本ノ森

真名 蓮

詞ノ葉ノ森

「むぅーうぁ」
結翔は、背伸びをしながら店を後にした。
2時間後に詞葉さんと駅前のスタバで待ち合わせることに。

「おまたせ! 待たせたかな?」
「いえ、その……今来たばかりです。はい、あ、なにか買いましょうか?」
「いや、いいよ。若い子に500円位のもの自分で買うよ」
そう言って微笑むと背を向けてレジへの向かっていった。 
  「すみません、バニラクリームフラペチーノのトール1つ」
 「バニラクリームフラペチーノのトールサイズお1つ税込みで529円です」

ストローでクリームを吸うと、幸せな顔をしていた。その顔に見とれてしまう。
「ん? 少年、どこ見てるかな?」
その言葉に反応して目線を外す。
 「うっ、どどこも見てないです!」
 「どこも?」
 「いえ……詞葉さんの顔を見てます」
「なんか着いてる?」
 「何もついてない、です」
 「そうか」
 話しが続かねぇ……そう思っていると詞葉さんが
「ねぇ、雲の魚どうだった?」
 「良かったです。今までとは違う、新鮮な感じでした」
 「だよね、切ないよりドキドキが凄かった」
 やっぱ、続かねぇ……
「ねぇ、結翔くん。あんなファンタジーみたいなことあると思う?」
「いや、ないですよ。だってあれ架空の出来事ですよ。あるなんて言ったら、厨二病かよって言われるだけですよ」
詞葉さんは僕の言葉にニヤニヤしながら「それがあるんだよ」と自慢げに行った。
「私にはあんな能力は無いけどね」
一瞬、あの光景が頭に浮かぶ。
「まぁ、ここで話すより実際に見せてあげよう!」
そう言って、詞葉さんに手首を掴まれ、引っばられた。
手を引かれたまま、スタバを後にした。

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