自由気ままな最強パーティ!

水無月空

五話 ベリアルと異能覚醒

俺は、今とても困っている。現在の俺らパーティの残金はなんと1000シックル。
 ルナと嶽がたまたま偶然、昨日のパーティの時余ったらしい。
 これでどういきていけと?四人分の飯代すらないぞ?今日は何としてでも金を手に入れたい。
 早速クエストを受ける。今度は、見晴らしのいい丘に住み着くコボルト15体だ。
 しかも、調査団の調査によれば周囲300m内にモンスターは確認されていない。
 今度こそ、今度こそはクリアせねば飢え死んでしまう!
「おい。わかってんだろうな!お前ら!」
「ご飯のため。ご飯のため。ご飯のため。」
 ついに、ミークが狂った。
「そうだな。さっさと雑魚を一掃しようか。」
 なんか、嶽が怖い。前も怖い瞬間があったな。だが、やる気があっていい!
「ふぇぇ。モンスターですか?!怖いでちゅよ!」
 ルナは怖いようだ。しかも、おもいっきしかんだぞ。大丈夫かよ。
 今は、丘の近くで消臭ポーションに力と魔力の底上げポーションを飲んで準備万端だ!
 周囲に敵影なし!よしやるか。
「さっさと、ぶっ飛ばすぞ!ルナ、デコイ!」
「はいっ!デコイ!!」
 コボルトが一気にルナに襲い掛かる。そこに手筈通り嶽が、影で動きを封じる。
 そして、俺が力を4秒溜める間にミークが支援魔法で俺の膂力の増強をし
 味方全員に爆風に備えた風のカーテンを張る。
 よし、完璧だ。あとは、コボルトの粉砕。
「おらぁ!!」
 コボルト1体につき1発でぶっ飛ばした。よっしゃ!クエスト完了。
「どうだ?ルナ。周りにモンスターの存在はないか?」
 実はルナにはもう1つ能力があった。忘れてたらしい。この天然が。
「とても、言いにくいのですが、1体姿が見えないのですがこの2mの地点にいます。」
「は?どこだよ?」
「詳細の位置まではわかりま・・・きゃっ!」
 ルナが吹き飛んだ。どうして俺らはこんなに運が悪いんだ。
「敵は1体だ。臨時報酬狙いで倒すぞ!」
「わかったわ!場所がわかればいいのよね。ファインド!目標周囲のモンスター!」
 モンスターが薄っすらだが見えた!なに?あいつ、悪魔型モンスターじゃね?!
 思い出した。あいつは、たしか。ベリアルとかいうやつ。くそっ。やるしかねぇ!
「嶽!全力で動きを封じろ!」
「無理だ!あいつには影がない!」
 なんだと?!じゃぁ。
「ミークと嶽の二人で時間を稼げ!そして、実体があるか確認しろ!」
「「わかった!」」
 ルナは、気絶してるのか?!俺は力を溜め始める。
「実体は一応あるわ!胸から腹の範囲内にあるわ!」
 ナイスだ!ミーク。4秒時間が溜まった。
「よし!じゃぁ、殴るぞ!」
 バコッ・・・!嶽がベリアルに殴り飛ばされたのみた。吐血していた。
 なんだよ、あいつ。チートモンスターかよ。いや、今はそんな場合じゃない。
 まずはあの悪魔を倒すことに集中しろ!
 俺は、全力でベリアルに飛び掛かり全力で腹を殴った。
「佑!逃げて!」
 俺は、何が起こったのかわからなかった。意識が。
 視界から色が消え音が遅くなり、視界に移るものが、ぶれながらゆっくりと動く。
 そして、意識が途絶える瞬間ミークの悲鳴が聞こえた。 
 俺の意識は覚醒し、世界の理をついに壊した。
「てめぇ。ミークに何しようとした。壊すぞ。」
「佑くん・・・」
 俺は、初めて自分の異能を広範囲に発動し自分だけを強化した。
 これが、おとぎ話の英雄が行ったという異能の覚醒か。
「アウトレイジ・バースト!」
 世界がとてつもなくゆっくりだ。いや、止まっている??
 俺だけが、高速移動してベリアルに全力で殴り続けている。だが手ごたえが全くない。
 それでも、俺は殴り続ける。体感時間にして15秒実際には0秒間の出来事だ。
 何発殴っただろうか。軽く1000発は越えたはずだ。
「失せろ。悪魔野郎。」
 ベリアルが、吹き飛び原型を留めずに粉々になった。
 すると大量の経験値魔素となり消え、俺に吸収された。
 自分のLvを確認すると20Lvになっていた。さっきまでLv5だったのに、だ。
 その直後、俺は意識を失った。

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