ボクっ娘転生~青年は転生し、ボクっ娘として異世界でスキルを極める~

黒井 鼠

第5話 姉、襲来。



(何か忘れている気がする。)

僕は今日色々な事があったせいで大事なことを忘れている気がした。
そして、家の門の前まで来た。
門の前には見慣れない馬車が止まっている。

(馬車?父上や母上のものとは違うし、かといってローズフェルトの紋章も付いているから身内のなのだろうけど……)

考えながら歩いていると、玄関の前まで着いてしまった。

「ただいま帰りました。」

僕が帰りを知らせると居間の方からドタドタと大きな音が聞こえて来た。

(何だろうこの音?)

僕はこの音の正体を考える。

しかし、答えにたどり着く前に音の正体がやって来た。

「ノ~エル~ッ!お姉ちゃんが帰った来たわよ~っ!」

と言って僕に飛びかかってきた。

「ね、姉さんっ!いくらノエルが帰って来たからってはしゃぎすぎですよ!」

遅れて兄上がやって来た。

「姉さん?じゃあいきなり飛びかかってきたこの不審者が僕の姉上何ですか!?」

僕がそう聞くと、兄上の代わりに父上が答えた。

「ああ、確かに現状不審者にしか見れないような感じだが、そいつはノエルの姉だぞ。」

父上が言い終わった頃には姉上が離してくれていた。なので僕は立ち上がり、挨拶をする事にした。

「初めまして、姉上。僕は妹のノエルです。」

「知っているわ。私は貴方のお姉ちゃん、シャルロッテよ。ノエルに会える今日という日をとても楽しみにしていたわ!」

「兄上、姉上はこの調子で大丈夫何ですか?学校で浮いてたりしませんよね?」

「それは大丈夫だよ、ノエル。こんな姉さんでも学校ではちゃんとやっているんだよ。」

「そうよ。私はオンとオフをちゃんと切り替える事が出来るのよ。」

「そ、そうなんですか…」


「まあ、こんなとこで話しているのはなんだし、とりあえず居間に行かないか?」

と、父上が言う。

(父上が言うまで忘れてたけどここは玄関だった。)





夕食が運ばれてくる。

「ねえノエル、お姉ちゃんに何か聞きたいことはない!?」

姉上が目をキラキラさせてこちらを見てくる。断りづらい。

「あ、姉上の加護はどのような能力なのですか?父上に少し聞いたのですが、詳しくは分からなくて……」

「加護?私のはね、基本の属性魔法をスキルを持っていなくても全て使えるようになって、スキルを持っていたら、それを大幅に強化するって感じだね。」

「どのくらい強化されるんですか?」

「ん~。だいたい5倍位にはなるかな?」

「5倍!?しかも姉上炎魔法で、火魔法の上位互換ですよね?
それじゃあオーバーキルになりませんか?」

「大丈夫。特別な時以外は炎魔法を使わないから。」

「そうなんですか……
じゃあ、兄上はどんなスキル何ですか?」

「僕のも父さんから少し聞いていると思うけど、僕は4つ持ちクアドラプルで槍術と縮地、見切りに無魔法だよ。槍術はわかるだろうから説明は省くけど、縮地は視界内でかつ20メートル以内のどこにでも一瞬で移動することができて、見切りは説明が難しいけど『第六感』みたいな感じかな。無魔法は、身体強化とかだね。」   






長くなったので分けます。
続きは明後日出します。

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