3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

百四十八話 三日月島13

「もう少しの辛抱です! みなさん、
頑張ってください!」


ルドルフは部下から分けてもらった
残り少ない矢で、まだ戦える
職業者と一緒に、未だ飛来してくる
岩を破壊していた。


頼むからはやく来てくれ!


ルドルフは必死になって心の中で
そう願っていた。


「矢を!」


「ルドルフ隊長......今ので最後の
矢です。」


「......」


その言葉にルドルフは弓を
無造作に手離した。


それを見た職業者達も、ここまでかと
武器を捨て始める。


降参。


それしかなかった。


抵抗の一切を止め、みなが武器を
置いた。


しかし


「隊長! まだきます!」


魚人の投石は止まなかった。


「......船を沈没させる気ですか......
岩の数は?」


「確認できるものだけで......
八発......」


「くそっ!」


なす術のないルドルフ達に
容赦なく、八個の岩が飛んでくる。






あぁ......僕、死んだ......




ルドルフがそう心の中で思った......



その時



「雷神の槍。」


空の上から雲も無いのに、
一筋の稲妻が八発の岩を焼き付くした。


ルドルフがその声の方を見ると、
そこには


「ヨーテルさん!!!」


彼女がいた。

















「何者だ奴は。」


三日月島の魚人兵が陣を構えている
見張り台で、双眼鏡を使って
人間の動きを確認している魚人兵達
がいた。


「あれは......噂に聞く帝国精鋭隊の
一人、ヨーテルのようです。」


「帝国精鋭隊だと!? ついに出てきたか
......」


「どうしましょう。」


「ええい!あと少しというところで......
切り札を隠していやがったか! 
糞人間共! 仕方ない......幹部様に報告
しろ!」


「か、幹部様をですか?」


「あぁ......もしかしたら、ここも時期に
やられるかもしれん。だが、
あのお方がいれば、糞人間共に
負けることなどまずない。」



「わかりました。」


そう言うと、魚人の下っ端は
海の中に潜っていった。














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