自由気ままな最強パーティ!

水無月空

五十八話 魔王城、突入!

 走っていくと、城門から幾千もの魔物が
 こちらに攻めてくれる。
 うわぁ、多いなぁ。
 キメラにグール、知性があるのか、
 ワイバーンに騎乗している魔物。
 中級から上級魔物がほとんどである。
 おっ、俺の方にセイレ―ンがくる。
 しかし、右拳でセイレーンの顎を砕く。
 すると、右左から挟むかのようにオーガ。
 オーガごときに後れをとる俺ではない。
 空中で右回転、蹴る。
 左足でオーガの顔面を蹴り飛ばす。
 その後、勢いを利用しもう一体の
 膝を蹴り、体勢を崩す。
 その後跳躍、縦回転し、踵落としを見舞う。
 踵で蹴りつけた際の返ってくる力を利用し、
 前方に高く跳ぶ。
 そして、着地と同時に前転。
 すると、着地場所をワーバーンの口から出た
 爆炎が通り過ぎる。
『リヒト』
 眩い光が前方数十体の動きを止める。
 背中のAK-47の横に縦向きに掛けてある魔剣グラムに手をかける。
 鞘から引き抜き、横薙ぎの一閃。
 まるでバターでも斬るかのようだ。
 相手の鉄の胸当てを斬り裂き、
 そのまま数十体全て一刀両断にする。
 そして、その後ろに待ち構えていた敵を右から袈裟懸け、
 返す刀で真上に斬りあげる。
 90度回転し、遠心力を利用し2体同時に斬る。
 跳躍、目の前の敵の首を刎ね、その敵の身体を蹴り
 もう少し前の敵までの距離を詰める。
 剣を突き出し、のどを突き刺す。
 そのまま斬りあげ、頭を断つ。
 これだけ斬り倒せば道は開く。
 その隙をついて前傾姿勢になりダッシュ。
 横移動を織り交ぜ、敵を避けながら進む。
 敵を残してはいるが後方支援組がなんとかするだろう。
 それを信じ、突き進む。


 城門を突破。案外、関門というほどはなく
 あっさりと通過してしまう。
「おっ、嶽も愛音も辿り着いたか。」
「あぁ、だがミークとルナには外の奴らを
 殲滅してもらう、勝手に作戦を変えて悪かった。」
「いや、いいよ。そっちの方が効率がいいからな!」
 外の撃ち漏らしはしっかり潰してもらった方がいい。
「じゃぁ、人数は減ったが作戦通りにな!」
 愛音はミークの代わりに右へ向かう。
「いけっ!」


 まっすぐ進んでいくと一体の亜人。
 幹部らしい。堂々としており、倒されると
 一ミリも思っていないと一目でわかる立ち居振る舞い。
 そして、鋭い眼光。ただ、相手が悪かったな。
 俺が負けるはずがない。
 最短距離を進み、膂力に物をいわせ
 目の前の敵だけを見据え走る。 


 あれは、魔王軍幹部カラ。
 Lv160、特殊能力なし、攻撃力型の魔物類。
 素手で殴る、引っ掻くなど人類に近い攻撃手段を持つ。
 100mほどの距離を一気に詰める。
 ズドンッと重い一撃を見舞ってやるが、
 相手は微塵も怯んだ様子はなく、殴り返してくる。
 鋭い爪で引っ掻かれ、皮膚が裂ける。
 意外にも強い。
 AK-47を手に取り、ぶっ放す。
 ダパパパパパッとフルオートで前弾掃射。
 30発の凶悪な7.62㎜弾丸が命中していく。
 貫通するが致命的なダメージにはならないようだ。
 しかし、怯ますことができただけで十分。
 4秒ほどの溜めが出来れば勝てる。
「うぉらっ!」
 顎をしっかりと捉え、首の骨を折る。
 どんな生物も首の骨を折り脳からの
 電気信号を途絶えさせれば死ぬ。
 勢いはそのままに走り去る。


 目の前から数十体のオーク。
 きついなぁ。
 ズバンッ。後方から飛来物。
 12.7㎜の弾丸のようだ。
 オークは脳幹をぶち抜かれ即死。
 今のはリコの狙撃だな。
 その後3つの雷の槍がオークを穿つ。
 そして、12.7㎜弾がヘッドショット。
 あっという間に数十体を屠る狙撃組。
 俺はそのまま走る続ける。
 しかし、まだ幹部はたくさん残っている。
 まだ先は長いのだ。魔王、待っていやがれ!

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