自由気ままな最強パーティ!

水無月空

二十一話 ちょろかった緊急クエスト

「緊急クエストです!なんと10年目にして
 やっと発見できた希少モンスター、不動明王です!」
 不動明王かぁ。あんまやりたくないなぁ。
「このモンスターを討伐すると倶利伽羅剣がドロップします!」
 まじか、その剣かっけぇ。まぁ、やってみるか。
「俱利伽羅剣は討伐した方のみが使用できるとの
 情報が入っています。不動明王のLvは102です。」
 イケるじゃん!俺らのパーティの平均Lvは120。
 ルシファーはいくつなんだろうか?
「今日は私のすごいとこ見せてあげるわ。」
「おぅ、期待しとくよ。」
「というわけで、2人でこのクエスト行きましょ。」
「えっ!?」
「嫌なのぉ?」
「いや、わかったよ。行こうか。」
 あいつらには黙っておこう。めんどくさそうだ。
 ルシファー自身は空間転移やその接続、被害が
 広がらないように疑似空間を作ってもらえる。
 思う存分に力を出せる。俱利伽羅剣欲しいな。
「あ、不動明王の剣は炎の剣よ。」
「かっけぇぇ!よし、行こう超行こう!」
「ちょろすぎるわね・・・。」


 発見不動明王。
 身長はそこまで大きくない。巨人くらいかと思ってた。
 2mくらいの身体に刃渡り60㎝くらいの剣。
 割と簡単かも知れない。 
「あら、弱そうね。弱いものいじめは嫌いよぉ。」
「嘘つけ!?めっちゃ好きだろ。」
 こいつ、平然と嘘つきやがった。怖すぎ。
「わ、こっち来た。」
「さっさと殺っちゃいましょ。」
 スピードはまぁそこそこって感じだ。
『アインス』
 ルシファーが魔法を発動した。
 天使系統の言葉だろうか。何すんだよ。
 ルシファーの右手から電撃系とみられる
 球体を放出。不動明王には効かないようだ。
『ツヴァイ』
 次は、爆裂魔法だと・・・?! 
 ちょっと、不動明王がかわいそうじゃん。
 大丈夫なのかよ。
『ドライ』
 でた、疑似空間。でも、どうすんだ?
『フィーエル』
 力魔法で吹き飛ばし、そこに不動明王の
 身体の半分だけ突っ込み、その空間を閉じる。
 だが、閉じきれずに挟まって身動きが取れない
 ようだ。
『フュンフ』
 黒い瘴気だ。まって、このハメ技いつまで続くの?
 瘴気は不動明王は瘴気にあてられると苦しみ、
 全身の薄い斬れ後が何倍にも広がる。


 それから、30分くらいがたったころ・・・。
 目の前では虐殺が起こっていた。
「これで最後よ。」
『ツヴァンツィヒ』
「ちょっと待て!俺が倒すから、待って。」
「もぉ、ちょっと邪魔しないでよ。」
「ダメだって、俱利伽羅剣は倒した人の物になるの。」
「仕方ないわね。」
 もう、この不動明王は死にそうだ。
 左拳に圧縮強化し、全力でぶん殴る。
 魔素になり、俱利伽羅剣だけが残る。
 すごいあっさりとした倒され方だったな。
 持ってみても俱利伽羅剣は全然反応しない。
「あぁ、その剣はある言語で命令しないといけないのよ。」
「それ、知ってんだろう。」
「まぁね。だって元天使だもの。」
「じゃぁ、教えてくれよ。」
 イヤイヤと首を横に振る。めんどくせぇよ。


 結局教えてくれなかった。
 あいつはそのうち教えてやる~なんて言って
 誤魔化して、空間転移で逃げてまだ帰ってきていない。
 夕食なのに、全然帰ってくる気配すらない。
「誰か聞いてないか?ルシファーのこと。」
「あ、私聞いたわよ!」
「お、ミーク。なんて言ってたか?」
「明日の夜には帰るって。」
「俺は、友人の家に泊まると聞いたぞ?」
 まじか。それって・・・。
「俱利伽羅剣をまだ使えないって事じゃんか!」

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