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もみあげチーズ

閉ざされる視界

 俺はリーダーと共にボス部屋の巨大な扉の前まで来ていた。俺はリーダーに聞いた。

「あんたの名前なんて言うんだ?」

「私の名前は、山野 達夫だ。君はなんという名前だ?」

「俺は...田島 空だ。」

「ソラくん...いや、それじゃなんか嫌だな...ソラで良いか?」

「あぁ。あなたは達夫(タツオ)さんで良いですね。それじゃ行きましょう。」

 達夫さんは剣士である。達夫さんは剣を巨大な扉にブッ刺し、そのまま剣に魔法を使った。剣には炎が宿っていた。俺は思った事が口に出た。

「まるで炎が生きているようだ...スライムみたいにニョロニョロ動いてやがる...」

 剣から炎が扉全体に一斉に広がった。扉は木製であったため、一瞬で焼き崩れた。俺は言った。

「達夫さんの魔法は凄い火力ですね。」

「当たり前だ!B級ハンターだぞ。これくらいの事出来なきゃ誰も救えやしねぇーよ。」

 俺と達夫さんは、開かれたボス部屋の中へ進んだ。部屋の中は薄暗くて風がなく、冷たい冷気を感じた。俺は言った。

「なんだ?誰もいないじゃないか...ボスはどこに?」

 ボス部屋には誰もいなかった...ように見えた。達夫さんは真上を見上げた。

「あのロウソクのシャンデリアの様子がおかしいぞ!!ロウソクの火が風もないのに揺れている!!消えかけているぞ!!」

 俺も天井にポツンと一つだけあるロウソクのシャンデリアを見た。その瞬間、ロウソクのシャンデリアの炎が消えた。達夫さんはボスがどこにいるかを考察し始めた。

「こうやって光をなくして俺達の視界を防ぐっていう事は、かなり戦闘慣れしてやがるボスって事だ!ここは冷静にいかないとやられるぞ。俺の背後についてくれ。」

 俺は達夫さんの背後に回った。達夫さんは考察を続けた。達夫さんは言った。

「暗過ぎて本当にボスの位置が分からん。いや、待てよ...ロウソクのシャンデリアが消えたのはなぜだ?風がないんだぞ。って事は...ボスがシャンデリアの近くで息をしていて、その息で消えたっていうのはありえるか?それが事実だったとしたら...息でロウソクの火を消せるくらい肺活量の多いモンスターって事は、かなり大きいモンスターだぞ!!今すぐ逃げるか?まだボス部屋の扉が閉まっていないぞ!早いうちに出ておこう......」

 そう言ってロウソクのシャンデリアを2人して見た瞬間、ボス部屋の扉は閉まり、ロウソクの火は消えた。俺は言った。

「ボス部屋が閉まったって事は、もう既にボスの事を見たっていう事ですよ!?ボスを見れば扉は閉まる...って事はロウソクのシャンデリアの近くにいたって事ですか?達夫さんは見えたんですか...!?」

 達夫さんの声が聞こえなくなった。視界は何一つとして変わらず真っ暗だ。俺は言った。

「ハメられたんだ...この部屋のボスに、わざと部屋が暗くなる瞬間までドアを閉めささなかったんだ!!姿を現せよ。ボスモンスター!!」

 俺はスキルを使った。

「昨日のダンジョンの報酬で、ハンター協会からランダムにスキルを1つ

習得されたけれど使わずに放置していたが、まさか今使ってみて暗視スキルだったとはな〜...運が良いぜ。」

 暗視スキルのおかげで部屋全体が見渡せるようになったが、俺の目の前にはとてつもないモノが落ちていた。それは、達夫さんの切断された右手だった...

 切断された断面からは、血が溢れ出していた。

 俺は恐怖をも感じず、ただ一つ感じたものは...怒りだった。俺はロウソクのシャンデリアを見上げた。シャンデリアの近くにいたのは...

「ミノタウルスだと!?なぜこのC級ダンジョンにいるんだ?しかもあのミノタウルス...通常の1.5倍くらいあるんじゃないか??まぁ、そんな事を気にしなくとも殺すだけだがな...」

 ミノタウルスは天井に右手だけでしがみついていた。かなりの力の差がある事が分かる。更に左手には巨大な斧を持っていた。

「一瞬の恐怖へ導いてやるよ...どれだけ大きさが違えど、恐怖は変わらねえー...体の大きさなんて変わらないんだ。全ては心の強さであり、勝利は精神力の塊だと俺は思ってるからよ...」

 俺は攻撃を仕掛けた。

「特殊スキル使うぜ...ミノタウルス!!準備はいいか??これが本当の...【恐怖】だ。」

 ミノタウルスは天井から右手を放し、地に足をつけた。ミノタウルスは恐怖に怯えているのか不明だが、ミノタウルスは左手に持っている巨大な斧で自分の左手太ももにブッ刺したのだ。

「恐怖を紛らわそうとしてるのか?知能のある牛だな...」

俺ってつくづく思うぜ。いきなり必殺技みたいなの出すんだぞ。本当にズルいな俺は...

 俺は恐怖を増させた。ミノタウルスは巨大な斧を引き抜き、俺の方へ向かって走り出した。

「殺しに来たのか?」

 ミノタウルスは俺の目の前で止まった。ミノタウルスは巨大な斧を俺に振り下ろした。

「本当に殺しに来たのだな...」

ミノタウルスの斧を俺は後ろにバク転して避けた。

「殺しに来たのではなく、お前は殺されに来たんだよぉぉぉー!!!」

 俺は恐怖を今出せる最大限まで発揮した。ミノタウルスは後ろに仰向けに倒れた。ミノタウルスは斧を手放した。俺は手放した斧を見た。

「血が付着してるな...これで手をいかれたのかよ達夫さんは...そういえば、達夫さんはどこに!?達夫さんはこの部屋にはいないぞ。おい!ミノタウルス!!お前食べたんじゃないだろうな??」

俺はミノタウルスの口元を見たが、血は付着していなかった。

「クソォ!!どこに...」

 天井から血が数滴、垂れ落ちてきた。俺は天井を見上げた。ふと目についたのはシャンデリアだった。シャンデリアの横に2メートル程の穴が空いていた。その穴の周囲には血が少し付着していた。それもかなり長く続いてそうな穴だった。

「何者かが達夫さんをさらいやがったな...クソォ!!俺は達夫さんに嘘を言っちまった!本当の名前は神崎(カンザキ)だというのによ...信頼しきれていなかったんだな。」

 俺はミノタウルスの頭に持っている剣を頭に刺した。ミノタウルスは一瞬にして死を迎えた。奥の扉が開いた。悪魔と呼ばれる程の宝があると聞いたのを思い出した。

「達夫さんを探す前に宝を持って行くか...せっかく倒したし、達夫さんにも分けないといけないしな。」

俺は奥の扉へ向かった。

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コメント

  • ノベルバユーザー357688

    早く次が読みたいです

    1
  • 吉本興業ホールディングス

    これやったら書籍化狙えるわ

    1
  • もみあげチーズ

    ありがとうございます!!

    0
  • ノベルバユーザー357682

    ストーリーに独創性があっていいと思う

    1
  • ノベルバユーザー357681

    面白い

    2
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