自由気ままな最強パーティ!

水無月空

六十二話 ルシファー&リコside

「まったく!敵を残してぇ。」
 目下、全力で掃討中。
 M82の装弾数は10+1である。
 バゴンッという音の直後、ショートリコイル式で
 後方にはじき出されるように出た空薬莢。
 そして自動装てん。
 敵に向かう弾丸は12.7㎜。
 銃口初速853m/sで約2秒で敵のもとに。
 命中した!
 命中するのはすごく嬉しいんだけど、
 威力がありすぎてグロくてエグいのがねぇ。
 まぁ、そんなこと気にしてられない。
「ルシファー、なんか後ろから音しない?」
「えぇ、するわね。結構な量の敵っぽいわ。」
 腰にかけてあるUZI。
 連射速度が早く、見た目も私好み。
 装弾数50発。
 たぱぱぱぱぱぱぱぱっという
 小太鼓を高速連打したような音が響く。
 アダマンタイト製の鎧を着ている敵はともかく
 革防具の敵ならば弾丸が背中まで貫通する。
 心臓を貫けば雑魚ならば出血で失血死、
 私の命中率は約80%。SMGは苦手なのだ。
 敵が近くにいるとどうしても焦ってしまう。
 だが、ここで当てなければ私は殺される。
 ルシファーも数百体に囲まれては私まで気に掛ける
 暇も手もないだろう。


 ルシファーside
『ポクリフェン』
 転移し、
『『インフェルノ』』
 背後から爆炎の噴火を喰らわせる。
 あぁ、なんでこっちは雑魚ばっかのよ!
 あっちみたいな熱い戦いをしたいのに。
 血沸き肉躍る戦いを身体が、心が望んでるの!
『リ・ポクリフェン』
『ライトニング・ランス』
 転移直後に雷の槍でリコの近くの敵を一掃。
 そして、3秒後に元の場所に転移する。


 リコside
「えっ、ルシファーさん怒ってる?」
 まさかね、怒ったとこ見たことないもの。
 いつも眠そうでダルそうにしてるのに
 たまぁに優しいルシファーさんよ?
 近所のイケメン貴族からおっさんまで受けのいい
 ルシファーさんよ?怒ってるわけないはずよねっ!
【死ねよ、このクソ雑魚どもぉぉぉ】
 うん、怒ってる。改変詠唱の暴言が半端ない。
 しかも、overkillがひどすぎる。
 どの敵も蒸発してるもん、ちょっと可哀想。
 これなら狙撃に集中しても大丈夫な気がするわ。
【こんの○○共がっ!○○にして○○○にすんぞぉ】
 ちょっと、暴言にピーッって音が脳内で付いてしまうよ?
 やば過ぎて、ホントにヤバすぎて集中しにくいよぉ。
 あぁっ!ミークさんのとこ半端ないことになってる!
 伏せて佑さん特製の×8サーマルスコープを覗く
 敵の体温を感知し温度によって色が付く。
 分かりやすくていいわ。
 深呼吸し、ゆっくり吐く。吐ききった時に止める。
 バゴンッという音で吐き出された弾丸は
 ホップアップし、少しの放射線を描き敵の側頭部に命中。
 次々に狙いを定め敵を撃ち抜く。
『ライトニング・スピア』
 ルシファーさんの魔法だ。
 ライトニングとスピアの間に切れ目を入れるという謎理論でで
 飛距離を伸ばすという荒業で援護射撃をしてくれているらしい。
 ・・・・・・・え?後ろをパッと見ると、敵はもういなかった。
「は・・・?え?もう全滅?」
「そうよ、弱すぎてまだ殺りたりないわぁ。」
 ちょっと耳がおかしいようね。
 狙撃に集中しましょう。
 あっ、佑さんが危ないっ。
 狙撃、狙撃、狙撃っ・・・・・・。
 リロードしなきゃっ。
 ガチャン、キャコッキャコッ、カチャ。
 弾倉は取り敢えず、私の右端に置いておこう。
 もう一度佑さんの元へ狙いを定めると、すでに敵はいなかった。
「は・・・?んんんん?」
「ほらっ、次の敵が魔王城入り口から来てるわよ。」
 狙撃。
「あっ!?」
 UZIをルシファーさんに向ける。
 正しくはルシファーさんの後ろ、影のアサシンに向ける。
 全弾掃射。ほぼほぼすべてを当てる。
 ルシファーさんにだけは当てないように。
「あ、ありがとう。」
「仲間ですから!あったりまえですよ!」
 さすがのルシファーさんも魔力を消耗してたらしい。
「ゆっくりちょこちょこ殺っていきましょ。」
 数個の魔力ポーションを手渡し、狙いを定める。

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く