ボクっ娘転生~青年は転生し、ボクっ娘として異世界でスキルを極める~
第9話 友だち。
外で遊ばないと背が伸びないとのことで少し街に出ることにした。
「久しぶりの街だぁっ!」
ボクは洗礼の日からずっと街に出ていなかった。
理由としては、書斎にある本で歴史やスキルについて勉強していたら、時が過ぎていってしまったからである。
そして、ずっと引きこもっていたせいで、友だちがいない。
(まあ、遊ぶ人もいないし、テキトーに街をブラブラしますか。)
というわけで、街を歩くことにした。
━━━━30分後━━━━━━
「迷った……」
ボクは絶賛道に迷っている。
しかも、回りに人が多くて建物が全く見えない。
(誰か道を聞けそうな人はいないかな?)
そう思いながら見回していると、ボクと同じくらいの年の子どもが人混みと中に見えた。
「そこの君っ!」
「えっ!?私ですか?」
「そうっ!道を教えて欲しいんだけど……」
「道ですか………良いですけど何区までか教えてもらえますか?」
それならわかる。
ボクが住んでいるのは北区だ。
「ありがとう。北区への道を教えて欲しいんだけど……」
「北区なら……こっちですね。着いてきてください。」
━━━道中━━━━
「本当にありがとね。」
「いいえ。私もこの近くに住んでいますから。」
「へえ~。ところで、まだ名前知らないから教えてくれない?」
「はい。私はシオンと言います。」
「ボクはノエル。よろしくね。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「シオン、今日は何か用があって街に出たんじゃないの?」
「今日はおじいちゃんのお手伝いに行ってたんですよ。うちのおじいちゃんは東区で鍛冶屋をしているんです。」
「そうなんだあ~。今度いってみたいなぁ~。」
「それでは次に行くときに一緒に行きませんか?」
「いいの?それじゃあ行こっかな。」
そういいながら歩いているとボクの家が見えた。
「あっ。ボクの家見えたよ。」
ボクは我が家を指差して言った。
「えっ?あそこって領主様の家じゃ……」
「ん?そうだよ。言ってなかったっけ?」
「言ってませんよぅっ!どうしよう。領主様のご子息様に失礼な態度をとってしまったよぅ。」
シオンがあわてふためいている。
うん。可愛い。
「シオン。あのね、
ボクは息子ではなく、"娘"だからね?」
「えっ?でも、ずっとボクって言ってましたよね?」
「女の子の一人称がボクでも良いじゃん。」
「え、ええ。そうですけど……
あの……私ノエル様に失礼等ありませんでしたか?」
「ノエルで良いよ。貴族だからと言って敬称なんか付けられたらボクがシオンに避けられている見たいじゃん。
シオンはボクを避けたいの?」
「そんな事無いですよっ!」
「なら良いじゃん。仲良くしよ。」
「わ、分かりました。でも、これからはなんて呼べば良いんですか?」
「なんでも良いよ。シオンが好きなように呼んで。」
「はい。それでは……ノエル君、でどうでしょう?」
「な、なぜ君?」
「なんか男の子みたいでカッコいいですから。」
「まあいっか。それじゃあ改めてこれからもよろしくね、シオン。」
「はい。よろしくお願いしますね、ノエル君。」
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