ボクっ娘転生~青年は転生し、ボクっ娘として異世界でスキルを極める~

黒井 鼠

第14話 妖精。







大きな爆発音がしたのは街の方だ。
しかし、父上と騎士達が魔物討伐に行ったディーブラント森林は街とは真反対だ。


「街には僕が行こう。
僕なら父さん達よりも早く街に行けるだろうからね。」


そう言うと、兄上は足早に食堂を出た。



「大丈夫かしら……
アレクはまだしも、レオは心配ね。」


「大丈夫よ、ママ。
レオは私より強いんだから。
街に魔物がいたってレオなら倒せるよ。」


「そうね。
あの子を信じましょう。」


……………………









「と、ところで……


              ノエルはどこいったのかしら?」












ふぅ………




何とか抜け出すことが出来た。
隠密神の加護はかなり実用的なようだ。
ボクは今、兄上と同じように街に向かうため廊下を走っている。

兄上だけじゃ心配だ。
ボクは兄上に実力は劣っているけど、この5年間みっちり修行したんだから、少しは戦力になるはずだ。
しかし、今のボクはなんの装備もない。
危険な場所に行くのだからちゃんと装備は必要だよね。




と、言うわけで武器庫に来た。

ローズフェルト家の武器庫にはさまざまな武器が存在する。
うちの家系は能力値が高い子どもが生まれやすいからだ。
しかし、その能力値はその子どもによって大きく変わる。
兄上と姉上が物理特化と魔法特化に別れてるみたいにね。
そのため、その子どもにあった武器を与えるために、様々な武器があるわけだ。

僕は短剣術のスキル持ちだから、出来るだけ探検のほうがいいかな……
辺りを見渡すと、短剣はあるが、見栄え重視の物が多い。
もっと奥を探してみるか………



ん?




なんだろう。この短剣。
普通の短剣みたいだけど、何となく他とは違うような……

んー、こういう時は『鑑定の魔眼』!




…………………



      た     だ     の     た     ん     け     ん


こ……剣には……妖精…で……デ…………が宿……いる。
その……、……関……る……ル、…法………力を……げ…る効………る。


…………………


え?
なにこの鑑定結果……
お、おかしい。
文字が正しく表示されてない?
そ、それに……妖…精?

なんだこれは……


ま、まあ、普通の短剣では無いことは確かだろう。
とりあえず、兄上の元に急ごう……


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