ゲームでソ連建国したら異世界転移しました~異世界で始めるグレート・ゲーム~
プロローグ①~スターリングラード攻防戦(王国サイド)
「竜騎士はまだか!?」
ジャスパー百人長は体を震わせた。まるでお守りのように腕に抱く『相棒』をみやる。
楽な仕事のはずだった。帝国を打倒したという謎の国家を討伐せよ。余裕だと思っていた。
無論、死に体とはいえあの巨大な帝国が倒れるのだから油断はできない。
帝国を打倒するのは祖国以外にないのだと信じていたからだ。つまり、敵は王国に匹敵するかもしれない。
とはいえ祖国の力を疑ってなどいない。
勝つのは自分たちだという自負があった。今頃共和国への電撃侵攻作戦も展開されているはずである。
――世界征服
その実現がすぐそばにある。彼は心地よい高揚感に浸っていたのだ。開戦する前までは。
「ぎゃああああああ」
「ボリス! くそっ!」
勅命を受けスターリングラードなる都市へと進発した50万人の軍隊。
『相棒』をもう一度みやる。その相棒は――『火縄銃』といった。
王国が開発したばかりの最新鋭の装備である。この火縄銃を使った三段打ちで同盟や連合を打ち破ってきたのだ。
必勝だと思われた。なのに――。
「なぜなんだ! なんで奴らは『銃』をもっているのだ!」
小癪にも敵も銃を装備していた。性能はこちらの方が上だと信じていた。信じないと心が折れそうだった。
いや、もう気付いている。性能はあちらの方が明らかに上だ。こちらが1発撃つ間に100発は撃ち返してくる。
間断のない銃声に士気は崩壊寸前である。
「竜騎士が来たぞおおお!」
そのとき歓声が上がる。王国軍を象徴する最強の部隊――ドラゴンライダーたちがやってきたのだ。
空を悠々と飛翔してく竜騎士の群れをみて、ジャスパーは胸をなでおろした。どうやら勝てそうだと。
そして、次の瞬間彼が見た光景は……。
奇妙な音を響かせた鉄の鳥の集団が竜騎士を撃墜していく姿だった。
「われわれは一体何と戦っているのか! あれこそ教国の言う地獄の軍勢だというのか!?」
叫んだ直後、轟音が響く。全身を殴られたような衝撃を受けると、ジャスパーの意識は暗転した。
ジャスパー百人長は体を震わせた。まるでお守りのように腕に抱く『相棒』をみやる。
楽な仕事のはずだった。帝国を打倒したという謎の国家を討伐せよ。余裕だと思っていた。
無論、死に体とはいえあの巨大な帝国が倒れるのだから油断はできない。
帝国を打倒するのは祖国以外にないのだと信じていたからだ。つまり、敵は王国に匹敵するかもしれない。
とはいえ祖国の力を疑ってなどいない。
勝つのは自分たちだという自負があった。今頃共和国への電撃侵攻作戦も展開されているはずである。
――世界征服
その実現がすぐそばにある。彼は心地よい高揚感に浸っていたのだ。開戦する前までは。
「ぎゃああああああ」
「ボリス! くそっ!」
勅命を受けスターリングラードなる都市へと進発した50万人の軍隊。
『相棒』をもう一度みやる。その相棒は――『火縄銃』といった。
王国が開発したばかりの最新鋭の装備である。この火縄銃を使った三段打ちで同盟や連合を打ち破ってきたのだ。
必勝だと思われた。なのに――。
「なぜなんだ! なんで奴らは『銃』をもっているのだ!」
小癪にも敵も銃を装備していた。性能はこちらの方が上だと信じていた。信じないと心が折れそうだった。
いや、もう気付いている。性能はあちらの方が明らかに上だ。こちらが1発撃つ間に100発は撃ち返してくる。
間断のない銃声に士気は崩壊寸前である。
「竜騎士が来たぞおおお!」
そのとき歓声が上がる。王国軍を象徴する最強の部隊――ドラゴンライダーたちがやってきたのだ。
空を悠々と飛翔してく竜騎士の群れをみて、ジャスパーは胸をなでおろした。どうやら勝てそうだと。
そして、次の瞬間彼が見た光景は……。
奇妙な音を響かせた鉄の鳥の集団が竜騎士を撃墜していく姿だった。
「われわれは一体何と戦っているのか! あれこそ教国の言う地獄の軍勢だというのか!?」
叫んだ直後、轟音が響く。全身を殴られたような衝撃を受けると、ジャスパーの意識は暗転した。
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