自由気ままな最強パーティ!

水無月空

二十六話 リコ・イグナイト (3)

「で、どうするの?」
「あぁ、俺はあいつがなにもしていないと
 いう証拠を見つけたから裁判にすれば勝てる。」
「問題は裁判で不正か買収をされないか?、ね。」
 そうなのだ。相手は大手貴族。
 俺も金銭的なものなら俺自身貴族に
 勝とも劣らない。だが、貴族には特権がある。
 政治に裏で介入することもできる。
「私、父に龍園殿に渡せってゆわれてたものを
 渡し忘れてました。」
「ん?なにかあるのか?」
「えぇと、王族の証である耳飾りです。」
「は?いつもらったんだよ。」
「炎龍のときです。」
 そんな時かよ。忘れてた日数半端ないな。
「ありがとうルナ。」
「い、いえ。私のじゃないので・・・。」
 頬を染めてどうした。
 これならいける。余裕で勝てるぞ。


 数日後
「静粛に、これよりリコ・イグナイトの裁判を
 始める。」
 無事、裁判にすることはできた。
「まず、被告リコ・イグナイトは国家反逆の罪で
 貴族スコット殿に奴隷となることが決定している。」
「・・・・・・。」
 こちら側はまだ無言を通す。
「弁護人は発言してください。」
「はい。まずリコさんに罪はないことを証明するものを
 持ってきました。まず、これ。
 この写真は、1か月前に撮影された写真です。
 これは、リコさんが友人と温泉旅行に行った際に撮影された
 ものです。撮影された日時は丁度国家反逆の罪を犯したとされる
 日と同じで時刻も夜の8時。この時間帯ではリコさんは犯罪を
 犯したとされる場所まで移動することができません。」
「検察、反論をどうぞ。」
 あちゃぁ、ばっちり買収されてるな。
 まだ俺の話は終わってないのに。
「はい、我々は被告がテレポートをつかったことの
 可能性があることを排除しきれていないことを疑問視
 致します。」
「弁護人、どうぞ。」
 裁判官ヤル気なさすぎるわ。
「はい、テレポートを使用してないことは
 私の仲間であるミークが証明してみましょう。
 ミーク、魔法を。」
「ザ・ヒストリー。」
 ザ・ヒストリーとは対象の使用した魔法を見ることができる。
「皆様、ご存知の通り魔法は嘘をつきません。
 なのでこれを証拠とします。」
「検察官。どうぞ。」
「いえ、魔法を改ざんするそんな魔法があるかもしれません。」
「では、もう一つ。冒険者カードを拝借して。
 彼女の魔力量をみて頂きたい。彼女はテレポートをつかえる程
 多くの魔力を持ち合わせてはいない。高純度の魔力石を使っても
 1回が限界でしょう。」
「検察官。」


 このような質疑応答を繰り返して2時間。
 ついに、貴族の買収の力が働いた。
「この裁判はリコ・イグナイトは有罪である。」
「横暴だな、そんなことしてもいいんですか?」
 俺は、これをまっていたのだ。
 どう考えても俺らの勝訴なのに買収で敗訴
 にされてしまう。
「なにか文句があるのか?」
「これを。」
「こ、これは王族の・・・!?」
「そうだ。これで不正もできねぇな。」
 ニヤリと笑ってやると裁判官に検察官共々
 驚愕の表情である。
「で、どうする?」
「リコ・イグナイトはむ、無罪で。」
 消え入るようなか細い声で告げる
 勝利の証明。これで、この件は一件落着っと。
「帰るか。」
「ま、待ってください!私を、連れっていってください。」
 あぁ、面倒になってしまった。
 家、買い替えるかな・・・。

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