3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

二百二十六話 仲間の捜索24

隼人に殴られ頭を強打し、
地べたに倒れているカクバを
尻目に、タチアナは自分の
羽織っていた薄い服を一枚
隼人にかす。
それを受け取った隼人は



「!? あっ! すまんすまん。」


と、慌ててその服を腰に
巻いてあそこだけでも隠した。



「全く......君は......」


タチアナは顔を真っ赤にしながら
隼人と顔を合わせることができず
下を向きながら口をもごもごとする。


「......なんなのよ今の......」


そんな中、隼人の人間離れした動きを
見ていたヨーテルは今見たものが
信じられないという表情を
浮かべる。


「あんた、何者よ!」


「今はそんなこと言ってる暇
ないですよ。敵があと少なくとも二人は
隠れてます。」


ヨーテルの問い詰めを軽く受け流し、
隼人はカクバがしっかり気絶して
いるかを確認して、辺りにヒールを
かける。


ここから二十メートル先に
素早く動く人のような物体が
一体。そして、距離は少し遠すぎて
判別できないが確かにもう一体
人のような物体が霧の中にいることを
把握した隼人は


「ヨーテルさん。タチアナを
お願いします。」


「どうするのだ、隼人。
一人で行くつもりか?」


「ああ。心配するな。」


不安そうにタチアナは思わず
隼人を止めようと手を伸ばす。
その手を隼人は優しく受け止め
安心させるように言った。


「十秒で戻る。」


その瞬間、隼人は光よりも速く
まさに電光石火のスピードで、
まずは二十メートル離れたところに
いるすばしっこい敵の前に現れる。
唐突の隼人の出現にも、操られて
いるせいなのか少しも驚きもせず、
そのすばしっこい敵はロボットの
ように淡々と印を結び


忍法 放炎


を放つ。
これを食らってはタチアナに
かしてもらった服が焼けてしまうと
隼人はその炎を交わし、敵の
背後に回って


ショック


と、敵にまあまあの電流を流す。
このショックは本来であれば
心臓が止まった仲間に対して
使う微弱な電流だが、
隼人はそのショックで1000万ボルト
ぐらいなら軽く出せるので、
この魔法でもその敵が気絶するのには
十分だった。

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