生きて世界を見て廻る

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1章 7節 ギルド酒場

教会から冒険者ギルドへ戻り受付の隣のアイテムショップまで足を進めた。
「結構いろんなのがあるんだな」
「とりあえずお金が必要なんでしょ?」
「おっそうだな」
ショップの店員の所まで向かう。
「あのー物を売りたいんですけど」
「はいどうぞー」
「ちょっと待てサナ、売れる物あんの?」
「大丈夫」
そう言ってサナは、ルートのポーチを漁り始めた。
「おいポーションは売らんぞ?」
「違うじっとしてて」
ポーチの中から出てきたのは何かの毛皮だった」
「これの鑑定お願いします」
「おいなんだこれ?てかいつ入れた」
「これは青熊の皮、焦げてたけどなかのほうは大丈夫だった」
「これは…ちょっと待ってくださいね」
そう言うと店員は、奥へと消えていった。
「焦げてるからだめなんじゃないか?」
「大丈夫だよ」
少しするとさっきの店員ともう1人出て来た。
「お待たせいたしました、こちらですが…青熊…ブルーフレイムベアーですな?」
「はいそうです」
「これは、君が?」
「いえ、この人です」
サナは、ルートを指指しながら言う。
「まあ一様ですけど…」
「なるほど、青熊は現在特別指定モンスターに指定されていましてね、討伐証拠があると特別に賞金が入るんですよ」
「つまり?」
「こちらが賞金の金貨5枚です、お受け取り下さい」
「おぉ!本当ですか!!」
報酬の金貨をみて驚く。
「普通は、クエストの受付関係に行くんですよ?でも今回は、これを売却と言うことなのでね」
「ま…まぁ流れではあるけどそうですね…」
「一体どんな魔法を使ったらこうなるんですか?」
「いやぁ…雷が降ってきましてね…それと同時に…」
少し焦りながら答える。
「よく生きておりましたな、まあひとまず売却という事で、こちらが鑑定結果の銀貨30枚です。」
「まあまあな値段なんですね」
「そうですね、青熊の皮はですね、炎に耐性があるんですね」
「なるほど、それで装備を作ると」
「中々の貴重品です」
「なるほど、ではありがとうございます」
「いえいえこちらこそ」
挨拶を済ませショップを後にした。
「もしかして金貨って結構価値があるの?」
「もしかしなくても価値あるよ」
ギルド内の椅子に座る。
「銅、銀、金、白金、ミスリルってあるけど上2つはまあ普通は、見ないかな…」
「なぜだ?」
「白金…つまりプラチナとミスリルがあまり数が無いから、それに」
「それに?」
「そんなん持ってるのバレたら間違えなく盗まれる」
「それだけ高級なのか」
「だから報酬も高くても金貨まで」
そんな話をしているとギルド内の酒場の店員であろう人が話をかけてきた。
「ご注文はありますか?」
「あっ…えっと…メニューあります?」
「どうぞこちらを!」
「ありがとうございます」
「本日のオススメは、豚肉の野菜炒めです」
「じゃあそれで」
「私も」
「かしこまりました!少々お待ち下さい!」
店員さんは、奥へ向かった。
「なあとりあえずお金は確保が出来たわけだが、宿はどうするか」
「店員さんに聞いてみれば?」
「それもそうだな」
「あんた見ない顔だな」
サナと話していると隣から別の声が聞こえた。
「ここら辺の人じゃないよな?」
「ああ俺は最近ここに来てな、さっき冒険者になったばかりだ」
「そうか俺はジェイク、お前さんと同じく冒険者だ、武器は槍だよろしくな」
ジェイクと言う男は、背中に槍を携え、年齢は自分とほとんど変わらないであろう、茶髪に瞳は赤く、服の上からでも分かる筋肉質な人だ。
「俺はルート武器は一様剣だ、でこっちが」
「私はサナ武器は弓」
「そうかそうか、お前さん達は2人でパーティーか?」
「ああそうだ」
ジェイクは、2人と同じテーブルに着く。
「俺は4人でパーティーを組んでるんだ、ランクはCランクだ」
「Cランクはどんなクエストがあるんだ?」
「お?成り立てでもうCランクのクエストが気になるのか」
「まあいつかは通るだろうからな」
「それもそうだな、まあ言うてもランナーの討伐とか護衛任務とかそんなもんだよ」
「難しそうだな」
「そうでも無いぜランナーは、速くて群れるが個々はそうでもねぇ」
「そのランナーには、いい思い出がなくてね」
「まあまあ冒険者ってそんなもんだろ」
「お待たせいたしました!」
ジェイクと話していると店員さんが品物を持ちながらやって来た。
「ありがとうございます」
「美味しそう」
「あ!店員さん良いところに、酒持ってきて」
「かしこまりました!」
フォークを手に取り、肉を口に入れる。
「おお!うまいな」
「おいしい」
「だろ?ここは安いしうまいから最高だぜ」
「あ!そう言えば宿探してるんだった」
「お?宿探してるのか?」
「ああまだ決まってないんだ」
「だったらいい場所があるぞ」
「どこにあるんだ?」
「月明かりの宿ってとこなんだが、噴水広場から正面に進んでいくと看板が見えてくるはずだ」
「へぇーどんなところなんだ?」
「別に良いところも悪いところも無いんだが、受付の女の子がめっちゃ可愛い」
「女目的かよ!!」
「悪いのかい!金髪で緑の瞳で!美しい声でいらっしゃいませ!って
言われた時なんて最高…」
「普通の受付じゃないか」
「でよ、クエストに行くときなんて無事で戻ってきて下さいね?って言ってくれるんだぜ?最高」
「あ…あぁそれは良かったなー」
「飢えてるんだね」
「まあそうかもな…だってうちのパーティーメンバーと来たら…女は2人いるが色気もないし…バカだし…」
「なんか言ったかしら?ジェイク」
話していたらいつの間にかジェイクの後ろから杖を構える女性がいた、その後ろに男性と女性が1人ずついた。
「あーソーラ?何も言ってないぞ?」
「そうかしら?何やら女性関係で盛り上がっていた様だけど?」
「いやーソーラは美しいなぁーって…」
「うちのパーティーは色気が無いとか言ってなかった?」
「聞こえてたよジェイク」
「バカみたい」
「ラコにギルまで…」
「ごめんなさいね、このバカの変な話に付き合わせちゃって」
「いや別にいいんだが…」
杖を構えていたソーラと言う女性だが、赤髪でその髪は肩より少し長めで、黒いローブを纏いいかにも魔法使いと言う感じの姿だった。
「ソーラ!何がバカな話だ!男の大事な話だ!」
「まて俺は普通に宿探してるの話をしていただけだが?」
「そっからどうなったら女性の話になるの?」
「本当…何も言えません…」
「あなた達は新人?」
ソーラがジェイクを叱っている間に、後ろにいた2人が話をかけてきた。
「あ…そうです、ルートっていいます」
「私はサナ」
「そうなんですね僕はギルバディ、皆からはギルって呼ばれてるよ」
「私はラコ、ジェイクの言うことは9割バカだから放っといていいよ」
「それでいいのか」
「いい」
ギルバディと名乗った男性、身長は高く黒髪に穏やかな表情をして腰に剣を持ち少々細目だ。
ラコと名乗った女性だがギルバディと反して身長がとても低い本人に言ったら怒りそうだが…ギルバディの半分位しかない、白と言うよりは、肌色と言った方が正しいだろうか、肌色の髪に色白の肌だ。
「とりあえず今回は、ジェイクを回収しに来ただけだからお話はまた今度ね」
「これからクエストに行くから」
「そうなんですね…それで酒を飲もうとしてたのか…」
「またあいつ頼んだのか」
「いつもの事でしょ?さっ行こ?」
「うんじゃあね」
「え…えぇ」
ジェイクをソーラが引っ張りながら受付まで向かっていく4人。
「訳が分からん…」
「気にしたら負けだね、まあまずその宿に行ってみよ」
「それもそうだな」
食事を終え、ギルドを後にする。

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