヒーローとおっさんドラゴン(1)
次の現場では、黒づくめで
とても勇者とは思えない
デザインの衣装を着た一行が、
既に現場入りして待っていた。
厨二ぽい感じが漂ってはいるのだが、
何処か垢抜けない田舎者の雰囲気、
それが逆に厨二らしいと言えば
そうなのだが。
「初めまして、正太郎と申します、
本日はどうぞよろしくお願いいたします」
パーティーメンバー達は
こんな調子で一人一人
礼儀正しく深々とお辞儀して挨拶して行く。
「前の現場が押してしもうて、
入りが遅くなってしまったわ、
ホンマ、ごめんやで、堪忍してや」
現場入りが遅れたことを詫びてから、
ドラゴンは質問してみる。
「なんや自分らエラく礼儀正しいな、
自分らも魔王倒しに行くんか?」
「いえ、
自分達のラスボスは神なんですよ」
一行のリーダーが
真面目そうに答える。
「神がラスボスなんか、
またエライ難儀やなぁ」
確かにラスボスが
魔王ばかりとは限らない。
「自分達ダークヒーローなんです」
「あ、イタタタ
自分らダークヒーローなんか
ワシ勇者専なんやけど、すまんなぁ」
ドラゴンは手で顔を覆い嘆いた。
「いえ、自分達
ドラゴンさんとかも大丈夫ですから」
リーダーはドラゴンに気を遣う。
「自分らダークなのにめちゃエエ人やなぁ」
ドラゴンはリーダーの好青年ぶりに感心する。
「親切に言うてもらったとこ
苦言を呈するようで悪いんやけどな。
あんたらエエ人やから
敢えて言わせてもらうわ」
「キャラはぶれたらあかんで。
世界観も崩さんようにせんとな」
ダークヒーローの見た目とは裏腹に
彼らはとても真面目で好青年過ぎるのだ。
「ご助言誠にありとうございます!」
「大変勉強になります!」
「厚く御礼申し上げます!」
「これからもご指導ご鞭撻、
何卒よろしくお願い申し上げます」
彼等は口々に謝辞を述べた。
「それがあかんのや!」
-
せっかくなので、おっさんドラゴン
真面目なダークヒーロー達に
ちょっとアドバイスを
してあげることにする。
「自分ら、ちょっと
もう一度名前言ってもらえるか?
下の名前だけでいいから」
「正太郎です」
「善三です」
「良男です」
「照美です」
「あかんわ、
自分ら名前からして
ダーク感ゼロやわ、
むしろエエ人感しかせんわ」
「もういっそのこと、名前変えよか?」
「偽名ですか?
他人を欺くというのはちょっと……」
「それがあかんのや!
ダークヒーローが人騙さんで
どないすんねん!
そんなもん芸名や芸名」
「そやな、ほなリーダーは、
狂也でいこか?」
「君は、零司なんてどや?」
「うーん、君は宵闇、
お嬢ちゃんは、うーん、
月詠でええやろ、この際」
思い付かなくて、
後半若干適当になっているおっさん。
「本当にいい芸名を
ありがとうございます!
この名前大事にします!」
『この子ら
ホンマにわかってるんやろか?』
とても勇者とは思えない
デザインの衣装を着た一行が、
既に現場入りして待っていた。
厨二ぽい感じが漂ってはいるのだが、
何処か垢抜けない田舎者の雰囲気、
それが逆に厨二らしいと言えば
そうなのだが。
「初めまして、正太郎と申します、
本日はどうぞよろしくお願いいたします」
パーティーメンバー達は
こんな調子で一人一人
礼儀正しく深々とお辞儀して挨拶して行く。
「前の現場が押してしもうて、
入りが遅くなってしまったわ、
ホンマ、ごめんやで、堪忍してや」
現場入りが遅れたことを詫びてから、
ドラゴンは質問してみる。
「なんや自分らエラく礼儀正しいな、
自分らも魔王倒しに行くんか?」
「いえ、
自分達のラスボスは神なんですよ」
一行のリーダーが
真面目そうに答える。
「神がラスボスなんか、
またエライ難儀やなぁ」
確かにラスボスが
魔王ばかりとは限らない。
「自分達ダークヒーローなんです」
「あ、イタタタ
自分らダークヒーローなんか
ワシ勇者専なんやけど、すまんなぁ」
ドラゴンは手で顔を覆い嘆いた。
「いえ、自分達
ドラゴンさんとかも大丈夫ですから」
リーダーはドラゴンに気を遣う。
「自分らダークなのにめちゃエエ人やなぁ」
ドラゴンはリーダーの好青年ぶりに感心する。
「親切に言うてもらったとこ
苦言を呈するようで悪いんやけどな。
あんたらエエ人やから
敢えて言わせてもらうわ」
「キャラはぶれたらあかんで。
世界観も崩さんようにせんとな」
ダークヒーローの見た目とは裏腹に
彼らはとても真面目で好青年過ぎるのだ。
「ご助言誠にありとうございます!」
「大変勉強になります!」
「厚く御礼申し上げます!」
「これからもご指導ご鞭撻、
何卒よろしくお願い申し上げます」
彼等は口々に謝辞を述べた。
「それがあかんのや!」
-
せっかくなので、おっさんドラゴン
真面目なダークヒーロー達に
ちょっとアドバイスを
してあげることにする。
「自分ら、ちょっと
もう一度名前言ってもらえるか?
下の名前だけでいいから」
「正太郎です」
「善三です」
「良男です」
「照美です」
「あかんわ、
自分ら名前からして
ダーク感ゼロやわ、
むしろエエ人感しかせんわ」
「もういっそのこと、名前変えよか?」
「偽名ですか?
他人を欺くというのはちょっと……」
「それがあかんのや!
ダークヒーローが人騙さんで
どないすんねん!
そんなもん芸名や芸名」
「そやな、ほなリーダーは、
狂也でいこか?」
「君は、零司なんてどや?」
「うーん、君は宵闇、
お嬢ちゃんは、うーん、
月詠でええやろ、この際」
思い付かなくて、
後半若干適当になっているおっさん。
「本当にいい芸名を
ありがとうございます!
この名前大事にします!」
『この子ら
ホンマにわかってるんやろか?』
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