3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

九十五話 エレディア村

「ピッ!! ピピピッ!! ピピィッ!」


「悪かったって! そんなつつくなよ。」


「ピピッ!」


この村の食糧のほとんどを
収容している倉庫から、
何とか吊るされている状態でペルーを
発見し、救出することができたが、
当の鳥は
もう少しで死ぬところだったんだぞ!
と俺にぶちギレている。


「命があっただけよかっただろ。
俺なんて死んだんだぞ!」


聞いたところによると、
ペルーはタチアナさんと同じところ
に打ち上げられていたようで、
それを見つけた村人が貴重な食糧と
して倉庫の中で保管していたらしい。



「ピィ......」


鳥のくせに同情の目を向けてくる。


「その目やめろよ。それより、
タチアナさんのいる病院に行くぞ。
もう目覚めたって話らしいからな。」


「ピ!」













ジュラ島の地下にあるという
エレディア村。
ここには地上にいた大型の爬虫類は
おらず、人間の天敵になるような存在は
いないらしい。


この村を別の言葉で表現すると、
蟻の巢が一番あっているかもしれない。


人口は下の大陸に比べれば
少ないがが、ヤナハなどとは
全く違う、独自の文明を築いている
ようだ。


村の内部を進めば、所々に
水路があり、この村の子供たち
が石を投げて水切りのような遊びを
している。


「おっさんだれ?」


すると俺を発見した子供たちが
怖がらずとことこ近付いてくる。


「うわー、すっげー! いきてるとりだ!」


「あはは、きもちわるー。」


「ピィ!?」


地下に住んでいれば、当然、地上の
生き物などほとんどを見たこともない
ようで、ペルーに好奇心を秘めた
眼差しを向ける。

しかし、おっさんや気持ち悪は
言い過ぎだろうが。


「君たち、この村の病院って
どこにあるのかな? お兄さんに
教えてほしいんだけど。」


「それならこっちだよ!」


「こっちこっち!」


「こっちだよ! おっさん!」


この村の子供は元気がいいで
何よりです。

「3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く