3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

二百六十話 フリーズランド20

「フリーズ。」


突然目の前に現れた吹雪姫は
隼人を凍らすため、魔法を
かけたが......


「よかった。探す手間が省けた。
ここでお前を殺しとこう。」


隼人には全く魔法が効いている
様子はなく


「 なぜじゃ!? このオスには
何故魔法が効かぬのかや!?」


堂々と登場してきた吹雪姫は、
明らかに動揺していた。
だが、


「ならば、まずは!」


隼人に敵わないと瞬時に悟った
吹雪姫はタチアナに視線を移す。


「先にメスよ。貴様からじゃ。
アイス・ディメンション。」


何かタチアナに危害を加えるなと
察した隼人は、吹雪姫を
殴り飛ばそうとするが、
その拳は前と同じように
吹雪姫の体を貫通する。
そして、そのまま吹雪姫は
辺りに吹雪を発生させ、
隼人達の視界を奪う。


「おい! タチアナ!」


隼人は吹雪によって姿を確認
できないタチアナの名前を叫ぶ。
しかし、返事は返ってこない。
そのまま数秒して吹雪は落ち着いたが、
タチアナと吹雪姫の姿はもうどこにも
なかった。














【アイス・ワールド】


「ここは!?」


吹雪が去った後、タチアナの目の前に
広がっていたのは、全てが氷で
構成された世界だった。
地面も壁も、そして天井も全て氷。
まるで氷の洞窟のような空間に
タチアナは立っていた。


「ここはアイス・ワールド。
わらわの世界でありんす。」


そしてタチアナの目の前で
吹雪姫がこちらを見ていた。


「アイス・ワールド? 
でたらめを言うな。ここは
フリーズランドのはずだ。」


「それは先程までの話じゃ。
今、貴様とわらわがいるのは
全くもって別の場所。
異次元でありんす。」


「異次元だと?」


「そうじゃ。そして、今いるこの異次元
から出入りするにはわらわの使う
魔法が必須でありんす。
この意味がわかるかや?」


「......つまり、私はここから出る
すべがないと?」


「悪くない回答じゃの......
じゃが、もっと面白い
回答がありんす。」


吹雪姫はニヤッと不敵に笑い、
地面を指差し、その指をぐるっと
一回転させた。


「ヒントじゃ。
この異次元を作っておる
この氷は、元は一体何だったの
かのぅ?」


「......まさか......」



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