自由気ままな最強パーティ!

水無月空

六十一話 ルナ&嶽side

 作戦通り左に進む。
 俺は取り敢えず目の前にわんさかいる敵を
 ひたすらに斬りまくる。
 さすが、天叢雲剣だ。
 切れ味抜群、軽くて長さも丁度いい。
 走る、斬る、走る、斬る。
 剣の間合いから外れたら、
 サイレントアサシンで狙い撃つ。
 7.62㎜弾が10発装填されているので
 10体ならすぐに倒せる。
 しかし、ボルトアクションの銃なので
 多少リロードに時間がかかるので
 不便なところもあるが俺は気に入っている。
 暗殺にはもってこいな銃である。
 かっこいいし、音はしないしで強い。
 ぶしゅっという空気を圧縮したときのような音。
 ハズレの道を引いたかもな。
 手応えのある敵が少ない。
 視認できる範囲にもゼロ。数もそこそこ。
 どうせならもっと強いのをたくさん倒したかった。
 あっ・・・・・・・・!


 私はミークさんに言われた通り左に進む。
 敵はほとんどが倒されている。
 斬り殺されているので、嶽さんだろう。
 なんか、前方に3体の強そうな敵と嶽さん。
 あれっ、あの敵・・・幹部だ!
 アクシャ・クムバ・ニクムバだ。
 個別には特殊能力もなにもないが、
 3体でのチームワークがすごいらしい。
 だが、私と嶽さんも負けてはいないハズ。
 Lv的にも十分余裕があるし、武装も強い。
 負ける要素が見当たらない!
「嶽さん!手伝いに来ました!」
『デコイ』
『アンチ・ノックバック』
『ショック・レジスト』
 3つの能力を同時発動。
 私には、大抵の攻撃は効かない。
 アイギスは攻撃によるダメージを防ぎ、
 継続的に治癒をする。
 聖剣エクスキャリバーはどんなものでも
 サクサクと斬る。
 さすがというべきか、幹部の3人は斬れない。
 というか、魔力障壁が分厚い。
 こいつを倒すのは骨が折れそうだ。
「嶽さん!3体とも影で縛ってください!」
「応っ!」
 腰に下げているUZIをとり、
 50発の弾丸を410m/sで放つ。
 600発/分で放たれる弾丸。
 普通なら即死であろう。だが、殺しきれない。
 弾丸がきれる。
「ぐぅ、もう捉えきれない!」
 仕方ない。だが、そこで止まる私ではない。
 走る、走る。曲線的な動きを織り交ぜ、
 キャリバーで斬りつける、弾かれる?!
『シャドウ・ブラスト』
 嶽さんの影の猛威。
 影に飲み込まれ、固まる。
 黒く塗り固められた幹部のうちアクシャを
 キャリバーの固有スキル、聖刻。
 聖なる刻印を刻み込む。
 スキル発動に必要な時間は20秒。
 刻み込んだ相手は確実に死ぬ。
 嶽さんの影の封印時間は約23秒。
 間に合う。さすが、聖剣だ。
 しっかりと、倒す。
「次!」
 封印が解かれた他2体が背後から襲う。
 しゃがむ。小さい体を活かし股下を潜り抜ける。
「嶽さん!チェンジ!」


 俺は後衛から前衛にチェンジ。 
 ニクムバを標的にし、
「クムバは任せるぞ!」
 背中を合わせ、互いの後方を守る。
 俺は、サイレントアサシンを手に取り
 7.62㎜弾を打つ。
 当たり前ながら、ボルトアクション式なので
 リロードの時は隙ができる。
 だが、俺には影という分身がある。
「影分○!」
 なんか、ネーミング的にヤバい気がする。
 影○身・・・よくわからないが心配だ。
 影がどろりと地面から分離し、
 俺のシルエットをそのままに攻める。 
 リロード終了、ボルトを引き撃つ。
 ヘッドショット、のけぞる敵を俺は天叢雲剣で斬る。
 ルナはキャリバーのおかげで危なげなくたたかっている。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ”!」
 天叢雲剣の固有スキル。
【龍殺し】一撃必殺。1日2回の必殺技だ。
 身体能力を強化し、斬撃を放つ。
 大きく振り上げ、振り下ろす。
 威力はこの通り。擬音語で表すと
 ズバババババァァァァァァァァ。
 さっくりとではなくザックリと斬る。
 有り余る斬撃の余波が後方のルナ、
 の敵を斬り、壁を斬る。
「えぇぇ?!なんですかそのチート!」
「1日2回しか使えないから出し惜しみしてたんだが、
 相手がこうも多いとな、い方がないんだ。」
「かもですね・・・行きましょうか。」
 少ししょんぼりとした様子のルナと
 魔王城の奥へと進む。

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