元王太子は気ままに暮らしたい

こうじ

そして、現在

「ん~、今日も良い天気だぁ。」
 雲ひとつ無い青空を見るのは気分が良い。
 3年前の夢を見てどんよりしていた気持ちも吹っ飛ぶ。
 僕『リゼル・アントレア』、今は『リゼル・セレンス』と名乗っているけど現在、元母国から遥か遠い『マセンダ帝国』の庶民街で生活している。
 帝国というからには元母国よりも当然でかい。
 人も大勢いるし僕みたいな訳あり人間も受け入れてくれる。
 3年前に追い出された僕は流浪の旅に出た。
 冒険者ギルドに登録して薬草積みや魔物退治をこなしてお金を貯めつつ旅を続けて2年前にこの国にやって来た。
 貯めたお金で家を買って、気ままな独り暮らしをしている。
 暮らし初めてわかったのは庶民の生活がかなり楽だった。
 城の暮らしは不便な事は無いけど窮屈だった。
 常に誰かがいて監視されている感じだった。
 しかし、庶民の生活は誰の目も気にならないし、自分の事は自分でやる事が凄く新鮮だった。
 貴族特有の面倒な人間関係も無いし、今となっては『追い出してくれてありがとう!』と感謝するぐらいだ。
 もう家族は僕の事は忘れているかもしれないけど僕も忘れたよ。
 母国がどうなろうと僕には関係無い話だからね。
 新聞で最近、財政が苦しくて帝国に援助を求めている、という記事を見て何となくそう思った。
 父親も母親も湯水の様にお金を使っちゃうタイプだから、僕が管理しないとあっという間に無くなっちゃうからね。
 さて、どうなっている事やら・・・・・・。
 

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