3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

四十五話 選抜試験4

「よし! 班作ったな!
じゃあこれから十分やるから
自己紹介していいぞ!
始め!」


彼のいきなりの命令に
みな戸惑いつつも、班内で
自己紹介をしていく。


俺の班にはアスナという女騎士がいた。


「では、私から自己紹介をします。
私の名前はアルナです。」


あ、すみません。間違えました。
彼女はアルナさんです。
アスナではございません。


「職業は勇者。今は
タチアナ様の騎士団で活動
しています。」


「おぉ! では、もしやヘルドラ討伐に
参加していたのか!?」


顔には傷があり、いかにも修羅場を
くぐってきたかのようながっちりと
した男が言う。


「そうです。」


決して鼻にかけることなく答えた
彼女におぉ! と言うとアルナさんは
あなたは?と尋ねてくる。


「いかん! 申し遅れた。
我輩の名は牛喜。
職業はガンマン、以後お見知りおきを。」


そう言って彼は俺とアルナさんに
握手をしてくる。
そして、もう一人のフードを被った
男にも握手を求めようと手を差し伸べる
とそれを


「触るなぁ馴れ馴れしい。」


と言って叩いた。


「なぁにが、自己紹介だ。
お前らわいの足引っ張るような
もんなら殺すけんの。」


フードの下から歳は60くらいの男が
牛喜さんをにらみつける。


そんな彼の行動にみな固まって
しまった。


「え、え〜と。それじゃあ
次は俺の自己紹介ということで。」


俺は別に空気が読めないんじゃない。
いや、多少は読めないが、
班を作った以上、試験に合格するには
彼らの協力が必要ようだからだ。
そのためにも、彼らとは友好的な関係を
作る必要がある。


「俺の名前は隼人。
職業は聖職者です。
よろしく。」


「あ、あぁ、よろしく頼むぞ。
隼人。」


「よろしくお願いします。」


二人の丁寧な返しに、フード男は
また、へっと馬鹿にしたような
笑いをした。


「回復職なんぞ、なんの役に立つ
んか、他のやつの方が良かったわい。」


「さっきから何なのだ。失礼だぞ。」


流石に頭にきたのか牛喜さんが言う。



「そこまで!」


その時、カクバが号令をかけた。

 
「今からお前らに試験内容を
説明する!
一度しか言わねぇから、よく聞けよ!」


彼が言うと、周りにいた兵士達が
各班に二個ずつ小さなバッチと
シールを四枚渡してきた。

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